24/11/27
【調査データを基に解説】タイ市場のPR戦略5選|注意点や事例も紹介
PR戦略は、顧客との双方向のコミュニケーションが重視されます。タイへの事業展開において、持続的な信頼関係を構築するために、効果的なPR戦略を打とうと考えてい る方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、弊社TheDigitalXが、海外マーケティングのプロフェッショナルの観点から、以下の疑問や悩みを解決していきます。
「タイ人に喜ばれる・印象に残るPRはどんな内容?」
「タイの経済・広告市場について知りたい」
「タイ向けPRに成功した先行企業の事例が知りたい」
さらに、タイ向けPRに効果的なマーケティング戦略や、実施する際の注意点についても詳しく解説していきます。弊社社員の現場の声もあわせて紹介しますので、タイPR戦略に悩んでいる方は必見です。
タイ市場の基礎データ
まずは、タイ市場の基礎データからみていきましょう。
面積 | 51万4,000㎢ |
---|---|
人口 | 6,609万人(2022年時点) |
公用語 | タイ語 |
宗教 | 仏教(94%) イスラム教(5%) |
主要産業 | 製造業(約30%) 農業(約10%) 観光業・サービス業(約56%) |
参照:外務省「タイ王国基礎データ」
タイは日本の約1.4倍の国土面積を持っており、合計4ヵ国と国境を接している国です。国民の大多数がタイ族で、その約半数がバンコクやノンタブリー市などの都市部に住んでいます。タイは東南アジアで唯一植民地化されておらず、公用語もタイ語のみです。
タイ経済市場の現状
参照:statista「タイ:1989年から2029年までの国内総生産(GDP)の現価格」
参照:statista「タイ: 2012年から2022年までの国内総生産 (GDP) に占める経済セクターの割合」
タイの経済市場は、観光客の流入が多く、産業が発達していることから非常に安定しています。2024年時点のGDPは5,289億2,000万米ドルで、1人当たりGDPは7,527.38米ドルです。1人当たりのGDPに関しては、東南アジア諸国においてシンガポールに次ぐ2位の勢いを維持しています。
GDPの成長率はここ数年横ばいですが、今後は成長する見通しです。現在のタイ経済はサービス業と製造業によってまかなわれており、国のGDPの91%以上が2つの産業によって生み出されています。
参照:statista「タイ - 統計と事実」/「2029年のタイの一人当たり国内総生産(GDP)」
タイの広告市場の現状
参照:statista「広告 - タイ」
タイの2024年時点における広告市場規模は、48億4,500万米ドルです。最大の市場はテレビ・ビデオ広告であり、24億4,100万米ドルのシェア率を誇っています。ただし、検索広告などのデジタル広告も台頭してきており、2030年には全体の52%がデジタルソースになる見通しです。
また、タイではインフルエンサー広告が急成長しており、2024~2030年の年間成長率は9.82%だと予測されています。2024年時点での市場規模は6,878万米ドルですが、2030年までには1億2,070万米ドルに達する予測です。
参照:statista「インフルエンサー広告 - タイ」
タイにおけるデジタル市場の現状
タイにおけるデジタル市場の現状は以下の通りです。
インターネット普及率:88%(6,321万人)
SNS普及率:68.3%(4,910万人)
スマホ普及率:136.1%(9,781万台)
1日のインターネット利用時間:8時間6分
人気SNSプラットフォームと広告のリーチ率については、以下を参考にしてください。
順位 | SNS | ユーザー数 | リーチ数 |
---|---|---|---|
1位 | Facebook(フェイスブック) | 4,910万人 | 68.3% |
2位 | TikTok(ティックトック) | 4,438万人 | 70.2% |
3位 | YouTube(ユーチューブ) | 4,420万人 | 61.5% |
4位 | Facebookメッセンジャー | 3,555万人 | 49.5% |
5位 | Instagram(インスタグラム) | 1,875万人 | 26.1% |
近年では上記SNS以外にも、タイ最大のローカル掲示板サイト「Pantip」などを活用したPRなども注目されています。
タイSNSの詳しい内容については、以下の記事も参考にしてください。
「【2024最新版】タイの人気SNS事情|マーケティング活用事例から学ぶ進出のコツ」
タイPRに効果的なマーケティング戦略5選
ここからは、タイPRに効果的なマーケティング戦略を紹介していきます。
テレビ&ビデオ広告への出稿
SNSやインフルエンサーによるPR活動
プロモーションイベントへの参加
交通 広告やOOHを活用したPR
店頭PR・サンプリング
テレビ&ビデオ広告への出稿
先述した通り、タイの広告市場では、テレビ&ビデオ広告が大きな影響力を持っており、広告市場全体の約46%を占めています。テレビの普及率もスマホやインターネットより依然として高く、100%に近い数値です。さらに、テレビ広告への信頼性も高いことから、国民に広くPRしたいときには大いに活用できるでしょう。
参照:statista「タイの2023年広告費予測(媒体別)」「タイのテレビメディア広告費 2018-2023」
実際の現地の声(弊社社員より) 効果的なテレビ広告を打つためには、内容にストーリー性を持たせることが大切です。タイ人はテレビを通して「ラコーン」と呼ばれるタイドラマを視聴することを好んでおり、ドラマ性のある内容に惹かれる傾向があります。直感的に楽しめる、タイの国民性からも理解しやすい内容を心掛けると人々の記憶に残るでしょう。また、今後はデジタル広告が台頭していく見通しであるため、デジタルマーケティングとの併用がおすすめです。とくに若年層を取り込みたい場合は、デジタルマーケティングにも注力しましょう。 |
SNSやインフルエンサー によるPR活動
SNSを活用したマーケティングは、現地の消費者と双方向のコミュニケーションが取りやすく、認知度拡大・信頼関係の構築に大いに役立ちます。現地の言語で投稿するのはもちろん、コメント返信やSNSキャンペーンなど、RP戦略ならではのコミュニケーションを重視することが大切です。
タイのSNS広告市場は、2024年時点で5億9,000万米ドルであり、2029年には約10億規模の市場にまで成長、そのうちの約7割がモバイル経由の生成になると予測されています。インフルエンサーの広告市場も勢いを持っており、2024年時点での市場規模は6,878万米ドルです。
また、近年では「マイクロインフルエンサー」が台頭してきています。マイクロインフルエンサーとは、視聴者と密接なつながりを持ち、1万~100万人規模のフォロワーを有するインフルエンサーです。ニッチな視聴者へ効果的にリーチするためには、このマイクロインフルエンサーの活用が適しています。
参照:statista「インフルエンサー広告 - タイ」/「タイのインフルエンサー マーケティング - 統計と事実」/「ソーシャルメディア広告 -タイ」
プロモーションイベント
プロモーションイベントや展示会で、直接消費者にアピールするのも効果的です。テーマに興味のある消費者が集まって来るため、ターゲット層にリーチしやすいメリットがあります。首都バンコクでは、毎年数多くの展示会が開催されており、世界中の企業から注目されている傾向です。タイ国内へのマーケットはもちろん、東南アジア全域へのアプローチにも効果があるでしょう。
以下のように、日本企業に特化したイベントも多いため、参加のハードルが低いのも魅力です。
TTAA(タイ旅行業協会)が主催する「TITF(タイ国際旅行フェア)」
JNTOのバンコク事務所が主催する「FITフェア」
アジア最大級の日本特化イベント「Japan EXPO Thailand」 など
交通広告やOOHを活用したPR
デジタルサイネージやOOH(アウトオブホーム)など、駅や車両を活用した交通広告を活用したPR方法も有効です。通勤などで毎日目にする場所に広告を出すことにより、現地人の潜在意識にアピールできます。以下は、効果が見込める出稿場所の一例です。
BTS(高架鉄道)
MRT(地下鉄)
サイアム駅周辺の巨大ショッピングモールなど
タイではOOHの人気も上昇傾向で、2023年には市場規模を大きく伸ばしています。野外広告は約91億タイバーツ、交通広告費は約74億タイバーツの市場規模です。
参照:statista「タイのメディア業界による屋外広告と交通広告費 2018-2023」
店頭PR・サンプリング
ターゲット層が来店するショッピングモールなどで、リアル媒体でのPRをおこなうのも効果的です。食材や化粧品のサンプリングは、ターゲット層へのテストマーケティングや、潜在ニーズの把握に大いに役立ちます。直接ターゲット層の反応が見られるので、商品やサービスのさらなる改良・ローカライズにも貢献できるでしょう。
【先行企業】タイのPR戦略に成功した事例
ここからは、タイのPR戦略に成功した先行企業の事例を2つ紹介していきます。
JR東日本|Instagramを活用した旅行商品PR
赤城乳業|現地でのサンプリングイベント活動
JR東日本|Instagramを活用した旅行商品PR
JR東日本が取り組んだ、イベント×SNSの旅行商品PRです。「Tokyo Rail Days」のイベント会場にInstagram撮影用のフレームを設置し、体験型の現地PRをおこないました。具体的には、ハッシュタグを付けてInstagramに写真を投稿することにより、応募者抽選で「日本旅行などの特典が当たる」というPRです。結果として、プロモーション参加者×フォロワー人数分に情報をリーチでき、現地での認知度拡大に成功しています。
参照:Media Presto「Instagramプロモーション」
赤城乳業|現地でのサンプリングイベント活動
赤城乳業が取り組んだ、タイ現地でのサンプリングイベントPR活動です。2016年に初の海外子会社をタイに設立し、約2年間のテスト販売を経て「ガリガリ君」の本格販売を開始しました。赤城乳業では、「実際に食べて、知って、感じてもらうことがPRにつながる」をモットーにしています。
これまでも、若者が集まるバンコクのショッピングモールやイベント会場にて、ガリガリ君を配布するサンプリングをおこなってきました。2017年6月にサイアムスクエアでおこなったイベントでは、2日間で約3万本を配布しています。来場者の多くがSNSに写真をアップすることで、自然とブランドが浸透していくのが狙いです。
参照:THAIBIZ「タイでもガリガリ君を現場から、現地ブランド浸透目指す」
タイPR戦略における注意点
タイPR戦略における注意点は以下の通りです。
消費者の傾向と特徴を理解する
地元メディアや企業との関係性構築
現地に精通したネイティブによる的確なローカライズ
消費者の傾向と特徴を理解する
タイの現地人はブランド志向が高く、無名の商品には興味を持ちにくい傾向があります。飽きっぽい・文字をあまり読まないなどの特性もあるため、PR時には注意が必要です。とくに、日本人は文字を読むため情報を詰め込む傾向がありますが、同じ意識だと現地ではうまくいかないでしょう。
さらに、たとえ内容が有益であったとしても、発信源が外国人だと懐疑的になる傾向もあります。知名度向上や信頼獲得を狙うなら、まず現地のインフルエンサーやKOLを起用してPRするのが効果的です。
地元メディアや企業との関係性構築
先述したように、タイでは知名度の低いブランド・商品や、外国人発信の情報は見向きされない傾向があります。そのため、現地企業とのタイアップやメディア・広告の力を借りて、認知度向上に努めるのも効果的です。
マーケットの大きいテレビ・ラジオ・新聞・雑誌など、現地企業とのコネクションも意識してみましょう。現地企業と提携することにより、商談時の情報交換などもできるため、より的確なローカライズに近付けます。
実際の現地の声(弊社社員より) タイでは、上流階級や肩書きなどを重視する傾向があるため、そのあたりを意識した人脈を築けると効果が見込めます。時間をかけてでも人脈作りに心を砕き、ネットワークを構築すると、よりスムーズに受け入れられるでしょう。 |
現地に精通したネイティブによる的確なローカライズ
タイ語の翻訳は、英語以上に注意が必要です。タイ語をあまり知らずに扱ってしまうと、間違った改行や誤字脱字、文字化けに気付かない可能性があります。とくに、日本人はタイ語の文字化けに気付きにくいため、有識者やネイティブにチェックしてもらう必要があるでしょう。
また、タイは仏教が主な宗教であるため、現地では西暦でなく仏暦が採用されています。こうした小さな部分でも、ローカライズされていないと現地人は違和感をおぼえるでしょう。翻訳時は、必ずタイ人または現地に精通したネイティブに最終チェックなどの監修をしてもらうことをおすすめします。
タイ向けPRに関するよくある質問
最後に、タイ向けPRに関するよくある質問を紹介します。
タイ向けデジタルマーケティングのトレンド情報を教えてください。
タイにビジネス進出するなら把握しておくべきことはありますか。
タイの越境ECに適したプラットフォームはありますか。
タイにおけるKOLマーケティングの現状を教えてください。
タイで主流の検索エンジンを教えてください。
タイ向けデジタルマーケティングのトレンド情報を教えてください。
「【2024年版】タイのデジタルマーケティングトレンド | 調査データ参考に解説」
タイにビジネス進出するなら把握しておくべきことはありますか。
「タイビジネスのススメ|進出前に知っておくべき基礎知識やメリット・デメリット」
タイの越境ECに適したプラットフォームはありますか。
「タイのおすすめ越境EC4選!タイの物販ビジネスの勝ち筋とは?」
タイにおけるKOLマーケティングの現状を教えてください。
「タイで認知拡大!KOL(インフルエンサー)マーケティング現状と注意点を解説」
タイで主流の検索エンジンを教えてください。
「タイの検索エンジンランキングTOP5!タイのSEOを攻略するポイントとは?」
タイや東南アジア向けのPR戦略はTheDigitalXにお任せください
タイは独自の文化が色濃く残っている国なので、日本語はもちろん、英語圏とも異なる戦略が必要です。タイ向けのPR戦略には、的確なローカライズやネイティブによる監修が欠かせません。
弊社TheDigitalXでは、18年以上デジタルマーケティングに携わってきた確かな実績がございます。各地に在籍するネイティブなマーケターと共同で、貴社の商材・ブランドに合ったサポート&戦略立案をおこないますので、ぜひ一度ご相談ください。
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