2024年3月31日
【2024年最新版】シンガポールの人気SNS事情を徹底解説!デジタルマーケティングをハックしよう
近年、デジタル化が進むシンガポールにおいて、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の普及は目覚ましいものがあります。
2023年の調査では、シンガポールの成人のうち85%がSNSを利用していることがわかっています。
企業のマーケティング活動においても、SNSは無視できないプラットフォームとなっており、多くの企業がSNSマーケティングに注力しています。
本記事では、シンガポールでのデジタルマーケティングのプロフェッショナルである弊社が、シンガポールにおけるSNSマーケティングの実態と成功事例を紹介します。
その他、シンガポール進出前に知っておきたい基礎データやマーケティング調査データを知りたい方は、シンガポールのデジタルマーケティング完全ガイドにまとめていますので、合わせてご参考ください。
シンガポールのSNS事情
シンガポールにおけるスマホの普及率は非常に高く、2023年の1月から6月にかけての統計によると、モバイルの人口普及率は約166.1%に達しています。
これは、シンガポールの人口1人あたりに平均して約1.66台のモバイル契約があることを意味しており、スマートフォンを含むモバイルデバイスの普及が非常に高いことを示しています。(参照)
その影響もあり、シンガポールではSNS普及率も高く、国民の85.0%が日常的にSNSを利用していることが分かっています。(世界6位)
ちなみに、日本のSNS利用率は83.3%で、世界25位です。
このことから、シンガポールにおけるマーケティング活動においてSNSの重要性は高いことが分かります。
シンガポールのSNS利用者数ランキング
SNSの普及率が高いシンガポールですが、人気なSNSは日本と異なります。
シンガポールで最も人気なのは、WhatsAppで、国民の74.70%が利用しています。
WhatAppは、日本のLINEのようなコミュニケーションツールで、電話やチャットは基本的にこのアプリを介して行われます。
ビジネスの場でも利用されることも多く、シンガポールに進出する際には必須のSNSの一つです。
また、5位のTelegramは日本ではあまり聞きなじみがないでしょう。
このSNSは、WhatsAppと同じく電話やチャットをするためのものですが、以下のような違いがあります。
WhatsApp:ビジネスの場で使われる
Telegram:プライベートで使われる
ToC・ToBなど自社が扱うサービスによって使い分けることが重要です。
シンガポールにおける主要SNS分析
それぞれのSNSで利用する目的は当然異なります。
シンガポールでSNSマーケティングを行う際には、「誰が」「何の目的で」「どのようなシーンで」利用しているのかを明確にしなければいけません。
また、日本人の感覚ではなく、現地の調査データやネイティブのインサイトから各SNSを分析することが必須です。
ここでは、以下の主要SNSを現地の調査データや現地在住者からの情報を基に分析していきます。
シンガポールNo.1人気「WhatsApp」
名称 | |
利用率(人数) | 74.70%(430万人) |
目的 | 電話、チャット、支払い |
利用者層 | 20~40代がメイン |
特徴 | ・WhatsApp Businessアプリによってビジネスでの活用が推進されている ・政府から国民へのメッセージツールとしての活用がされている |
ビジネスでの活用シーン | カスタマーリレーション カスタマーサポート リードナーチャリング |
WhatsAppは、シンガポールで最も人気の高いメッセンジングアプリです。企業はこのアプリを活用して効果的なマーケティングが可能です。
具体的には、WhatsAppビジネスAPIを利用してカスタマーサポートやプロモーション配信などです。
自社のWhatsApp公式アカウントを開設し、顧客とのコミュニケーションチャネルを構築できます。メッセージの自動化も可能なので、定期的なキャンペーン告知や新商品情報の配信に役立ちます。
また、WhatsAppはリッチメディアにも対応しているため、商品画像やプロモーション動画を送ることができ、視覚的なアプローチが可能です。
顧客とのインタラクティブなやりとりも可能なので、顧客エンゲージメントの向上にもつながります。
シンガポールの顧客層を考えると、WhatsAppはマーケティング戦略の中核として活用すべきチャネルと言えるでしょう。
シンガポールでは必須の「Facebook」
名称 | |
利用率(人数) | 72.20%(410万人) |
目的 | 情報交換、情報取得 |
利用者層 | 全年齢(特に10代ー30代で圧倒的シェア) |
特徴 | ・日本とは異なり若い世代も利用している ・toCマーケティングでも積極的に活用されている |
ビジネスでの活用シーン | カスタマーサポート窓口 プロモーション配信・キャンペーン告知 新商品情報や動画広告の配信 顧客との双方向のコミュニケーション |
シンガポールにおいてFacebookはマーケティングチャネルとして不可欠な存在です。
まず、Facebookページを作成し、商品・サービスの情報や企業の最新ニュースを発信することができます。ターゲティング広告を活用すれば、年齢、居住地、興味関心などでオーディエンスを絞り込んで的確にリーチできます。
さらに、Facebookライブを利用してイベントの配信や製品の実演を行うこともできます。インスタグラムとの連携も可能で、インフルエンサーマーケティングなども実施しやすくなっています。
Facebookアナリティクスでは広告キャンペーンの分析も行え、より効果的な施策を立案できます。シンガポールの多くの人々が毎日Facebookを利用していることから、マーケティングチャネルとしての価値は非常に高いと言えるでしょう。
リッチでインタラクティブなコンテンツを展開でき、ターゲット層にピンポイントで届けられることがFacebookマーケティングの強みです。
「Instagram」
名称 | |
利用率(人数) | 60.30%(340万人) |
目的 | 写真や動画の投稿、共有 有名人・家族・有名人などのフォロー 自己表現・トレンド発信 |
利用者層 | 20~40代がメイン |
特徴 | ・WhatsApp Businessアプリによってビジネスでの活用が推進されている ・政府から国民へのメッセージツールとしての活用がされている |
・政府から国民へのメッセージツールとしての活用されている | |
ビジネスでの活用シーン | カスタマーリレーション カスタマーサポート リードナーチャリング |
シンガポールではInstagramが若年層を中心に人気の高いSNSです。企業はInstagramを活用して以下のようなマーケティングが可能です。
写真や動画を効果的に活用し、製品やサービスの魅力を視覚的にアピールできます。インフルエンサーマーケティングを取り入れ、広告費を抑えつつ認知度やブランド力を高められます。ハッシュタグの利用で的確なターゲティングも可能です。
Instagramストーリーズでは、新商品情報やキャンペーンの告知など、タイムリーなコンテンツ配信ができます。フォロワーとの双方向のコミュニケーションを通じて、顧客エンゲージメント向上にも役立ちます。
Instagramショッピング機能を利用すれば、投稿から直接ECサイトに誘導でき、販促の強力なツールになります。シンガポールのSNSマーケティングにInstagramは非常に有効な手段と言えるでしょう。
「TikTok」
名称 | TikTok |
利用率(人数) | 52.20%(300万人) |
目的 | 短い動画の視聴・投稿 友人・有名人のフォロー トレンド発信・自己表現 |
利用者層 | 10代~20代が中心 若年層に絶大な人気 男女比はほぼ均等 |
特徴 | 15秒~3分の短い動画投稿が中心 AIアルゴリズムによるコンテンツ推薦 音楽・ダンス・コメディー動画が人気 フィルター・エフェクト期の寿賀充実 デュエット機能でコラボ動画作成可能 |
ビジネスでの活用シーン | 製品紹介・プロモーション動画 チャレンジ企画などの体験型マーケティング インフルエンサー協業によるリーチ拡大 動画広告の配信 新製品・キャンペーンのバズり醸成 ユーザー参加型のブランディング |
シンガポールでは、TikTokがZ世代やミレニアルをメインターゲットに絶大な人気を誇るプラットフォームとなっています。
短いながらもインパクトのある動画コンテンツを作成し、製品・サービスの認知向上やブランディングに役立てられます。ハッシュタグやトレンド音楽の活用で拡散力を高められます。
さらに、有名TikTokerとのコラボ企画や、ユーザー参加型の動画チャレンジなどを実施することで、エンゲージメントの向上やバズり醸成が期待できます。
TikTokの動画広告も視野に入れ、クリエイティブで分かりやすい動画広告を展開すれば、若年層へのリーチ強化が図れます。Z世代マーケティングの中核として、TikTokは無視できない存在となっています。
「Telegram」
名称 | Telegram |
利用率(人数) | 47.80%(370万人) |
目的 | メッセージングやグループチャット ファイル共有 ニュースやコンテンツの購読 |
利用者層 | 幅広い年齢層で利用 IT関係者や起業家などに人気 |
特徴 | エンドツーエンド暗号化で高いセキュリティ 大容量ファイルの送受信が可能 ボット機能で多様なアプリ連携 チャンネル機能でコンテンツ配信が可能 グループビデオ通話に対応 |
ビジネスでの活用シーン | カスタマーサポートツールとして プロモーション配信やニュース発信 限定グループでの情報共有 ボットを使ったサービス提供 リモートワーカー間のコミュニケーション 技術系コミュニティ運営 |
シンガポールにおいて、Telegramはマーケティングに有効に活用できるプラットフォームです。
まず、Telegramのチャンネル機能を活用して、製品・サービス情報やプロモーション、ニュースコンテンツなどを配信できます。購読者に直接リーチできるので、効果的なプッシュ型マーケティングが実現します。
また、ボットによるカスタマーサポートサービスの提供も可能です。ボットとのチャットでFAQへの対応や簡単な注文受付ができ、顧客体験の向上につながります。
さらに、グループ機能を使えば、会員制コミュニティの運営や、顧客とのダイレクトなコミュニケーションも図れます。Telegramのセキュリティ機能は、企業としても安心して利用できる大きな魅力です。
プッシュ配信、カスタマーサポート、コミュニティ運営など、Telegramはマーケティングに幅広く活用できる有力なツールだと言えるでしょう。
「Linkedin」
名称 | |
利用率(人数) | 36.30%(200万人) |
目的 | ビジネス関係のネットワーキング 求人・採用活動 -業界の最新情報収集 |
利用者層 | ビジネスパーソン、経営者層 高学歴・高年収層に人気 20代後半~40代が中心 |
特徴 | 世界最大の職業的ソーシャルネットワーク プロフィールを充実させることが基本 コンテンツ投稿によるプレゼンス構築が可能 グループ機能で同業者のコミュニティ形成 |
ビジネスでの活用シーン | 人材募集・スカウト マーケティング、ブランディング 営業機会の創出 アプトプット、コンテンツマーケティング ビジネスパートナー開拓 業界動向や競合の情報収集 |
LinkedInでは、企業のショーケースページを作成し、社風や製品・サービスを紹介できます。優れた人材獲得にもつながります。
また、コンテンツマーケティングが有効で、自社の専門性や価値観を示す記事を発信することで、認知度とブランド力の向上が図れます。
インフルエンサーマーケティングにも適しており、業界の有力者とつながり、コンテンツの拡散に協力してもらえます。ターゲットを絞った広告配信も可能です。
加えて、同業者やターゲット層が集うグループに参加し、ネットワーキングやリサーチ、プロモーション活動に活用できます。BtoBマーケティングにおいて、LinkedInは強力なプラットフォームと言えるでしょう。
シンガポールのSNSマーケティング成功事例
シンガポール市場で成功したSNSを活用したマーケティングの事例を5つ解説します。
「これからシンガポールに進出する」「シンガポールでのSNSマーケティングがうまく行っていない」という方は参考にしてください。
【Instagram事例】マクドナルドシンガポール
マクドナルドシンガポールでは、視聴者との共感を呼ぶストーリーやコンテンツを作成し共有する手段としてInstagramを利用しています。
顧客のマクドナルドでの体験や口コミを取り上げることで、より多くのInstagramユーザーに顧客の声を届けることができます。
近年のSNSマーケティングでは、「企業からの発信」は避けられる傾向にあります。「セールス感」を感じてしまうためです。
一方、実際のユーザーの声や口コミは、信憑性がある情報として受け取られます。
これを利用して、Instagramで積極的に顧客の声を発信することで、マクドナルドヘノファン化が進んでいくのです。
【Facebook事例】Kitty Poo Club
キティ・プー・クラブは、猫のトイレ砂とトイレボックスの定期購入サービスを提供する企業です。
2017年10月の設立当初、Facebookの広告を活用して自社の認知を広めました。一連の広告キャンペーンを展開した結果、開始から20日間で1,400人もの新規顧客を獲得しました。
立ち上げ後、キティ・プー・クラブはFacebook広告の戦略を少し変更し、ユーザーの体験談をまとめた動画広告のみに特化し始めました。
初めは1分間の長さの動画広告を使用していましたが、分析の結果、15秒で視聴者が離脱するか広告をクリックすることがわかったため、30秒の短めの動画に変更しました。具体的には、1分間の顧客の体験談動画を2つの30秒動画に分割したそうです。
結果、ユーザー数は大幅に増加し、シンガポールにおける認知を拡大していきました。
【Linkedin事例】DBS Bank
DBS銀行のLinkedInページは、LinkedInマーケティングのお手本となる事例です。
同行はそこで、金融サービスや商品に関する最新情報を共有し、社会的責任、サステナビリティ、そしてイノベーションへのコミットメントをWebサイトだけでなくLinkedinでも発信しています。
さらに、思想的リーダーシップに関する記事、従業員の体験談、業界ニュースを継続的に投稿することで、フォロワーの関心を引き付け、良い情報を提供しています。
いわば、第二のオウンドメディアとしての活用をすることで、認知を拡大しているのです。
2024年3月現在では90万人以上のフォロワーがいるなど、Linkedinから企業のプレゼンスを向上した良い例として知られています。
よくある質問
以下のよくある質問について解説します。
シンガポールで越境ECをしたいのですが、現状を教えてください。
シンガポールでSEO対策したいのですが、どの検索エンジンの利用率が高いでしょうか?
シンガポールで越境ECをしたいのですが、現状を教えてください。
以下の記事で、シンガポールのEC(通販)ユーザーの特徴や売れ筋のカテゴリ、規制についても解説していますので、ご参考ください。
【2024年最新版】シンガポール越境ECの実態!市場動向や人気サイトランキングを大公開
シンガポールでSEO対策したいのですが、どの検索エンジンの利用率が高いでしょうか?
2024年2月時点で、Googleの検索エンジンが94.15%利用されています。
以下の記事で、デバイスごとの検索エンジンシェア率についても紹介していますので、ご参考ください。
【2024年2月】シンガポールの検索エンジンランキングTOP5 | Google?bing?Yahoo?
シンガポールでのSNSマーケティングについてのまとめ
今回はシンガポールでのSNSマーケティングについてまとめてきました。
シンガポールでビジネスをする際に、SNSを一つのチャネルとして活用しない手はありません。
しかし、日本人の感覚と異なる点が多いのも事実です。
海外での販路拡大は、The Digital Xにぜひ一度ご相談ください。
現地のネイティブマーケターと日本国内のスペシャリストがあなたをサポートいたします。
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