2024年11月22日
【2024年最新】タイのマーケティングを成功に導く戦略|主要マーケティング手法5選
成長著しい東南アジアを構成する主要国の1つ「タイ」は、日本からのオフショアのターゲット国として注目を集めています。
そんなタイにビジネスを仕掛ける上で欠かせないのが「マーケティング」ではないでしょうか?
地理的要因、言語、国民性、政治体系など、日本とはあらゆるものが異なるタイにマーケティングを仕掛ける上では、以下の点について理解しておくことが欠かせません。
基礎データ
有効なマーケティング手法
マーケティング成功事例
グローバルマーケティングのプロフェッショナルの視点から、タイのマーケティングに関する以上の点についてわかりやすく解説していきます。
タイへのビジネス進出を考えているなら、ぜひ参考にしてみてください。
タイのマーケティング戦略に関わる基礎データ
はじめに、タイのマーケティング戦略に関する基礎データとして、以下の点について解説していきます。
人口
経済
言語・宗教・国民性
人口
タイの人口はおよそ7,000万人で、日本よりも少ないです。
人口増加が続く東南アジアの中では珍しく、すでに頭打ちの状態に入っており、移民の流入など外的要因がなければ、今後は緩やかに減少していくトレンドに入るでしょう。
平均年齢はおよそ40歳で、高齢化が始まりつつあります。
とはいえ、平均年齢がおよそ50歳である日本ほどではなく、高齢化社会の入り口に入るかどうかの瀬戸際に立っているという位置付けです。
都市部在住率は50%前後で、こちらは日本ほどの都市部集中は進んでいません。
マーケティングの観点から見ると、都市部への屋外広告やリスティング広告のターゲティングなどが機能しにくく、運用がやや難しい可能性があります。
出典:https://www.worldometers.info/demographics/thailand-demographics/
出典::https://www.worldometers.info/demographics/japan-demographics/
経済
東南アジアは現在進行形で成長著しいイメージを多くの日本人が持っていますが、実は国ごとに大きく異なります。
タイは2000年代までは目覚ましい成長を遂げていたものの、2010年以降は人口増加に歯止めがかかったこともあり、経済も失速基調にあります。
そこに追い打ちをかけたのがコロナによるパンデミックで、今後は成長ではなく現状維持トレンドになる公算が高いです。
都市部周辺では中所得者層が増え、タイの経済を支える屋台骨として機能している一方、農村部では依然として高い貧困率が社会問題として存在し続けています。
以上より、マーケティングのターゲットは都市部周辺の中所得者以上の層に絞ることが効果的です。
出典:https://www.worldbank.org/en/country/thailand/overview
言語・宗教・国民性
タイ国民の大半はタイ族で、中華系、マレー系は少数派です。
他の東南アジア諸国はマレー系、中華系、インド系から構成される多民族国家であることが一般的なので、東南アジアの中では異質な国家だといえるでしょう。
ターゲットとなる民族をタイ族に絞れるため、マーケティングの進めやすさは東南アジアでも屈指です。
そして、宗教は仏教が9割以上を占め、言語はタイ語がメインです。
以上より、単一の民族が大多数を占めていたり、主要言語が1つである点は、どことなく日本に似ているといえます。
したがって、日本のマーケティング手法が通じやすいという点では、他の東南アジア諸国よりも日本企業の進出に向いているといえるでしょう。
加えて、タイは世界有数の親日国であるため、海外進出を狙っている日本企業はタイをメインターゲットとすべきです。
出典:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/thailand/data.html
▼実際の現地の声(弊社社員より)
タイへ観光をしたり、実際に現地に住むとわかりますが、英語が通じる場所はそれほど少なくありません。
特に、教育水準が高い都市部近郊では、比較的英語は通じやすいといえます。
しかし、シンガポールやフィリピンほど通じるわけではないため、マーケティングはタイ語で統一するのがベストです。
タイで有効なマーケティング手法5選
ここからは、タイで有効なマーケティング手法を5つ紹介していきます。
屋外広告を活用して認知度向上につなげる
タイ語オウンドメディアを作って認知度向上につなげる
国民的イベントに合わせてプロモーションを打つ
SEO、リスティング広告により検索エンジンを攻略する
KOL・インフルエンサーを活用する
以上5つの点について、それぞれ詳しく知っていきましょう。
屋外広告を活用して認知度向上につなげる
出典:https://www.statista.com/outlook/amo/advertising/out-of-home-advertising/thailand#ad-spending
タイで着実にシェアを伸ばしているマーケティング手法が屋外広告です。
コロナ禍である2020年に大きく落ち込んだものの、その後持ち直し、現在はコロナ禍以前の2019年の4億円程度のおよそ1.5倍となる、6億ドルを超える市場規模まで拡大しています。
そして、この規模拡大に貢献しているのは、デジタル屋外広告、いわゆる「DOOH(Digital Out-of-Home)」と呼ばれる屋外広告です。
駅やバス停に設置されているデジタルサイネージがその代表ですが、従来型の屋外広告(DOH)のシェアを2025年には逆転する見通しです。
したがって、タイにおけるマーケティングを実施するなら、DOOHをバンコクに設置することが推奨されます。
以下に、バンコク内における各地域の特性をまとめたので、DOOH出稿の参考にしてください。
地名 | 特色 |
---|---|
サイアムスクエア | 若者、観光客が集まる |
アソーク | ビジネス街、高級住宅街 |
スクンビット通り | バンコクを代表する幹線道路 |
シーロム通り | 金融街 |
サトーン通り | 高級ホテル、大使館 |
チャオプラヤー川沿い | 観光客が多い |
国民的イベントに合わせてプロモーションを打つ
国民的なイベントに合わせてプロモーションを打つことは、マーケティングの常套手段です。
タイでは、4月に行われるソンクラーンと、11月に行われるロイクラトンが一大イベントとして知られています。
ソンクラーンはタイにおける旧正月の役割を果たし、「水をかけ合う」形で新年を祝います。
多くの人が帰省して家族や親戚と団欒するため、日本の正月と同様のマーケティング手法がある程度通じるはずです。
一方、10月か11月に行われるロイクラトンでは、川の女神に感謝を捧げることで、厄を払うという言い伝えに従います。
バナナの葉などで作った「クラトン」と呼ばれる灯篭に願いを込めて川に流す盛大なイベントで、日本における七夕や節分といったイメージと重なります。
近年では観光客に向けたインバウンド施策としての色が濃くなっているものの、多数の人に対してマーケティングを仕掛けられるという点では魅力的なイベントです。
タイ語オウンドメディアを作って認知度向上につなげる
タイ語のオウンドメディア(自社ホームページ)を作成して、認知度向上につなげることも選択肢の1つです。
すでに大企業はタイ語対応を済ませていますが、タイ語をネイティブ水準で操るのは難しいため、英語圏の国に比べると、タイ語オウンドメディアの制作は進んでいないのが現状です。
したがって、タイ語をネイティブ水準で操れる人材や企業と連携し、タイにおけるチャネルを増やしましょう。
オウンドメディア制作後は、検索エンジンで上位表示させるための記事を作成するコンテンツマーケティングやリスティング広告へとつなげられるので、マーケティング戦略の柔軟性にも貢献します。
SEO、リスティング広告により検索エンジンを攻略する
SEO、リスティング広告を使ったデジタルマーケティングは、タイにおけるマーケティングの主流になりつつあります。
タイの検索エンジン事情は日本と同じくGoogle一強となっているため、SEOやリスティングの手法自体は日本の手法を流用可能です。
懸念となるのがタイ語対応する必要がある点。
タイ語を使った記事やLPの作成は非常に難しく、機械翻訳も「日→英」の精度とは比べ物にならないほど低いです。
したがって、オウンドメディア制作と同様に、以下の点に注意して良質なSEO記事やLPを作成しましょう。
タイ向けにオリジナルのコンテンツを作成する
機械、AI翻訳ではなくタイ語ネイティブと連携する
タイで有力なWebサイトに被リンク営業をかける
タイと日本との検索行動の違いを理解する
KOL・インフルエンサーを活用する
以上のグラフは、タイにおけるインフルエンサー、キーオピニオンリーダー(KOL)を活用したマーケティング市場規模の推移を示しています。
ご覧の通り、2017年には2,000万ドルにも満たなかったものが、2030年前後には1億ドルに達する見通しで、今後も成長し続けることが既定路線です。
このマーケティング手法で鍵を握るのが使用するSNSですが、タイにおけるSNS事情は以下の通りです。
SNS | 使用率 |
---|---|
68.3% | |
TikTok | 70.2% |
YouTube | 61.5% |
Facebook Messenger | 49.5% |
26.1% |
出典:https://datareportal.com/reports/digital-2024-thailand
日本ではFacebookがそれほど力を持っていませんが、タイを始めとする東南アジア諸国では非常に強力な力を握っています。
したがって、短文投稿型ならFacebookを、ショート動画型ならTikTokを、長尺動画型ならYouTubeを、そして写真型ならInstagramを、それぞれ活用してインフルエンサーマーケティングを実践しましょう。
なお、これまでは圧倒的な知名度を誇るインフルエンサーに依頼する大規模なマーケティングが主流でしたが、現在は小規模から中規模のニッチなジャンルにおいて強い信頼を持つ「マイクロインフルエンサー」を活用したマーケティング手法が確立されつつあります。
マイクロインフルエンサーのフォロワーはエンゲージメントが非常に強く、マイクロインフルエンサーに絶対の信頼をおいているケースが多いため、費用対効果が優れている点が魅力的です。
タイのマーケティング成功事例
タイのマーケティングを攻略する上では、成功事例について知っておくことも大切です。
ここでは、現在主流となりつつあるデジタルマーケティングのうち、「YouTube」「LINE」という2つのSNSを活用した事例について取り上げます。
テレビ・YouTubeの動画広告を活用したマーケティング成功事例
味の素はタイにおける認知度向上のために、動画コンテンツを使ったマーケティングを実施し、大きな成功を収めています。
現地人材をマスコットとして活用する
「AminoScience」というわかりやすいキーワードを設定する
マスコットの髪色や文字の色などを「赤」で統一する
以上のような現地で受け入れられやすく、またとてもわかりやすい要素を動画中に散りばめることで、より訴求しやすい動画を制作しました。
結果、15秒バージョンのYouTubeの動画は2,700万回をこえる動画再生数を記録し、極めて高い広告効果を発揮しています。
LINEを活用したマーケティング成功事例
LINEは日本だけで流行しているSNSだと思われていますが、実は台湾、そしてタイにおいても市場のトップシェアを誇っています。
タイでは人口およそ7,000万人に対し、MAU(月間アクティブユーザー)は5,300万人を誇り、日本に劣らない人口カバー率を見せています。
そして、タイのオンラインフードデリバリーサービス「シズラー」は、LINEを使ったマーケティングで高い成果を実現しました。
フードデリバリーが頻繁に使われるエリアに対し、ターゲティング機能活用
一度自社サイトを訪問した顧客に対しプロモーションを打つリターゲティング機能を活用
LINEの有料広告「LINE Ads」で4,600万人に及ぶユーザーにリーチ
LINEに搭載されている以上の機能をフル活用し、結果的にクリック単価は従来から66%カットすることに成功しています。
タイのマーケティングに関するよくある質問
私たち「The Digital X」はタイにおけるマーケティング支援も実施していますが、以下によくある質問をまとめています。
タイのSNSマーケティングはどのSNSを使うべき?
タイにおけるSNSマーケティングは以下の記事を参考にしてください。
参考:【2024最新版】タイの人気SNS事情|マーケティング活用事例から学ぶ進出のコツ
タイのインフルエンサーマーケティングはどのように進める?
タイにおけるインフルエンサー、KOLマーケティングは以下の記事を参考にしてください。
参考:タイで認知拡大!KOL(インフルエンサー)マーケティング現状と注意点を解説
タイのデジタルマーケティングのトレンドは?
タイにおけるデジタルマーケティングのトレンドについては以下の記事を参考にしてください。
参考:【2024年版】タイのデジタルマーケティングトレンド | 調査データ参考に解説
タイのWebマーケティング、SEOの勝ち筋は?
タイのSEOマーケティングについては以下の記事を参考にしてください。
参考:タイの検索エンジンランキングTOP5!タイのSEOを攻略するポイントとは?
タイへのマーケティングならThe Digita Xにお任せください
タイへのビジネス進出において、マーケティングは欠かせない要素です。
地理的要因、言語などあらゆる点が異なるタイに対してマーケティングを仕掛けるなら、記事で紹介した情報を参考にしてください。
私たち「The Digital X」はタイをはじめとする、東南アジア諸国へのマーケティング支援に精通しています。
タイへのビジネス進出やマーケティングを検討しているお客さまは、「弊社カタログ」をご覧いただくか「お問い合わせ」いただけますと幸いです。
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