2024年9月27日
【2024年最新版】東南アジア各国の広告トレンドとは?|攻略の突破口を掴もう
東南アジアは経済成長真っ只中で労働力が豊富に存在しながらも、人件費は成長国よりも非常に安価であるため、オフショアのターゲットとして注目を集めています。
そして、東南アジアにビジネスを仕掛ける上で欠かせないのが「広告」ではないでしょうか?
東南アジア各国に共通する広告トレンド
東南アジア諸国の広告事例
この記事では、グローバルマーケティングのプロフェッショナルの視点で、以上の2点をわかりやすく解説していきます。
東南アジア諸国へ広告を打ちたいと考える方や企業は、ぜひ参考にしてみてください。
東南アジア各国に共通する広告トレンドとは?
東南アジア諸国はASEANという枠組みで語られることもあるように、ある種の共同体として連帯しています。
したがって、それぞれの国家に一定の共通点を見出すことが可能です。
デジタル広告
インフルエンサーマーケティング
広告規制
ここでは、特に注目すべき以上3つの共通する広告トレンドについて解説していきます。
デジタル広告
経済成長と広告市場の拡大は基本的に比例関係にあるため、東南アジア全体の広告市場は拡大を続けています。
中でも注目すべきがデジタル広告であり、以上画像では2017年から2028年までのデジタル広告の市場規模をグラフ化しています。
ご覧のように堅調な右肩上がりを見せており、今後もこの傾向は続くことが既定路線です。
グラフ内にある色で広告の内訳を見てみると、いずれの広告も満遍なく成長していることが見て取れますが、注目すべきが青色の「Audio Advertising(音声広告)」です。
2017年時点ではほとんどゼロに近かったものの、そこから少しずつですが着実に、シェアを伸ばしてきています。
記事やSNS、動画といったコンテンツは「見る」という動作が必要であり、世界的に見てもすでにこれらコンテンツへの可処分時間はほとんど残されていません。
一方で、音声コンテンツは「家事をしながら」「仕事をしながら」といった形で、まだまだ可処分時間が残されているため、Audio Advertisingは今後注目の広告手法になるといえるでしょう。
また、デジタル広告で注目すべきが「デスクトップorモバイル」という観点です。
詳細は以下のグラフをご覧ください。
グラフを見ると、2020年まではデスクトップ広告がモバイル広告のシェアを上回っていますが、それ以降は逆転しています。
2017年に58:42だったシェアが10年後の2027年には42:58と完全に逆転すると見られており、モバイル広告の市場規模は以下のグラフのように今後も伸び続けていくと見られています。
ご覧のように、2028年まで順調に伸びていく見通しで、100億ドルに達するのも時間の問題です。
これだけモバイル広告が伸びている背景にあるのは、以下のグラフで示すSNSの利用率の高さだといえます。
ご覧のように、東南アジア各国のSNS利用率は7割を超えていて、利用者の大半が若者です。
SNS利用率だけ見れば日本も世界的に見て高いものの、利用率を押し上げているのは比較的高い年齢層によるLINEなどコミュニケーションSNSです。
一方、東南アジア諸国では若年層によるFacebookやTikTokやInstagramなど、若者向けのコンテンツ型のSNSが利用率を押し上げています。
したがって、東南アジア諸国へのデジタル広告は、コンテンツ型SNSの広告出稿に勝機があるといえるでしょう。
インフルエンサーマーケティング
要注目の東南アジア諸国の広告手法として「インフルエンサーマーケティング」があげられます。
市場規模は2024年に7億米ドルに達する見通しで、今後の年間成長率は驚愕の10.83%。
およそ5年〜7年程度で2倍にまで膨れ上がるほどの成長率なので、10億米ドルの大台を突破するのも時間の問題です。
ところで、インフルエンサーマーケティングと聞くと、多くの方は「圧倒的なフォロワー数を持つインフルエンサーを使ってレッドオーシャン市場を総取りする」ような、大味な手法をイメージするのではないでしょうか?
確かにこのような手法も効果的ではありますが、今後注目を集めるのは「マイクロインフルエンサー」です。
マイクロインフルエンサーとは、フォロワー数が多くないものの、ニッチなジャンルで確かな信頼性を持つインフルエンサーのことです。
フォロワー数が多くないためインプレッションは少ないものの、ニッチなジャンルということもありフォロワーからの熱量、いわゆる「エンゲージメント」が極めて強く、高い広告効果が期待できます。
広告規制
東南アジア諸国はいずれも成長途上にあるため、広告含め、さまざまな分野で規制が追いついていない状況です。
したがって、広告運用途中に広告規制が入る可能性があるため、最新情報のインプット、および規制に合わせた柔軟な対応が求められます。
たとえば、インドネシアでは2024年の10月に個人データ保護法、いわゆる「PDP法」の運用がスタートしています。
これにより、日本と同様にCookie規制が入ることとなり、デジタル広告の中でも極めて高い広告効率を誇るターゲティング広告に大きな影響を与えています。
このように、東南アジアを巡る規制は目まぐるしく変化していくため、フレキシブルに対応できる体制が求められます。
参考:【2024年版】インドネシアのデジタル広告事情と広告規制を解説
インドネシアの広告事例
ここからは、東南アジア諸国の広告事例を紹介していきます。
まずはインドネシアの広告事例ですが、「ヤクルト」の事例を見ていきましょう。
ヤクルトの事例が興味深いのは、オフライン広告とオンライン広告をミックスさせた、ハイブリッド型の広告、マーケティング手法で成功を掴んでいる点です。
オフライン広告ではヤクルトレディーを起用し、メインターゲットとなる主婦層へと地道にアプローチしています。
「家計を握っているのは主婦だから主婦をターゲットにするのが最も合理的」というターゲティングが功を奏し、現地では「ヤクルトは東南アジアの企業」と思われるほど、圧倒的な認知度と信頼性を獲得しています。
そして、オンライン、デジタルの広告では「WhatsApp」を活用し、比較的年齢層が高めな主婦層へと効率的にアプローチできるSNSを選択している点にも注目です。
出典:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2022/986a554a54e5bede.html
マレーシアの広告事例
マレーシアの広告事例として、インフルエンサーマーケティングを取り上げます。
昨今のインバウンド需要を取り込むべく、愛媛県はインドネシアのインフルエンサーである「ChanWon」を起用し、ファム・トリップ、いわゆるモニターツアーを実施しました。
ツアーでは愛媛県の農家にホームステイをし、一般的な観光系コンテンツでは踏み込めない「愛媛県の本質的な魅力」にまで踏み込み、広告効果を生み出しています。
また、日本の美容系企業ともコラボをしており、インフルエンサー、企業アカウント、有料広告の3面展開で広告を打つことでより効果的なプロモーション効果を狙っています。
ChanWonは、日本企業のコスメアイテムはマレーシア人の肌色との相性が良く、広告効果は十分に期待できると感じていると述べています。
このことから、自社製品とターゲット国との相性も考慮して、広告を打つことの重要性がわかるはずです。
出典:https://www.clisk.com/web-marketing/malaysia-influencer-marketing-20221214
フィリピンの広告事例
フィリピンの広告事例として、ユニクロのインフルエンサーマーケティングを紹介します。
SNSにはInstagramを活用し、従来のような画像を使った広告だけでなく、動画を使った広告も用意することでより大きな影響力を持つことを狙っています。
動画を使うことで、画像には出せない「着心地の良さ」「生地感や質感」を表現できるため、動画を使った広告手法も検討してみましょう。
シンガポールの広告事例
シンガポールの広告事例では、資生堂の事例を取り上げます。
シンガポールは貿易業が主観産業ともいえる立ち位置を占めていることもあり、多種多様な人種の人が居住しています。
そして、資生堂が扱う商材は美容、コスメアイテムなので、自社サイトでは以上の画像のような多様な人種をモデルとして起用しています。
また、以下の画像のように、さまざまな肌色に合うことを連想させるようなプロモーションビデオも用意していて、シンガポールという国に明確にターゲティングしていることが伺えます。
タイの広告事例
タイの事例では、味の素の広告事例を取り上げます。
味の素はタイにおける認知度を高めるために、テレビや動画のCMビデオに「AminoScience」というキーワードとともに、赤色の文字、そして赤色の髪の現地女性を起用することで、自社のイメージを「アミノ(人間に必須の栄養)」「赤色」の2点に絞って訴求しています。
これが功を奏したのか、15秒バージョンのYouTube動画は再生回数2,732万回を超えており、高い広告効果を得ることに成功しました。
ベトナムの広告事例
ベトナムの広告事例では、明治の事例を取り上げます。
明治はベトナムにおける認知度を高めるために、現地法人と連携を図ったものの、実態は「現地法人に丸投げ」でした。
結果的に、日本本社の意向や細かいニュアンスが伝わらず、広告戦略は失敗に終わってしまいます。
これを反省し、日本本社主導でYouTubeを使った動画広告を打つことを決めました。
6秒のバンパー広告では広範なリーチを意識し認知度向上に努め、より長尺のTrueView広告では小売店の半径5km以内に滞在するユーザーへ向けて、小売店へ送客するような動画を届けます。
すると、一部商品では売り上げが最大310%伸びるなど、多大な広告効果を発揮しました。
海外への広告やプロモーションは現地法人に丸投げすることも珍しくありませんが、本社主導で取り組むことの重要性がこの事例から理解できます。
東南アジアへの広告ならThe Digital Xにお任せください
東南アジア方面への広告出稿は東南アジア全体に共通する点や、国ごとに異なる点を押さえる必要があります。
自社のみで対応することは困難を伴いますが、国内や現地のマーケティング会社に丸投げするのも良くありません。
私たち「The Digital X」はグローバルマーケティングのプロフェッショナルとして、東南アジア方面への広告やプロモーションの支援を提供しております。
興味を持っていただけたお客さまは、当社カタログをご覧いただくか、お問い合わせにて課題やお悩みについて共有いただけますと幸いです。
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