2024年9月27日
【アメリカ向けSEO対策】日本と海外の違いを徹底解説
アメリカSEOは、アメリカの検索ユーザーにローカライズしたWebサイトの最適化をおこなうことを指します。アメリカへの販路拡大やビジネス進出を検討している方にとっては、このアメリカSEOは軽視できないマーケティング手法でしょう。
しかし、アメリカ向けのSEO対策は、日本国内のものとは違った難しさがあります。言語だけでなく文化や消費行動が異なるアメリカでは、基本のSEOに加えて現地に即した的確なローカライズも求められるのです。
「アメリカGoogleにおける上位表示が難しく、伸び悩んでいる」
「アメリカにおけるWeb集客を成功させたい」
「日本とアメリカのSEOは、具体的にどう違うのか?」
そこでこの記事では、デジタルマーケティングに携わって18年の実績を持つ弊社TheDigitalXが、上記の疑問や悩みを解決していきます。また、アメリカSEO対策のポイントや失敗する企業の特徴、勝ち筋についても現地社員の声を交えて紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
【海外向けSEO対策】アメリカSEOの現状と傾向
海外向けSEOは、現地におけるメイン検索エンジンにおいて、メイン言語で検索した際にオーガニック検索で上位表示されるよう最適化をおこなうことを指します。アメリカSEOにおいては、「google.co.th」「google.com.vn」などが主な検索エンジンです。
海外向けのSEOでは、ただ上位表示されることだけを目指すのではなく、コンテンツやサイトの構成、記述を現地に最適化することが大切になります。また、海外市場において競合他社に勝ち残るには、ただ海外向けのサイトを立ち上げるのだけでは不十分です。自社のオンラインプレゼンスを高めるために、上手くSEOを活用することが求められます。
アメリカSEOについての理解を深め、国内のSEOとの違いを把握して効果的に活用することが、アメリカビジネス進出を成功させるカギとなるでしょう。
検索エンジンはGoogleがトップシェア
以下は、2024年3月時点における、アメリカの主な検索エンジンです。
検索エンジン | シェア率 |
---|---|
Google(グーグル) | 86.94% |
Bing(ビング) | 8.04% |
Yahoo!(ヤフー) | 2.48% |
DuckDuckGo(ダックダックゴー) | 1.99% |
YANDEX(ヤンデックス) | 0.19% |
参照:Statista「米国の主要な検索エンジン、2015-2024、市場シェア別」
上記データからもわかるように、アメリカではGoogleが圧倒的なシェア率を誇ります。そのため、アメリカSEOは「Google」に焦点を当てるのが基本です。その他シェアの割合は、英語圏や日本などの多くの国と類似している傾向があります。
アメリカ検索エンジンにおける詳しい内容については、以下の記事をご覧ください。
「【2024年版】アメリカの検索エンジンTOP4|日本との比較とSEOマーケティングのコツ」
検索言語は英語が大多数
アメリカで最も使用されているのは英語です。近年ではヒスパニック系の人口が急増していることから、話者に関してはスペイン語も多くなってきていますが、検索言語においては英語が最も多い特徴があります。
ただし、アメリカは多国籍国家であり、現地人の10中4人は白人以外の人種で構成されていることから、英語以外の言語にも対応すればより広い層へリーチできるでしょう。
アメリカにおけるローカライズ戦略については、以下の記事もご覧ください。
「アメリカマーケティングの現状|ビジネス・マーケティングを成功させるには」
モバイルからのアクセスがメイン
スマホ | 96.2% |
---|---|
PC | 72.8% |
タブレット | 41.7% |
参照:Datareportal「デジタル2024:アメリカ合衆国」
アメリカでは、主にスマホなどのモバイル端末からインターネットにアクセスしています。そのため、アメリカSEOにおいては、モバイル最適化を意識することが最優先になるでしょう。ただし、PCからのアクセスも約7割と高く、業界やジャンルによってはデバイスの内訳が変動する可能性もあるため、実際のアナリティクスも参照することが大切です。
【Google】日本とアメリカのSEO対策の違い
ここからは、Googleにおける日本とアメリカのSEO対策の違いについてみていきましょう。
市場規模と競合の強さ
検索アルゴリズムの変動の影響
言語特性における検索キーワード
サイトデザイン
市場規模と競合の強さ
Statistaのデータによると、2023年時点における英語の話者は世界中で約15億人であり、日本語話者の約10倍であることがわかっています。そのため、アメリカにおけるSEOでは、競合サイトも日本のコンテンツの10倍以上だといわれているのです。
Googleにおける検索順位はほかの競合との相対評価であるため、国内競合よりもはるかに強いアメリカの競合に勝たなければ、上位表示はまず叶いません。アメリカSEOでは、現地のトレンドやニーズを把握し、ローカライズを意識したコンテンツ作成が求められます。その上で、英語における検索キーワードの傾向なども加味した対策が必要になるでしょう。
参照:Statista「世界で最も話されている言語 2023」
検索アルゴリズムの変動の影響
日本とアメリカでは、アップデートによる検索アルゴリズム変動の影響も違いがあります。アメリカにはGoogleの本拠地があるため、いち早くアップデートされる傾向です。そのため、アメリカSEO対策では、現地Googleの最新情報やトレンド情報を常にキャッチし、情報収集するスキルが求められます。
言語特性における検索キーワード
アメリカSEOでは、英語表現特有のKWや言い回しがあることを理解しておく必要があります。日本では、「日本 観光 旅行」のように、2~3語の短い単語型で検索するのが特徴です。一方アメリカ英語では、フレーズや疑問型での検索キーワードが多い傾向があります。
中でもロングテールと呼ばれる、「best places for a trip to Japan」のような一文は、精度の高いクリックやトラフィックが期待できるため、軽視できないキーワードです。アメリカ英語におけるよくある検索フレーズについては、以下を参考にしてください。
Best○○(例:Best monitors for gaming)
Top 10(例:Top 10 movies)
○○ tips(例:Gardening tips)
○○ near me(例:hotels near me) など
サイトデザイン
日本とアメリカでは、Webサイトのデザイン性も以下のように嗜好が異なります。
日本:情報量の多い詳細なコンテンツ
アメリカ:シンプルかつ視覚的情報を意識したコンテンツ
アメリカのサイトデザインは、視覚的な要素が好まれる傾向です。Google検索の仕様やSEOの観点からも、テキストコンテンツだけでなく、動画や画像などのメディアを併用するほうが効果が期待できるでしょう。
アメリカSEO対策の特徴とポイント
アメリカSEO対策の特徴とポイントは以下の通りです。
英語圏の競合他社のキーワードを調査する
hreflangタグを設定する
専用のツールを活用する
ボイスサーチを取り入れる
英語の言語特性を意識したコンテンツを作る
ここからは、現地社員のリアルな声もあわせて紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
英語圏の競合他社のキーワードを調査する
英語キーワードの選定時は、英語圏における競合他社のキーワードを調査することが大切です。アメリカ国内のコンテンツだけでなく、英語圏の海外企業が提供するコンテンツも参照するといいでしょう。アメリカSEOに参入してきている他国の競合もチェックすることで、より精度の高いキーワード選定がおこなえます。
上記の競合からリストアップしたキーワードから、「月間平均検索ボリュームが大きい」かつ「自社製品を正確に示す」キーワードを選定し、SEO対策をおこなうことがポイントです。
hreflangタグを設定する
アメリカ向けSEOでは、以下のhreflangタグを設定するのがいいでしょう。
<link rel=”alternate” hreflang=”en” href=”https://example.com/en” /> |
「hreflangタグ」は、検索エンジンにターゲットとする言語や国・地域を伝えるためのHTMLです。Webサイトやコンテンツのheadタグに上記を挿入し、「アメリカ向けのコンテンツ」であることを明記しましょう。
専用のツールを活用する
日本からアメリカのGoogleにアクセスすると、現地からアクセスする場合と検索結果が変わってしまう可能性があります。そのため、キーワード選定時は専用のツールを用いて「仮想的にアメリカから検索をおこなう」ことが大切です。
キーワード選定に活用できる専用ツールについては後述します。
ボイスサーチを取り入れる
アメリカでは、「ボイスサーチ(音声検索)」が半数以上のユーザーに使われているため、ボイスサーチ最適化(VSO)も意識するとなおよいでしょう。ボイスサーチは「Could you recommend tell me the best places to travel in Japan?」などの質問形式で検索されるので、FAQを設置することで対応できます。
実際の現場の声(弊社社員より) とはいえ、体感ではテキスト検索がほとんどです。あくまでも前提はテキストでの検索をベースに考えておきましょう。 |
英語の言語特性を意識したコンテンツを作る
SEO対策だけでなく、コンテンツ作成時も英語の言語特性を意識しましょう。英語と日本語は文法・言語の構造が異なるため、英語の言語特性に沿ったコンテンツ作成が求められます。日本では「起承転結」が基本ですが、英語では「PREP法」が基本です。起承転結型の文章では、Googleから正しく評価されないので十分注意しましょう。
詳しい内容については、以下の記事で詳しく解説しています。
「【英語】海外向けコンテンツマーケティング|適切なローカライズが成功のコツ」
アメリカSEO対策の難しさ|失敗する企業の特徴
アメリカSEO対策に失敗する日本企業の特徴は以下の通りです。
日本語を英語に直訳している
「.jp」ドメインを使用している
アメリカ国内サーバー・CDNを利用していない
日本語を英語に直訳している
アメリカSEOでは、現地に即したローカライズは必須です。そのため、キーワード選定においても、国内と同じ方法では効果的なSEO対策はおこなえません。既存の日本語サイトを活かす発想を捨て、一からコンテンツ・Webサイトを再構築するつもりで取り組むことが大切です。
たとえば、日本語では呼び方が1つしかなく固定されているキーワードも、英語では複数の呼び方が付いているケースがあります。日本語にはない英語独自の表現や、スラングなどを見落とす可能性があるのです。
そのため、ただ機械的に日本語を英語に翻訳するのではなく、文法表現の違いや言語特性などを理解した適切な翻訳が求められるでしょう。
「.jp」ドメインを使用している
「.jp」ドメインを使用している企業も、アメリカにおける検索順位に悪影響がある可能性があります。「.jp」は、日本に対しての発信内容だと認識される傾向があるためです。アメリカ向けの発信は、「.com」「.net」などのグローバル対応しているgTLDか、「.us」などのアメリカccTLDを活用するのがいいでしょう。
実際の現場の声(弊社社員より) ただし実際には、jpドメインでも上位表示されることもあります。herflangタグをきちんと設定してさえいれば、最近のアルゴリズムではそこまで影響はないようです。不安に思う場合は、TheDigitalXにぜひご相談ください。 |
アメリカ国内サーバー・CDNを利用していない
国内におけるSEO対策では、それなりに信頼性のあるサーバーなら問題なく表示されます。ただし、海外におけるSEO対策は、ターゲット国からの物理的な距離も考慮しなければなりません。アメリカとの地理的な距離を考慮して、アメリカの東海岸や、ヨーロッパの主要都市にサーバーを設置することも検討しましょう。
日本から契約できるサーバーについては、以下を参考にしてください。
アメリカSEO対策における勝ち筋
アメリカSEO対策における勝ち筋は以下の通りです。
市場調査とキーワード選定を重視する
海外の競合にはない自社の強みを見出す
アメリカの文化やトレンドを押さえた情報発信を心掛ける
言語特性を理解したローカライズをおこなう
ネイティブ監修の高度なローカライズをおこなう
市場調査とキーワード選定を重視する
先述した通り、アメリカSEO対策では市場調査とキーワードの選定が重要です。現地の競合他社を調査し、英語圏におけるキーワードの傾向と特徴を把握することが、検索エンジン最適化のカギとなります。
アメリカSEOにおける市場調査やキーワード選定に使えるツールは以下の通りです。
・月間平均検索ボリューム ・関連キーワードの調査 (世界全域または特定の国で活用可能) | |
SEO対策全般で活用できる ・ランク追跡 ・キーワード候補の調査 ・トラフィック概要機能 など | |
海外Googleの検索結果を仮想表示できる | |
Webサイトの表示速度を計測できる | |
キーワードプランナーと合わせて活用する キーワードがどの地域で検索されているか把握できる |
海外の競合にはない自社の強みを見出す
SEOの本場であるアメリカは、多くの分野で圧倒的なシェア率を誇っています。競争が非常に激しく、強力な競合コンテンツが多数あるアメリカSEOでは、現地に即したローカライズをおこないつつ、自社の独自性をアピールしていくことが大切です。他社にはない強みを3C分析で見出し、SEO対策における「独自性」に置き換えてアプローチしましょう。
アメリカの文化やトレンドを押さえた情報発信を心掛ける
Googleの検索順位には、情報の新鮮性(フレッシュネス)も影響します。トレンド性の高い話題は検索ボリュームも増加しやすいため、「Google Trends」などを使って、自社コンテンツと関連性の高い話題をリサーチし、反映させることも重要になるでしょう。
言語特性を理解したローカライズをおこなう
アメリカにおけるSEOやコンテンツ作成では、言語としての英語ではなく、現地ネイティブが使う英語という認識が必要になります。
たとえば、アメリカ英語とイギリス英語では、意味の違いから生じる認識のズレがあるため、混同すべきではありません。アメリカでは「ズボン」は「Pants」ですが、イギリス英語では「Trousers」が正しく、「Pants」だと下着を意味することになります。
ネイティブ監修の高度なローカライズをおこなう
最も効果的なのは、現地SEOに精通したネイティブに執筆・監修してもらい、文章の質を高めることです。アメリカは多国籍国家なので、英語が第二言語であるユーザー層にもわかりやすい文章や表現を心掛けることが大切になります。第二言語が英語の人にも伝わりやすいコンテンツのポイントは以下の通りです。
箇条書きや短文を使う
シンプルな文法・単語を使う
視覚情報を駆使する(図・表・画像など)
これらを意識した上で、現地の文化やトレンドを把握し、高度なローカライズをおこなうことが成功へのカギとなります。
アメリカSEO対策に関するよくある質問
最後に、アメリカSEO対策に関するよくある質問を紹介します。
アメリカの広告事情について教えてください。
アメリカでビジネスを失敗する企業の特徴はありますか?
アメリカのデジタルマーケティングの現状について教えてください。
アメリカで人気のあるSNSを教えてください。
アメリカの広告事情について教えてください。
アメリカの広告事情は以下の記事で解説していますので、ご参考ください。
「【2024年最新】アメリカの広告事情|トレンドを押さえた運用のコツ」
アメリカでビジネスを失敗する企業の特徴はありますか?
アメリカでビジネスを失敗する企業の特徴に関しては、以下の記事で紹介していますのでご参考ください。
「アメリカビジネス進出のメリットデメリット|成功・失敗例に学ぶマーケティングのコツ」
アメリカのデジタルマーケティングの現状について教えてください。
アメリカのデジタルマーケティングの現状を以下の記事で解説していますので、ご参考ください。
「【2024年版】アメリカのデジタルマーケティングトレンド | データを参考に解説」
アメリカで人気のあるSNSを教えてください。
以下の記事で、アメリカの人気SNSランキングと、SNSマーケティングのコツについて解説しています。
「アメリカの人気SNSランキングTOP5|日本企業のSNSマーケティングを成功に導くコツ」
アメリカSEO対策のコンサル&戦略立案ならTheDigitalXまでご相談ください
アメリカSEOに成功するためには、現地競合調査から抽出したニーズの高いキーワードの選定や、ローカライズされたコンテンツ作成が不可欠です。弊社TheDigitalXでは、デジタルマーケティングのプロフェッショナルの観点から、貴社のニーズに合った的確なローカライズ・戦略立案をいたします。アメリカSEOに苦戦している方は、ぜひ一度ご相談ください。
SNS Share!!