24/10/29
オーストラリアマーケティングの現状とトレンド|オンライン・オフライン双方へのアプローチがコツ
オーストラリアは日本に最も近い英語圏です。教育水準や医療水準が高く、世界で最も暮らしやすい都市として知られています。世界有数の親日国でもあるオーストラリアに、ビジネス進出したいと考えている企業の方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、デジタルマーケティングに18年以上携わってきた弊社TheDigitalXが、オーストラリアにおけるマーケティングのポイントについて解説していきます。
オーストラリア市場の基 礎データ
オーストラリアにおける消費者の特徴
オーストラリアのオフラインマーケティングの傾向
オーストラリアのオンラインマーケティングの傾向
さらに、オーストラリアマーケティングに成功するための勝ち筋や、すでに成功している日系企業の事例も紹介しますので、ぜひ戦略立案にお役立てください。
オーストラリアのマーケティング基礎データ
まずは、オーストラリアのマーケティング基礎データからみていきましょう。
面積 | 769万2,024k㎡ |
---|---|
人口 | 約2,626万人(2022年12月時点) |
公用語 | 英語 |
宗教 | キリスト教 |
主要産業 | 農林水産業2.6%鉱業10.6%製造業5.9%建築業7.3%卸売・小売業8.6%金融・保険業9.3%専門職・科学・技術サービス業7.5% など |
参照:外務省「オーストラリア連邦基礎データ」
オーストラリアは、日本の約20倍にもなる広大な国土を有している国です。多様な産業が発達していますが、なかでも商業・金融・外食・情報通信・サービス業などの第三次産業がGDP全体の7割を占めています。
参照:statista「オーストラリア: 2019年から2029年までの実質国内総生産 (GDP) 成長率」
オーストラリアの経済は1991年から28年間連続して右肩上がりの推移を続けており、堅調に成長している市場です。パンデミックの影響で一時はマイナスに推移したものの、2020年度には以前の水準まで回復しています。その理由としては、先述した第三次産業などの国内市場が強い消費意欲を持って いることが挙げられるでしょう。
人口増加で伸びしろのある市場
政治や経済が安定しているオーストラリアは、住みやすい国として他国からも注目されています。政府の移民受け入れ政策や自然増加により、人口増加は今後も継続する見通しです。DATAREPORTALのデータによると、2024年時点での総人口は2,657万人ですが、50年後には4,000万人に達すると予測されています。
また、オーストラリアにおける人口の年齢中央値は比較的若く、37.7歳です。高齢化社会である日本とは10歳以上の差があるため、今後も経 済成長が期待できます。以下は、オーストラリアにおける国民一人当たりのGDP推移です。
参照:statista「オーストラリア: 1989年から2029年までの一人当たり国内総生産 (GDP) の現在の価格」
2024年時点における一人当たりGDPは65,565米ドルであり、2029年には76,708米ドルまで推移する見通しです。日本における一人当たりのGDPは2024年時点で3,3138米ドルであるため、オーストラリアの市場がいかに魅力的ががわかります。
先進的なデジタル・インフラ環境がある
オーストラリアには、日本よりもはるかに先進的なデジタル・インフラ環境があります。
連邦政府の行政サービスデジタル化
公共施設におけるIT技術活用
キャッシュレス化社会
日本では2021年にデジタル庁を発足しましたが、オーストラリアでは6年も前から同様の施策をおこなってきました。より整ったデジタル・インフラ環境のあるオーストラリアは、デジタルマーケティングやeコマースに最適な市場だといえるでしょう。
参照:一般財団法人 自治体国際化協会「CLAIR REPORTNo.534」
オーストラリアにおける消費者の特徴
ここからは、オーストラリアにおける消費者の特徴について解説していきます。以下は、オーストラリア人の週間平均所得の推移です。
参照:TRADING ECONOMICS「Australia Average Weekly Wages」/サザンクロス・プロモーションズ「オーストラリア人の現地での消費動向」
週間換算なのは、オーストラリアの給与週間が週給制であるためです。オーストラリア人の週間所得は年々右肩上がりで推移しており、付加価値のある商品への需要も高まっています。オーストラリア現地における消費者の特徴は以下の通りです。
環境や健康を意識した選択
多様な文化への関心・理解
高品質かつ細部までこだわった製品を好む
また、オーストラリア現地の人々の中で、最もオンライン購入に寛容なのは30代の男女です。現地の人々は、価格比較やリサーチもオンライン上でおこなっている傾向があります。
環境や健康を意識した選択
オーストラリアの人々は、サスティナビリティやウェルネスへの関心が高い傾向があります。「環境にやさしく持続可能か」というサステナビリティの有無に着目する層に対しては、グリーン認定や持続可能性をアピールする、生産プロセスや労働慣行の透明性を高めるなどの施策が有効です。
また、現地の消 費者は健康やウェルネスへの関心が高い特徴もあります。食品・美容・パーソナルケアなどの分野においては、ヘルシー・オーガニック・ナチュラルを意識した商品の好感度が高い傾向です。さらに、社会的貢献度の高い企業・ブランドなども高く評価されています。
多様な文化への関心・理解が高い
オーストラリアは多国籍国家であることから、海外製品に対しても興味指数が高い傾向です。現地人のニーズや基準、好みを満たすものは受け入れられやすい特徴があります。
また、日本文化への敬 意や親和性も高く、食文化や伝統工芸などに興味の高い現地人が多いため、オーストラリアは日系企業にとって魅力的な市場です。インバウンド需要も高いので、現地に進出するメリットは大いにあるでしょう。
高品質かつ細部までこだわった製品を好む
オーストラリアの人々は、大量生産品よりも丁寧に作られた品質のいいものを好みます。親日国であるオーストラリアでは、高い技術を施した日本製品が注目されやすい傾向です。日本ならではの品質やこだわりをアピールすれば、商品やサービスに興味を持ってもらいやすくなります。また、社会的地位が高い層ほど、付加価値のある商品への需要があるといえるでしょう。
オーストラリアのオフラインマーケティングの特徴
オーストラリアにおけるオフラインマーケティングの特徴は以下の通りです。
TVや新聞などのマスメディア広告
展示会やイベントへの出展
現地メディアへのPR
販売促進(セールスプロモーション)
TVや新聞などのマスメディア広告
オーストラリアでは、TVや新聞などのマスメディア広告も顕在です。マスメディア広告を活用すれば、幅広い層の消費者に向けた認知拡大が期待できます。マスメディアに広告を出稿する際は、以下の項目に留意して、自社に最適な出向先を選定しましょう。
ターゲット層(視聴者層・読者層)
利用者数(視聴率・発行部数)
広告出稿にかかるコスト
展示会やイベントへの出展
展示会やPRイベントなどは、顧客と直接会話できるメリットがあり、ターゲット層に効果的にアプローチできるのが特徴です。現地には、「World Travel Expo」や「Matsuri Japan Festival」など、日系企業も参加しやすいイベントがあります。
イベントは特定のテーマに沿って開催されるため、来場者は優秀な見込み顧客になり得ます。製品のこだわりや品質に興味関心が高い現地人と、直接商材のPRができるイベントや展示会は、相性が良いといえるでしょう。