2024年10月29日
【2024年最新版】シンガポールのリスティング広告の状況|市場攻略のコツとは?
シンガポールはデジタル化が大きく進んでおり、テレビや屋外広告などの従来型のマーケティング手法は一定の規模を保ちつつも、頭打ちの状態が続いています。
そんななかで注目を集めているのが、検索エンジンを活用したリスティング広告です。
他のマーケティング手法に比べ、ユーザーの悩みにダイレクトにアプローチできる手法なので、戦略次第では小さなコストで、大きな成果を上げることができます。
一方、シンガポールは日本から遠く離れており、あらゆる点が日本とは異なるため、日本の手法をそのまま流用するのは効果的ではありません。
シンガポールのリスティング広告の状況
シンガポールのデバイス利用率および利用時間
シンガポールのリスティング広告攻略のポイント
シンガポールにおけるリスティング広告の注意点
そこでこの記事では、グローバルマーケティングのプロフェッショナルの視点から、シンガポールのリスティング広告に関する以上の点をわかりやすく解説していきます。
シンガポールのリスティング広告の状況
まずは、シンガポールのリスティング広告の状況から理解を深めていきましょう。
進出にあたり必要な情報である、
アクセスされているWebサイト
使用されている検索エンジン
市場規模
以上の点について解説していきます。
アクセスされているWebサイト
シンガポールでアクセス数の多いWebサイトは以上の画像の通りです。
Googleが圧倒的上位にきており、検索エンジンの持つ力が非常に強いことがわかります。
検索エンジンを使ったマーケティング、すなわちSEOやリスティング広告という手法が合理的であることが伺えるはずです。
なお、6位未満はFacebook、WhatsApp、X(旧Twitter)などのSNSがランクインしています。
東南アジア諸国は若年層の比率が日本よりも高いため、SNSの持つ力が非常に強いです。
したがって、リスティング広告と同時に、SNSを活用して両輪を回していくことも効果的なマーケティング手法だといえるでしょう。
使用されている検索エンジン
続いて使用されている検索エンジンについてですが、Google、Baidu、Bing、そしてDuckDuckGoの順でランクインしています。
しかし、Googleのシェアが圧倒的であるため、リスティング対策は「Google対策」であると考えれば問題ないでしょう。
この点は日本と同様で、覇権国であるアメリカの影響を如実に受けていることがわかります。
市場規模
次に、シンガポールのリスティング広告の市場規模を見ていきましょう。
詳細は以上のグラフをご覧ください。
下から二番目の「水色」の部分が、リスティング広告の市場規模を示していますが、年々増え続けていることがわかります。
数字を追っていくと、2019年には3億1,000万ドルでしたが、10年後の2029年にはおよそ11億ドルまで達するとの予想です。
つまり、10年でおよそ4倍程度にまで膨れ上がる見込みで、この傾向は今後も続いていくでしょう。
したがって、今の時点からシンガポールのリスティング広告の攻略に乗り出すのは、ビジネスチャンスに富んでいるといえます。
シンガポールのデバイス利用率および利用時間
続いて、リスティング広告の運用で極めて重要な意味を持つ、シンガポールのデバイスやその利用時間に関する情報を解説していきます。
PCvsスマホ
リスティング広告はデスクトップかモバイルかによって、仕掛け方が大きく変わってきます。
シンガポールのウェブトラフィックの62.61%をスマートフォンが占める状況なので、半数以上がスマートフォンを使ってウェブブラウジングをしていると考えるべきです。
出典:https://www.statista.com/topics/10255/mobile-internet-and-apps-in-singapore/#:~:text=Singaporeans%20are%20now%20accessing%20the,StarHub%2C%20M1%2C%20and%20TPG.
したがって、BtoC領域では基本的に「モバイル対応」でリスティング広告を仕掛けることが合理的です。
一方、BtoC領域ではデスクトップの使用が主流であることは容易に想像できるため、自社のターゲットや業態によって細かく変えることが求められます。
利用時間
次に、スマートフォンの利用時間について解説します。
以上のグラフは2020年から2023年までの、シンガポールにおける1日あたりのスマートフォンの使用時間を示しています。
2020年時点では4.17時間だったのに対し、右肩上がりで上昇を続け、2023年には4.51時間、つまり4時間30分を超える時間を使用していることがわかります。
1日の六分の一を超える時間をスマートフォンの使用にあてているため、リスティング広告を含むWebマーケティングは理にかなった手法です。
シンガポールのリスティング広告攻略のポイント
ここからは、シンガポールのリスティング広告を攻略する上で欠かせない、
多言語・多文化対応
地域キーワードの活用
モバイル対応
ラマダンなど消費者行動の変化への対応
以上4つのポイントについて解説します。
多言語・多文化対応
日本は単一民族、単一言語から構成されますが、シンガポールは多民族、多言語、そして多文化から構成される国家です。
国土は東京23区程度の面積であるものの、このなかには多種多様な人たちが暮らしているため、この点に対応できないと効果的なリスティング広告を実施できません。
シンガポールを構成しているのは、中華系が74%、マレー系が14%、そしてインド系が9%と、基本的に3つの民族です。
国語はマレー語であるものの、公用語としてマレー語に加え、英語、中国語、そしてタミル語が選ばれています。
この全てに対応するのは困難なので、基本的には英語への対応で問題ありません。
出典:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/singapore/data.html
したがって、「英語圏」におけるリスティング広告対策を実施しましょう。
なお、当社の肌感では、シンガポールにビジネス進出する企業の多くは、軌道に乗ってきたタイミングで他の東南アジア諸国への進出を画策しています。
そして、東南アジア諸国ではフィリピンが公用語として、マレーシアは準公用語として、それぞれ英語を採用しています。
東南アジア諸国はASEANという枠組みがあるように、一種の共同体として機能しているため、価値観や文化はある程度共通しています。
したがって、シンガポールへのリスティング広告の出稿を足掛かりとし、フィリピンやマレーシアにもリスティング広告を仕掛けるのも選択肢の1つです。
地域ターゲティングの活用
リスティング広告を打つ上で、「地域ターゲティング」は非常に大切な観点です。
特にシンガポールは国土が狭く、地域ごとに特性がはっきりとしています。
以下に、地域による特性をまとめました。
【ビジネス】
ラッフルズプレイス:金融街
ジュロン:工業地帯
タンジョンパガー:オフィスビル、商業ビル
クランバレー:行政区。裕福な層が住む
【商業】
オーチャード:代表的なショッピングエリア
アンモーキオ:おしゃれなカフェ、レストランが集まる
ティオン・バル:トレンドに敏感なエリア
【民族】
ホランド・ビレッジ:「ホランド(オランダ)」など欧米人が多く住んでいるエリア
リトルインディア:インド系住民が多く住んでいるエリア
チャイナタウン:中華系住民が多く住んでいるエリア
自社の扱う製品やサービスがBtoBの場合は以上の「ビジネス」の地域を中心にターゲティングすると効果的です。
一方、BtoCの場合は扱うものやサービスによって性格が大きく異なりますが、多くの人の関心を誘える商材の場合は、それほどターゲティングにこだわらなくても良いでしょう。
モバイル対応
先述のように、シンガポールではモバイル使用が盛んなので、モバイル対応も忘れてはいけないポイントです。
セオリー通りいくと、以下の点がモバイル対応をする上で欠かせないポイントです。
PC、モバイルへの両方を対応できるレスポンシブ対応を行う
改行幅や余白の使い方をモバイルに寄せる
コンバージョンポイントとなるボタンやバナーのサイズを検討する
リスティング広告の場合、LP(ランディングページ)のクオリティが成果を左右します。
LPをモバイルでも読みやすいよう、文字やボタンの大きさをしっかりと調整し、ユーザーがモノやサービスを利用したくなるような構成にすることが大切です。
幸い、シンガポールはネットインフラが普及しているため、ある程度リッチなページでも読み込み速度は安定します。
しっかりと作り込んだLPを用意している企業が多いため、コンバージョンを狙えるコンテンツやLPを事前に用意しておきましょう。
もし、コンテンツやLPの制作ノウハウが自社にない場合には、マーケティング支援を受けることをおすすめします。
ラマダンなど消費者行動の変化への対応
日本にはないシンガポールの特徴として、ラマダンなど消費者行動が極めて大きく変動するタイミングがあることがあげられます。
このようなタイミングを逃す手はないので、リスティング広告を活用しましょう。
例として、ラマダン時に注目が集まる商材は以下の通りです。
【ラマダン】
断食明けの食事(イフタール)
ラマダン明けの祝祭(ハリラヤ・プアサ)に関する食材、飲料、衣料
ラマダンに伴うプレゼント商材
日本人にはほとんど馴染みがない文化ですが、現地の人たちにとっては極めて重要なイベントであるため、購買意欲は極めて高いです。
そして、特筆すべきが多民族国家である点。
中華系なら春節、インド系ならディワリなど、民族ごとに大きなイベントがあるため、これらに備えてリスティング広告を用意しておくことで、シンガポールを攻略しやすくなります。
シンガポールにおけるリスティング広告の注意点
多民族、多文化への配慮
広告規制の確認
業界ガイドラインの遵守
当局による検閲
シンガポールにおけるリスティング広告の注意点は以上の点です。
多民族、多文化への対応はいうまでもありませんが、広告規制や当局による検閲についても注意が必要です。
東南アジア諸国は発展著しい成長国であるため、規制が後追いで実行される形で進んでいます。
現在進行形でシンガポールも規制が実施されており、たとえば2022年に施工されたオンラインセーフティ法は、オンラインコンテンツの安全性に関して罰則がついています。
また、当局による検閲も実施されており、警察にはオンライン通信に関する強い権限が与えられています。
事実、2005年には反マレー、反イスラムなどの人種差別の煽動により逮捕・起訴されたうちの中華系男性2人が懲役刑を受けています。
もちろん、注意を払えば正当なビジネスで規制や検閲の影響を受けることはあまりありませんが、現在進行形で進んでいる部分もあるので、情報をリアルタイムでキャッチアップしていく姿勢が求められます。
シンガポールのリスティング広告に関するよくある質問
シンガポールのマーケティング事情は?
シンガポールのSEO対策の現状は?
シンガポールのSNSマーケティングは有効?
シンガポールのデジタルマーケティングにおいて重要なトレンドは何ですか?
シンガポールでビジネスを始める際に知っておくべきことは何ですか?
シンガポールで認知を広げたいのですが、どのようにプロモーションすれば良いですか?
私たち「The Digital X」では、東南アジア方面へのマーケティング支援を実施しておりますが、弊社に寄せられるシンガポールのリスティング広告に関するよくある質問については、以上のようなものがあげられます。
リスティングと同じWebマーケティング関連でいうと、SEOやSNSに関する質問が多く寄せられます。
いずれも現代マーケティングの根幹をなすものであり、リスティングと同時に実施していくことで、相乗効果を発揮できるでしょう。
また、デジタルマーケティングが主流になっている昨今、シンガポールに限らずトレンドは日進月歩で目まぐるしく変化しています。
以上の点に対応しながらビジネスを仕掛けるには、入念な戦略策定、およびスムーズな施策実行が求められ、自社リソースのみで対応するのは難しいケースも多いです。
もし、シンガポールへのリスティング広告を含む、マーケティング支援に興味があるお客さまは、「弊社カタログ」をご覧ください。
シンガポールのリスティング広告なら「The Digital X」にお任せください
シンガポールはデジタル大国であり、国民のほぼ全員がインターネットを駆使して生活を送っています。
そのため、リスティング広告は非常に効果があるので、記事で紹介した情報を参考に、戦略を練ってみてください。
私たち「The Digital X」はグローバルマーケティングのプロフェッショナルとして、マーケティング戦略に悩むお客さまのサポートを実施しています。
もし、シンガポールへのマーケティングでお悩みなら、「弊社カタログ」をご覧いただくか、「お問い合わせ」にてお悩みをご相談いただけますと幸いです。
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