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2024年12月31日

Title

「オーストラリアで越境ECを始めたいけど、実際の現状は?」


このような疑問をお持ちの方向けに、本記事では下記を解説します。



今オーストラリアでのビジネス展開を考えている方は、ぜひご一読ください。



[著者]:The Digital X編集部海外におけるデジタルマーケティングのプロ集団である合同会社The Digital Xのメンバーが手掛けるブログです。著者の詳しいプロフィールはこちらから


オーストラリアの基本情報


まずはオーストラリアの基本情報をまとめました。


基礎情報

概要

面積

769万2,024平方キロメートル(日本の約20倍、アラスカを除く米とほぼ同じ)

人口

約2,626万人

民族

アングロサクソン系など欧州系が中心。その他に中東系、アジア系、先住民など。

公用語

英語

宗教

キリスト教43%、無宗教38%

主要産業

鉱業、卸売・小売業、金融・保険業


worldometersによると、世界の人口ランキングで55位にランクされ、直近3年の人口の増加率の推移を見ると毎年1%前後増加しています。


それに対して、日本の直近3年の人口は毎年0.50%前後で減少しています。


そのため、オーストラリアは日本よりも将来性のある国と言えるのではないでしょうか。


出典:


【2024年版】オーストラリアの越境EC市場の現状


statistaによると、オーストラリアのEC市場は急速に成長しており、2024年には371億米ドル(2024年6月時点で5兆8,346億円)に達する見込みです。


このEC市場は年間9.36%の成長率で拡大し、2029年には約580.3億米ドル(9兆1,262億円)の規模になると予測されています。日本の成長率も9.23%とオーストラリアと同程度の値です。


また、ユーザー数は2029年に2,310万人、普及率は同年に84.4%(2024年時点で65.3%)まで普及すると見込まれています。


DataReportalの調査では、服や電化製品、食品が上位3位を占めていますが、今後EC市場の普及率が高まれば、その他のカテゴリーの需要増加も期待できます。


オーストラリアのEコマースの人気商品カテゴリ

オーストラリアの消費者の特徴


LOCADによると、オーストラリアの消費者は30〜39歳の年齢層でオンライン購入が盛んであり、商品の価格比較や詳細なリサーチを行う傾向があります。


特にニュー サウス ウェールズ州や首都キャンベラではECの成長が顕著です。


また、社会経済的地位が高い層ほど、特定の商品カテゴリや高価格帯の商品に対する需要が高い傾向にあります。


性別に関しては、男女ともに広く受け入れられており、特に女性がSNSでのショッピングに積極的ですが、男性はより多くの時間をECサイトでのショッピングに費やしています。




オーストラリアの消費者のブランド認知と購入を促す要素


次のデータによると、ブランドを認知するきっかけとして、SEO対策や口コミ、テレビ広告、SNS広告が上位となっています。


オーストラリアの消費者のブランドを認知する媒体

もし中長期でデジタルマーケティングを実行する場合、商品ページやコラムでのSEO対策やSNSでの口コミ拡散を行い、短期間でアプローチしたい場合はSNS広告が効果的だと言えるでしょう。


また購入を促す重要な要素として、1位が無料配送、2位がクーポン・割引、3位が簡単な返品ポリシーが挙げられます。


オーストラリアの消費者の購入を促す要素

オーストラリアのユーザーは特売や割引に敏感で、ブラックフライデーといったセールイベントでは購買意欲が高いため、この時期に合わせたプロモーションが効果的です。


オーストラリアの輸入規制と税制


オーストラリアでは、公衆に危険をもたらすおよび害虫や病気を持ち込む可能性がある商品に、輸入規制が設定されています。


PrivacyShieldによると、具体的には食品や動植物、保護されている野生生物などが挙げられています。


ただし各州の法律によって異なるので、現地マーケターへのリサーチの依頼が必要です。


税制に関しては、オーストラリアにはGoods and Services Tax (GST)が存在し、現在は10%の税率が適用されています。


2018年からは、低価値の輸入財(1,000豪ドル未満)にもGSTが課されるようになりました。


これにより、海外のEC事業者もオーストラリア国内の事業者と同様にGSTを納める必要があり、価格設定や会計処理において考慮する必要があります。


オーストラリアで人気の決済方法とその利用率


デジタル決済の台頭により、オーストラリアでは現金の利用は1%程度まで減少しています。


主に利用率が高いのは、デジタル&モバイルウォレットが31.0%、デビット&クレジットカードが41.0%、銀行振込が10.0%という結果になっています。


オーストラリアのEコマースで人気の決済方法

日本ではデジタル&モバイルウォレット12.3%、デビット&クレジットカードが64.2%、現金8.4%でした。


日本のEコマースで人気の決済方法

日本と比較すると、オーストラリアはデジタル&モバイルウォレットが2倍以上利用されています。


したがって、デジタル&モバイルウォレットを決済方法として利用できないと、ECサイトの購入率が低下する恐れがあります。



オーストラリアの越境EC人気プラットフォーム2選


statistaを参考に、オーストラリアの越境EC人気プラットフォームを2つ解説します。


オーストラリアの越境EC人気プラットフォーム

今回解説するプラットフォームは、自社ECではなくモール型ECサイトになります。


このモール型ECを利用することで、早期の認知獲得の他に、物流および顧客対応の管理をプラットフォームに担当してもらうことで、商品の品質に専念できるメリットがあります。



Amazon.com.auのTopページ

出典:Amazon.com.au


Amazonは、2017年にオーストラリアでの運営を開始し、その全世界に及ぶブランド力と広範な商品カテゴリーで知られています。


このAmazonは、toC向けのあらゆるカテゴリーおよび価格競争が激しいカテゴリーと相性が良いです。


また、Fulfilled by Amazonのサービスは、販売者が商品の保管・配送をAmazonに委託できるため、特に新規参入者や小規模事業者はリスクを削減して、ビジネス展開できます。


マーケティングの観点から見ると、Amazonは顧客の購買行動やニーズを予測し、パーソナライズされた商品レコメンドを提供可能ですので、クロスセルの向上にもつながります。


THE ICONIC


THE ICONICのTopページ

出典:THE ICONIC


THE ICONICはオーストラリアの越境EC市場において、特にファッションとライフスタイル商品を中心に展開するモール型ECサイトです。


このサイトは、迅速な配送オプションで知られ、特にファッション意識が高い若年層の人気を集めています。


また、オーストラリアだけでなくニュージーランドにも強い認知力を持っており、地域の消費者に最新トレンドのアパレルを提供しています。


マーケティング戦略の観点から見ると、THE ICONICはデジタルマーケティングとソーシャルメディア活用に大きく依存しており、特にInstagramやFacebookで活動的です。


これにより、ブランドの認知度を高め、ターゲットオーディエンスとのエンゲージメントを強化しています。


また、季節ごとのキャンペーンやセールを積極的に行い、顧客の関心を引きつけ維持しています。


オーストラリア越境ECの注意点


JETROの調査では、2021年時点での移民は総人口の51.5%を占め、先住民の48.5%を上回ったとのことです。


ネパール系やインド系、パキスタン系、イラク系、フィリピン系が増加傾向にあるため、文化的背景や言語の違いを意識してアプローチする必要があります。


また、配送コストや配送オプションなどを踏まえた物流戦略をしっかりと計画する必要があります。


その理由として、日本と比べてオーストラリアは面積が広大なため、遠隔地への配送コストが予想以上に高くなるからです。


移民の割合や配送コストに関しては変動があるため、現地のネイティブマーケターと最新情報を調査の上、物流戦略を決めることをおすすめします。


よくある質問


オーストラリア越境ECに関して、下記のよくある質問に回答します。


  • オーストラリアで電子商取引事業を開始する際に必要な法的手続きは何ですか?

  • オーストラリアでの返品ポリシーはどのように設定すべきですか?

  • オーストラリアへの商品配送に最適な方法は何ですか?

  • オーストラリアのデジタル広告事情について教えてください


Q.オーストラリアで電子商取引事業を開始する際に必要な法的手続きは何ですか?


A.オーストラリアで事業を展開するには、ASICでビジネス登録を行い、ABN(オーストラリアビジネス番号)の取得が必要です。


また、GSTの登録も年間売上が75,000豪ドル(2024年6月時点で779万円)を超える場合に必要となります。これらの登録は、オーストラリア税務局(ATO)を通じて行えます。


Q.オーストラリアでの返品ポリシーはどのように設定すべきですか?


A.ACCC(オーストラリア競争・消費者委員会)によると、下記に該当する場合は消費者の返品を認めなければなりません。


  • 購入した商品が故障している

  • または説明と異なる


返金の際は、消費者が製品に支払った全額を返金し、ユーザーが支払いを行った決済方法にて返金する必要があります。


Q.オーストラリアへの商品配送に最適な方法は何ですか?


A.オーストラリア国内では地域によってアクセスが異なるため、複数の物流オプションを提供することが望ましいです。


主要都市へは迅速な配送サービスを提供し、遠隔地には標準的な配送オプションを設けることが一般的です。


また、透明性を保ち、追跡可能な配送方法を用意することで、顧客満足度を向上できます。


オーストラリアのデジタル広告事情について教えてください


以下でオーストラリアのデジタル広告事情について解説していますので、ご参考ください。



TheDigitalXはオーストラリアでの越境ECの戦略&運用を支援


オーストラリアでの越境ECの戦略立案や運用に不安がありましたら、The Digital Xにぜひ一度ご相談ください。


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