25/1/21
【2024年最新版】ベトナムのマーケティングのトレンドは?成果を最大化するポイントを解説

ベトナムは東南アジアのなかでも人口規模、経済規模ともに大きく、注目が集まっている国の一つです。
経済規模に比べて物価や労働力がまだ低水準なので、日本からのオフショアとして注目を集めています。
そんなベトナムにビジネスチャンスを見出している企業は多いですが、その上で欠かせないのがマーケティングです。
上記の 点について、グローバルマーケティングのプロフェッショナルの視点から、わかりやすく解説していきます。
ベトナムのマーケティング基礎データ
まずは景気動向や人口動態など、ベトナムのマーケティング基礎データから解説していきます。
景気動向
ベトナムの景気はコロナ禍以前は絶好調でしたが、コロナ禍で一度大きく落ち込み、その後コロナ禍明けの2022年にGDP成長率8.0%の成長率を見せました。
しかし、そこから失速をはじめ、2023年は6.3%、2024年は6.5%の成長と見積もられています。
ベトナム経済を支えているのは製造業で、若年層が豊富なことから国内消費が好調なことに加え、海外への輸出にも積極的です。
一方、戦争やアメリカの大統領問題など、世界情勢が非常に不安定であり、輸出先である中国、アメリカ、ユーロ圏が不振に陥ると、一緒に下振れてしまうというリスクを抱えています。
出典:Taking Stock: Vietnam Economic Update, March 2023 - WORLD BANK GROUP
人口動態
ベトナムの人口は1億人を超えており、今なお増加傾向にあります。
ベトナムの2022年末時点における若年層(15歳〜30歳)の人口は2070万人存在し、全体の割合は20.9%です。
あまり知られていませんが、ベトナムでは急速に少子高齢化が進んでおり、2020年には全体の23.0%だった若年層が2022年末には20.9%まで減少しているため、わずか2年で2%以上の若年層が減少しています。
また、ホーチミンやハノイなど都市部での人口集中が進んでおり、日本など先進国と同様の課題を抱えていることを考えると、少しずつですが着実に、先進国へと近づいていることがわかります。
そして、この人口増加トレンドこそが景気押し上げの最大要因となっている点に注目です。
人口が増えることで国内消費が活発になり、労働力も安く抑えられます。
日本とは対照的な好循環を生み出しているため、多くの人、そして企業がベトナムにビジネスを仕掛けることにも頷けるはずです。
出典:ベトナム社会主義共和国(Socialist Republic of Viet Nam)基礎データ - 外務省
マーケティング市場
経済成長に陰りが見えてきたこととは対照的に、マーケティング市場は堅調な成長を見せています。
2023年から2029年までの期間で年平均5.78%のペースで成長することが見込まれており、2030年までにおよそ3億米ドルへと到達すると予測されています。
なかでもデジタル広告の成長が著しく、2023年には驚愕の年間23%の成長を見せました。
このペースで5年間成長を続けると仮定すると、およそ3倍にまで市場規模が膨れ上がるため、今後の成長ペースに注目が集まります。
一方、あまりにも早い成長スピードに規制が追いついてお らず、課題が山積している状態です。
もし、政府による規制が入ると成長速度は急激に減速する可能性があるため、リスクをはらんでいることも忘れるべきではありません。
出典:Vietnam Online Advertising Market Outlook to 2023: Ken Research - VIETNAM INSIDER
ベトナムの消費者の特徴
続いて、ベトナムの消費者の特徴について解説していきます。
人口増加にややブレーキがかかっている印象も受けますが、まだまだ若年層は多く勢いがあるため、スマートフォンやSNSを絡めたマーケティングとの相性は非常に良いです。
また、日本ではベトナムは未だ発展途上国のようなイメージを持っている方が多く存在しますが、実際にホーチミンなど都市部を訪れると、先進国水準の生活を送っていることが理解できます。
その上、成長国特有の勢いがあるため、日本よりも購買意欲は旺盛であり、高齢化が進む日本で見られる「品質」「安全性」を重視する姿勢よりも、トレンドや流行に敏感である点にも注目すべきです。
ベトナムのオフラインマーケティングの特徴
ここからは、ベトナムのマーケティングの特徴について解説していきます。
まずはオフラインのマーケティングについてです。
基本的には日本と同様に、下記に示す広告手法が主流です。
紙媒体
テレビ
ビルボード
先述のように、ベトナムでは都市部への人口集中が進んでいるため、都市部への広告出稿がセオリーだと言えます。
これまでの経験上、ホーチミンの場合は、
タインビン
タンフー
ビンタイン
上記の3スポットにおける広告出稿が、そしてハノイの場合は、
ホアンキエム
カウザイ
バディン
上記スポットにおいての広告出稿が、特に効果的だと感じています。
ベトナムのデジタルマーケティングの特徴
続いて、ベトナムにおけるデジタルマーケティングの特徴について解説していきます。
ベトナム人のスマートフォン利用時間は1日平均3時間30分であり、これは日本の1時間54分よりも圧倒的に長時間使用しています。
出典:Time Spent Using Smartphones (2024 Statistics) - EXPLODING TOPICS
これでもフィリピンなど東南アジア諸国 と比べるとベトナムは短い方ですが、スマートフォンに関連させたデジタルマーケティング、すなわち、下記のような手法がセオリーです。
リスティング広告
SNS広告
ベトナムの検索エンジン市場はGoogleの一強ではあるものの、少しずつCooCooというベトナム内製の検索エンジンが台頭してきています。
したがって、今後を見据えるなら、GoogleだけでなくCooCooのリスティング広告にも力を入れると良いでしょう。
参考:ベトナムの検索エンジンランキングTOP5!ベトナムのSEOを攻略するポイントとは?
一方、SNS広告はFacebookが圧倒的なシェアを誇っているため、Facebookを中心に攻めていきましょう。
若年層をターゲットにするならTikTokを、そして「ベトナム版LINE」と言われている「Zalo」もSNSマーケティングの選択肢の一つとしてあげられます。
参考:【2024年最新】ベトナムSNSランキング|インターネット事情をマーケティングに活かすコツ
また、デジタルとオフラインをミックスした「DOOH(Digital Out of Home)広告」にも注目です。
DOOHとは屋外におけるデジタル広告、つまり街中にある大型ビジョンや公共施設におけるデジタルサイネージなどを指します。
上記グラフのように、DOOH広告にかかる広告費は年々増加の一途を辿っているため、選択肢の一つとして検討をしておきましょう。
ベトナムのマーケティングで成功するコツ
ベトナムのマーケティングで成功するコツとしては、上記の点があげられます。
人口動態、そして地理的要因を考慮すると、都市部在住の若年層をターゲットとして設定するのがセオリーだと言えます。
「購買意欲が旺盛でトレンドに敏感」というターゲティングに刺さる商材を用意し、単なる翻訳ではなく「トランスクリエーション」と呼ばれる「刺さる翻訳」を実施しましょう。
また、ベトナムは親日国であるため、Made in Japanへの信頼は非常に強いです
これを活用し、日本要素をメリットとして見せながら、リスティング、SNSの両輪を回してマーケティングを進めていきましょう。
ベトナムのマーケティング成功事例
ベトナムにおけるマーケティング事例を知ることで、具体的なイメージが湧きやすくなるものです。
まずはコカ・コーラの成功事例から見ていきましょう。
これから紹介するYouTube動画は、ベトナムの旧正月である「テト」に合わせてコカ・コーラが用意した動画広告です。
テトでは亡くなった家族の霊や魂が訪れるとされており、日本におけるお盆のようなイメージをするとわかりやすいです。
動画のシチュエーションはベトナムの一般家庭。
夫婦がテトの準備をしているシーンから始まります。
父親がコカ・コーラのプルタブを開けると同時に、黄色の鳥(おそらく亡くなった方々の霊や魂を意味している)が飛び立っていく様子が描かれています。
そして、その黄色の鳥たちが街中へと飛び立っていき、その様子を子どもたちが見つめています。
その後、子どもたちがコカ・コーラを持って黄色の鳥を追いかけ、ご近所さんたちにコカ・コーラを振る舞います。
もちろん、黄色の鳥も一緒に街中を回っています。
