24/12/19
【2024年最新】インドのSNS事情を解説!各SNSの広告リーチも紹介
インドではYouTubeやFacebook、Instagramの利用者がいずれも3億人を超えており、人気のSNSとなっています。
SNS | 利用者数 | 広告リーチ | |
1位 | You Tube | 4億6,200万人 | 61.5% |
2位 | 3億6,690万人 | 48.8% | |
3位 | 3億6,290万人 | 25.3% | |
4位 | Snapchat | 2億100万人 | 26.7% |
しかし、インドでは他の国と比べて、女性ユーザーが少ない点はおさえた上で、チャネル選定が必要となります。
本記事では、デジタルマーケティングに18年以上携わってきたThe Digital Xが、インドと日本のSNS事情を比較して考察したり、上記のように各SNSのマーケティング活用方法のヒントをお伝えしたりします。
【日本との比較】インドのSNS事情と全体の利用者数
DATAREPORTALを参考に、SNS事情に関するデータを以下にまとめました。
インド | 日本 | |
---|---|---|
総人口 | 14億4,000万人 | 1億2,300万人 |
インターネット利用者数 (利用率) | 7億5,150万人(52.4%) | 1 億440万人(84.9%) |
SNSの利用者数(利用率) | 4億5,150万人(32.2%) | 9,600万人(78.1%) |
参照:DATAREPORTAL「デジタル2024:インド 」「デジタル2024:日本」
インドのインタネットやSNSの利用率を見ると、日本と比べて低めではありますが、総人口が日本の10倍以上あるため、ターゲットの母数を考えると大きい市場であることが伺えます。
インタネットおよびSNSの利用率の低い原因として、人口の6割が農村部に住んでおり、都市部に住んでいるのは約4割のみです。そのため、依然としてインターネット・SNSの普及率が低い傾向があります。
SNSの利用率を性別ごとに見ると、女性が31.4%、男性が68.6%となっており、販売する商材は男性向けの方が多くの男性ユーザーにリーチできると考えられます。
インドにおける人気のSNS
ここからは、インドにおける人気の高いSNSプラットフォームについてみていきましょう。以下は2024年1月時点における、利用者数の観点でまとめたSNS人気ランキングです。
SNS | 利用者数 | 広告リーチ | |
1位 | You Tube | 4億6,200万人 | 61.5% |
2位 | 3億6,690万人 | 48.8% | |
3位 | 3億6,290万人 | 25.3% | |
4位 | Snapchat | 2億100万人 | 26.7% |
参照:DATAREPORTAL「デジタル2024:インド 」
利用者数および広告リーチの観点で、YouTubeが1位となっています。toC向けのイメージの強いYouTubeですが、近年ではtoB向けの
上記のインドのデータと以下の日本のデータを比べると、インドは女性のSNS利用率が低いためか、Instagramの広告リーチが低い傾向にあります。
SNS | 利用者数 | 広告リーチ | |
1位 | LINE(ライン) | 9,600万人 | - |
2位 | You Tube(ユーチューブ) | 7,860万人 | - |
3位 | X/旧Twitter(エックス/旧ツイッター) | 7,340万人 | 59.7% |
4位 | Instagram(インスタグラム) | 5,545万人 | 45.1% |
5位 | Facebook(フェイスブック) | 1,575万人 | - |
参照:DATAREPORTAL「デジタル2024:日本」
ここからは、シェア率の高い「WhatsApp」と、広告リーチTOP4の計5種類のSNSを紹介していきます。
WhatsApp(ワッツアップ)
「WhatsApp」は、Meta社が提供するメッセンジャーアプリです。日本ではLINEが台頭しているため認知度は低いですが、欧米を中心に広く利用されています。
インドにおけるWhatsAppのシェア率は83.0%であり、月間利用時間も最長です。主なメッセンジャーアプリとして広く認知されており、とくにビジネス上のコミュニケーションツールとして活用されている傾向があります。
statistaによると、WhatsApp利用者の多くは都市部出身ですが、近年では農村部の利用割合が増えてきました。
BtoBはもちろん、BtoCのビジネスにも活用可能です。WhatsAppのアプリ内で、商品の注文や問い合わせ対応などをおこなっている企業アカウントも数多くあります。
You Tube(ユーチューブ)
「YouTube」は、日本でもインドでもシェア率の高い動画投稿型のSNSです。インドでは、総人口のうちの32.2%である4億6,200万人ものユーザーが登録しています。
さらに、広告リーチにおいては1位を獲得しており、インターネットユーザーのうちの61.5%が利用しているプラットフォームです。そのうちの32.4%が女性であり、67.6%が男性という数値が出ています。また、18~34歳の若年層がメインユーザーです。
インドでは音楽・映画ジャンルの人気が高く、テレビに代わるマスメディアとして注目されています。広告出稿による認知度拡大を期待できるプラットフォームです。
Facebook(フェイスブック)
Meta社の運営する「Facebook」は、世界中に23億人以上のアクティブユーザーがいる巨大なSNSです。インドのユーザー数はアメリカと首位を争うほどの規模であり、具体的には総人口の25.6%である3億6,690万人が利用しています。
また、このユーザー数はインターネットユーザーの全体のうちの48.8%であり、25.5%が女性・74.5%が男性です。日本では30代以上の男女が主なユーザー層で、登録者数も2,600万人と比較的人気が低いですが、インドでは主要なSNSであることがわかるでしょう。
これは、家族や友人と近況を共有できるFacebookの仕組みが、共同体意識が強いインドの国民性に合っているためだと予想されます。
Instagram(インスタグラム)
「Instagram」は、Facebookと同社であるMetaが運営するメディア投稿型SNSです。インドでは総人口の25.3%である3億6,290万人が利用しており、インターネットユーザーのうちの48.3%に該当します。男女比は32.8%が女性・67.2%が男性です。
インドでは、2023年1月からの1年間で1億3,300万人増加しており、人気が急上昇している傾向があります。一方、日本のユーザ数は6,600万人で、20~30代女性が主なユーザー層です。
インド国内のシェア率は3位ですが、statistaのデータによると、世界規模ではアメリカを抜いて最多人口であり、世界で最もInstagramユーザーの多い国でもあります。
その他のstatistaのデータでは、インドでインフルエンサーマーケティングで最も好まれるSNSはInstagramとのことです。
したがって、toC向けに商材を販売しているユーザーは、Instagramを活用することで効果的にユーザーにリーチできる可能性があります。
Snapchat(スナップチャット)
「Snapchat」は、登録した「フレンド」にのみ画像投稿できるSNSです。投稿したメディアは閲覧時間を設定でき、10秒で消えてしまう「ストーリー機 能」で注目を集めました。現在も欧米を中心に、10代などの若年層から人気を集めています。
インドでは2億100万人(総人口の14.0%)が登録しており、インターネットユーザーのうちの26.7%が利用者です。35.9%が女性・61.9%が男性であり、ほかのプラットフォームと比較すると女性人気がやや高い傾向があります。
マーケティングの活用方法としては、Snapchatは閲覧時間を設定できるため、限定的にすることで特別感を感じてもらいやすいキャンペーンを打ち出せるため、物販系の業界と相性が良いと言えるでしょう。
インドのSNSマーケティング事例
statistaの資料によると、インドのインフルエンサーマーケティング市場は、2022年時点ですでに120億インドルピー(220億円)以上の規模に達しており、現在も急成長を続けています。TikTokが禁止されているインドでは、YouTubeとInstagramがインフルエンサーの主な活躍の場です。
ここからは、インドにおけるSNSマーケティングの事例を2つ紹介していきます。
【YouTube】インドで最も著名な日本人インフルエンサー
Mayo氏は、インドで最も認知されている日本人インフルエンサーです。人口が多いインドでは、母数が多いぶんインフルエンサーや有名人も数多く存在しており、1人の外国人が有名になることは難しい現状があります。Mayo氏は、そんな中でもYouTube・Instagramにおけるフォロワー数を合算で300万人以上も獲得している実力者です。
元々は日本向けに発信していたのをインド向けに方向転換し、公用語の英語ではなく「ヒンドゥー語を話す外国人」として、現地にローカライズしたコンテンツ発信をおこないました。この戦略でほかの外国人インフルエンサーとの差別化に成功しています。
【Instagram】現地のメガインフルエンサー
Awez Darber氏は、3,176万人のフォロワー数を獲得しているインドの男性振付師です。音楽やダンスに興味のある若年層にとくに注目されています。
Savi and Vid氏は、旅行ブロガーとして人気を集めているカップルインフルエンサーです。126.6万人のフォロワー数を獲得しており、世界中のさまざまな場所を旅しています。したがって、インバウンドマーケティングにおすすめです。
インドにおけるSNSの注意点と成功のコツ
インドにおけるSNSの注意点と成功のコツは以下の通りです。
メインターゲットは男性向けが多い
SNSの投稿や広告が購買行動へつながりやすい
多民族国家への配慮が必要
またインドでは、Google系のサービスが非常に充実しており、日常的に現地ユーザーに活用されています。そのため、Googleと連携しやすいサービスに着目して参入するのがおすすめです。
メインターゲットは男性向けが多い
インドにおけるSNSマーケティングでは、ユーザーの多くが男性であることに留意が必要です。日本では女性向けの「インスタ映え」やインフルエンサー活動が主流ですが、インドでは男性視点でのマーケティングが効果的であるケースも多々あります。ターゲット層の選定を見誤らないよう、男性ユーザーに向けたコンテンツやアプローチを重視することも意識しましょう。
SNSの投稿や広告が購買行動へつながりやすい
statistaによると、2022 年時点でインドのソーシャル コマースの市場規模は70億米ドルに対し、2030年には840億米ドルに増加すると予測されています。
したがって、SNSの投稿や広告が購買行動に直結しやすい傾向があります。インドの消費者はECサイトよりもSNSで商品を購入し、その後SNSで他人に勧めることも少なくありません。
この一連の購買行動のトレンドを理解すれば、効果的に売上を伸ばすことが可能です。SNSとECサイトを連携させ、購入を促進する投稿や広告を作成することが大切になります。
多民族国家への配慮が必要
インドは多民族・多宗教・多言語国家であり、マーケティングにおいてはこれらの多様性への配慮が不可欠です。公用 語はヒンドゥー語と英語ですが、ほかにも約20の言語が使用されており、宗教や地域によっては消費者の価値観や嗜好も大きく異なります。
そのため、マーケティング戦略では現地の宗教や文化を尊重し、多様な背景を持つ消費者に対して配慮した表現やアプローチが求められるでしょう。
詳しい内容については以下の記事で解説しています。
「インド市場の魅力とメリット・デメリット|日系企業が成功するための基礎知識を紹介」
中 国製アプリの使用禁止とインド製TikTok「Moj」
インドでは、プライバシーやセキュリティの観点から、2020年6月よりTikTokが使用禁止となっています。その他中国製アプリ(WeChatなど)も現在使用禁止のため、プラットフォームを利用してもインド現地にはアプローチできないので注意しましょう。
その代わりに台頭してきているSNSが、インド製TikTokと呼ばれる「Moj」の存在です。現地にローカライズした15の言語に対応しており、TikTok禁止直後開始6か月で1億ダウンロードを突破しました。
そのため、TikTokの代わりとして、若年層へのアプローチに活用できます。また急激に人気を集めたことから、インドにおけるローカライズのお手本にもできるでしょう。
参照:BBC「インドはTikTok、WeChat、その他数十の中国のアプリを禁止しています」
インドSNSのよくある質問
最後に、インドSNSに関するよくある質問を紹介します。
インドビジネス進出の勝ち筋や注意点が知りたいです。
インド市場の現状、メリット・デメリットを教えてください。
インドの越境ECにおける人気プラットフォームを教えてください。
インドビジネス進出の勝ち筋や注意点が知りたいです。
インドビジネス進出の勝ち筋については、以下の記事で解説しています。
インド市場の現状、メリット・デメリットを教えてください。
インド市場に参入するメリットとデメリットについては、以下の記事で解説しています。
「インド市場の魅力とメリット・デメリット|日系企業が成功するための基礎知識を紹介」
インドの越境ECにおける人気プラットフォームを教えてください。
インドの越境ECに最適なプラットフォームは、以下の記事で紹介しています。
「【2024年版】インド市場の越境ECの規模と人気プラットフォーム3選を紹介」