January 13, 2025
日本企業の越境ECの成功事例5選!市場規模や成功している企業の特徴を紹介

コロナ禍をきっかけに起こった越境ECブームですが、現在は越境EC利用の定着やインバウンド需要の高まりから、次のステージへと向かっています。海外ユーザーの日本製品・コンテンツへの興味関心が高まっている今、訪日客との接点としての越境ECに注目が集まっているのです。
そこでこの記事では、デジタルマーケティングに携わって18年以上の実績を持つTheDigitalXが、日本企業の越境ECに関する以下の疑問について詳しく解説していきます。
「越境ECにおける日本企業の強みとは」
「越境ECに成功する日本企業の特徴は?」
「実際に越境ECに成功した企業の具体例が知りたい」
さらに、日本企業における越境ECの市場規模や現状、トレンドや勝ち筋についても紹介していきますので、ビジネスの展開先や戦略に悩んでいる方は必見です
日本企業における越境ECの市場規模と現状

参照:statista「2013年~2022年 日本のBtoC ECの市場規模」
日本国内におけるEC市場の取引額はBtoBが圧倒的ですが、近年はBtoCのeコマースも拡大傾向にあり、CtoCも発展しつつあります。2022年におけるBtoC電子取引商市場は約9.1%に達し、2013年の3.9%から大きく増加しました。
BtoCは10年間で市場規模が倍以上に成長しており、今後も伸びしろが期待されています。ホビーや趣味関連・家電・生活雑貨のEC化率は高い傾向ですが、食料・飲料の分野は他国に遅れを取っている傾向です。一方で、BtoBの国内EC化率は既に全体の3分の1に到達しているため、やや飽和傾向にあります。
そのため、BtoCはもちろん、BtoB業界においても越境ECを視野に入れる動きが高まっている傾向です。近年では、ITの発展や円安を追い風に、中小企業が続々と越境ECに参入しています。
【世界】日米中間の越境EC市場規模

参照:経済産業省「令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書」
経済産業省の上記データを参照すると、2022年における国別BtoC市場規模ランキングは以下のようになります。
順位 | 国 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 中国 | 50.4% |
2位 | アメリカ | 18.4% |
3位 | イギリス | 4.5% |
4位 | 日本 | 3.1% |
日本は世界有数のEC市場のうちの1つです。市場のトップである中国やアメリカが主な進出先となっており、いずれの国家間でも取引額は増加傾向にあります。日本から中国への越境EC額は2兆を超えており、アメリカへの越境ECも1兆以上の取引額です。さらに、アメリカにおいては、中国よりも日本からの購入額が多い傾向があります。
statistaのデータを参照すると、世界のeコマース市場は今後も成長し続ける見通しです。2026年には、小売売上高の4分の1程度まで拡大することが期待されています。
参照:sutatista「モバイル端末の普及と共に発展するEコマース」
また、アメリカ越境EC参入の詳しい内容については、以下の記事もご覧ください。
「【アメリカ越境EC】2024年最新の米国EC市場!ビジネスに参入するためのポイントについて解説」
【今後注目】東南アジアの越境EC市場規模
韓国や東南アジアは、近年急速に成長を遂げている注目の越境EC市場です。なかでもモバイル端末を経由した「Mコマース」はアジアで人気が高く、韓国においては取引総額の7割以上をMコマースが占めています。これは、アジア諸国においてスマホが急速に普及したことが主な理由です。
sutatistaのデータを参照すると、2023年時点における東南アジアのeコマース市場は約1,390億米ドルの規模があり、2025年までに大幅に拡大する見通しがあります。そのため、東南アジアも今後日本企業が進出していくのにおすすめの市場だといえるでしょう。
参照:statista「アジア太平洋地域の電子商取引 - 統計と事実」
東南アジア・韓国の越境EC市場については、以下の記事を参考にしてください。
「【東南アジア越境EC】各国のEC市場規模と現状|主要プラットフォームと勝ち筋をご紹介」
「【2024年】韓国越境ECの勝ち筋と市場規模を徹底解説!消費者の特徴や人気プラットフォームをご紹介」
越境ECにおける日本企業の強み
越境EC展開時は、他国にはない日本企業独自の「強み」をアピールすることも大切です。
高品質な「メイドインジャパン」の製品は世界からも高需が高く、1つのブランドとしての地位を確立しています。海賊版などが横行している海外では、真偽の判別が難しい精巧な偽物も数多く存在しているため、「日本企業が販売する日本の商品」というだけで価値があるケースも多いです。
日本企業の越境ECにおけるトレンド傾向
以下は、海外需要の高い日本の越境ECアイテムを、カテゴリー別にランキング化したものです。
参照:BEENOS「BEENOSが「越境ECヒットランキング2023」を発表 ~「世界総オタク化消費」で、日本の越境EC市場が拡大~」
アニメ・マンガ・おもちゃなどは幅広い層に需要があり、アジア圏からはファッションや食品・化粧品などがとくに人気です。上記のトレンドに加え、安全性や品質・性能を求める海外ユーザーからは「家電製品」「日用雑貨」などの越境EC需要も高まっています。
越境ECに成功する日本企業の特徴
ここからは、越境ECに成功する日本企業の特徴を3つ紹介していきます。
ターゲット国のローカライズが入念
商品訴求や説明に力を入れている
積極的な情報発信をしている
ターゲット国のローカライズが入念
越境ECで売上を伸ばしている日本企業は、単に規模の大きい市場や人気のある市場に進出するのではなく、自社サービスとの親和性が高い国や地域をターゲティングしています。現状のデータから流入してきている海外ユーザーを把握し、ロジカルに展開先を選出することが大切です。
また、成功している日本企業には、参入前のリサーチとして「的確なローカライズをおこなっている」という共通点もあります。ターゲット国の市場動向だけでなく、消費者の行動傾向や文化的背景、商習慣なども深く掘り下げているのです。
商品訴求や説明に力を入れている
越境ECに成功している企業は、商品の特徴や使用方法、素材などを詳しく具体的に説明している傾向があります。越境EC商材は「直接手に取って確かめることができない」のがデメリットです。
そのため、海外ユーザーの手元に届いたときに「思っていたものと違う」という齟齬が生まれないよう、国内よりも丁寧な情報提供を心掛けています。顧客からの問い合わせ対応を積極的におこなっているという企業も少なくありません。
積極的な情報発信をしている
越境ECにおいては、ターゲット国での認知度を高めることが成功のカギを握ります。そのため、積極的に情報を発信し続けることも重要なポイントです。
SNSやコンテンツマーケティング、広告出稿やオフラインマーケティングなど、情報発信の手法は幅広い選択肢があります。その中から、現地における効果的な手法を選び、潜在顧客との接点を築いていくことが大切になるでしょう。
また、テストマーケティングや現地顧客のフィードバックを、すばやく反映させられるかどうかも成功の分かれ道になります。新規顧客獲得だけでなく既存顧客の維持を図ることも、売上増加に大きく影響するでしょう。
日本企業の越境ECの成功事例5選
ここからは、越境ECに成功している 日本企業の事例を5つ紹介していきます。
趣味・ホビー:Tokyo Otaku Mode
食品:北海道お土産探検隊
ファッション:Tabio
生活雑貨:BENTO&CO
ディスカウントショップ:多慶屋
その他の事例についてはこちらの記事でも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
「【2024年最新版】越境ECの成功事例10選!共通点を見出して成果をあげよう」
1.Tokyo Otaku Mode

「Tokyo Otaku Mode」は、「クールジャパン」と謳われる日本のポップカルチャー、アニメやマンガ関連のグッズを展開する越境ECサイトです。「日本のオタク文化を好む海外ユーザーが手軽にグッズ購入できるサイト」を目指し、動線の確保と整備をおこないました。
Tokyo Otaku Modeが実践した越境EC戦略は以下の通りです。
現在ではアメリカ・カナダ・フランスなどの欧米諸国を中心に、約100ヵ国以上の国々へと売上を伸ばしています。
2.北海道お土産探検隊

「北海道お土産探検隊」は、山ト小笠原商店が運営するECサイトです。2010年という早い段階から越境EC需要に目を付け、IT関連の専門知識がない状況を打開した実績を誇っています。越境ECのノウハウを、一から作り上げたパイオニア的存在だといえるでしょう。
北海道お土産探検隊が実践した越境EC戦略は以下の通りです。
また、現在出店している越境ECプラットフォームは以下の通りです。
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