2024年6月28日
【2024最新版】タイの人気SNS事情|マーケティング活用事例から学ぶ進出のコツ
幅広い年代がSNSを活用しているタイは、デジタルマーケティング戦略が効果的におこなえる国です。親日国として知られているタイにはさまざまなビジネスチャンスがあるため、SNSを通じたデジタルマーケティングを検討している方も多いのではないでしょうか。
「タイのSNS普及率はどのくらい?」
「タイの人気SNSと日本の主要SNSに違いはある?」
「タイ人に効果的なインフルエンサーマーケティングがしたい」
この記事では、デジタルマーケティングに18年以上携わってきたThe Digital Xが、上記の疑問にお答えしていきます。
タイの人気SNSやインターネット事情について詳しく解説し、お手本となるようなSNS運用例やタイ人に人気の日本人インフルエンサーも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
【全体の利用者数】タイのSNS・インターネット事情
タイにおける2024年初頭時点でのインターネット利用者数は6,321万人で、普及率は88%です。
また、アクティブな携帯電話接続数は9,781万であり、これは総人口7,185万人の136.1%にのぼります。
まずは、タイにおけるWebマーケティング・SNSマーケティングがどのくらい効果が見込めるのか、現状についてより詳しくみていきましょう。
参照:DATAREPORTAL「デジタル2024:タイ」
タイにおけるインターネット・SNS利用時間
タイにおけるSNS利用者は、2024年1月時点で4,910万人(総人口の68.3%)でした。1日のSNS利用時間は平均2時間44分であり、日本の約3倍の時間をSNSに費やしています。
さらに、1日のインターネット利用時間は8時間6分で、3時間45分である日本に比べるとかなり長い間Webサイトやアプリなどを閲覧している傾向です。そのため、タイにおけるデジタルマーケティングは非常に重要だといえます。
年代別の人口とSNS利用率
タイにおける年代別の人口とSNS利用率は以下の通りです。世代別の割合は、DATAREPORTALの年齢別人口を参考にしています。
TikTok | You Tube | |||
---|---|---|---|---|
Z世代 (14%) | 94% | 76% | 94% | 87% |
ミレニアル世代 (28.3%) | 95% | 66% | 91% | 65% |
X世代 (14.2%) | 95% | 53% | 91% | 53% |
ベビーブーマー世代(21.6%) | 92% | 50% | 90% | 49% |
参照:Insight Era「タイのソーシャル・ソーシャル・バイ・ジェネレーション・ユース・トップ」
上記は2022年におけるオンライン調査の結果です。なかでも「Facebook」と「YouTube」は、どの世代も9割以上のユーザーが利用しており、幅広い世代にアプローチできるプラットフォームであることがわかります。
【TOP5】タイの人気SNS
以下は、2024年のタイにおける各SNSプラットフォームの利用状況です。
SNS | ユーザー数 | 広告リーチ数 | |
---|---|---|---|
1位 | Facebook(フェイスブック) | 4,910万人 | 68.3% |
2位 | TikTok(ティックトック) | 4,438万人 | 70.2% |
3位 | You Tube(ユーチューブ) | 4,420万人 | 61.5% |
4位 | Facebookメッセンジャー | 3,555万人 | 49.5% |
5位 | Instagram(インスタグラム) | 1,875万人 | 26.1% |
参照:DATAREPORTAL「デジタル2024:タイ」
広告リーチ数は、そのプラットフォームで広告がどのくらいの人に見られているかのデータです。上記からはTikTokの費用対効果が高く、Instagramはリーチ数が低いことがわかります。
タイではかねてよりFacebookやYouTubeが圧倒的人気を誇っていましたが、パンデミックを経てTikTokが急激に人気を集め2位に台頭しました。
一方、日本におけるSNSの利用率は以下の通りです。
SNS | ユーザー数 | |
---|---|---|
1位 | LINE(ライン) | 9,600万人 |
2位 | You Tube(ユーチューブ) | 7,120万人 |
3位 | Instagram(インスタグラム) | 6,600万人 |
4位 | X/旧Twitter(エックス/旧ツイッター) | 6,650万人 |
5位 | Facebook(フェイスブック) | 2,600万人 |
参照:総務省「令和4年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
日本では、メールに代わる連絡手段として「LINE」が広く普及しており、すべての年代で80%以上の利用率を誇っています。また、投稿型のSNSに関しては、InstagramとXが同程度のユーザー数を保持している傾向です。
ここからは、各SNSの特徴や主な利用者層について、ランキング順に詳しく解説していきます。
1.Facebook(フェイスブック)
「Facebook」は、世界で23億人以上の月間利用者数を誇るSNSプラットフォームです。2004年に設立したアメリカ発祥のSNSで、実名登録であるためプライバシー機能が充実している特徴があります。
2024年1月におけるタイのFacebookユーザーは4,910万人です。どの年代も9割以上がアクティブユーザーであり、総人口の68.3%が利用していることから、タイの国民的SNSとも呼べるでしょう。
Facebookはタイ人にとって身近な存在であり、時間を潰したいときや情報収集をしたいときなど、テレビや新聞代わりに利用する人が多い傾向です。また、プライベートグループ内においてビジネスが動くことがあるのも、タイにおけるFacebookの特徴だといえます。
実名登録であるFacebookには、職業や勤務先などの詳細情報までデータベース化されているため、効果的なターゲティングが期待できるでしょう。
2.TikTok(ティックトック)
近年タイで急激に人気を集めているのが「TikTok」です。TikTokは15~90秒の短い動画を共有するSNSで、世界中の若者たちを虜にしています。2024年1月のユーザー数は4,438万人で、タイではFacebookに次いで人気の高いSNSです。
ユーザー数のうち、48.9%が女性・51.1%が男性と、男女比に偏りはありません。年代においてはZ世代が76%・ミレニアル世代が65%・X世代が53%・ベビーブーマー世代が50%と少しずつ減少しますが、年配者の2人に1人はTikTokを利用しています。
また、タイでは影響力のあるインフルエンサーが多く、投げ銭が盛んにおこなわれている傾向です。マネタイズできているTikTokerが増えてきていることから、インフルエンサーマーケティングのプラットフォームとして非常に有効だといえるでしょう。
3.You Tube(ユーチューブ)
動画共有プラットフォームである「YouTube」もタイでは人気が高く、3位にランクインしています。YouTubeは2005年にリリースしたSNSで、幅広い年代が楽しめるジャンルが揃っているのが魅力です。
タイでは4,420万人がユーザー登録しており、すべての年代において90~94%がアクティブユーザーという結果になっています。時間を潰したいときや情報収集したいときだけでなく、勉強したいときや音楽を聴きたいときにも使われている傾向です。
日本ではYouTubeショートも流行っていますが、タイでは「ショート動画を見るくらいならTikTokを見る」という人が多い傾向があります。先行企業のYouTubeマーケテイングが上手くいっていないことを考えると、いきなり参入するのはハードルが高いでしょう。
4.Facebookメッセンジャー
「Facebookメッセンジャー」は、Facebookのユーザー同士がメッセージでやり取りできるコミュニケーションツールです。Facebookがトップシェアを誇るタイにおいては、このFacebookメッセンジャーも活発に活用されており、4位にランクインしています。
タイのFacebookメッセンジャーのユーザ数は3,555万人です。日本ではFacebookの利用者層が30代以上であるのに対し、タイでは老若男女問わず使われているため、Facebookメッセンジャーも類似傾向がみられます。
また、日本ではLINEが80%以上の利用率ですが、タイではFacebookメッセンジャーが全体の58%・LINEが36%のシェア率です。家族や親しい友人とのコミュニケーションだけでなく、飲食店や店舗への予約や問い合わせなど、幅広い用途で活用されています。
参照:タイランドハイパーリンクス「タイ人はFacebookで情報収集、連絡手段はMessengerとLINE」
5.Instagram(インスタグラム)
世界的に人気の高い「Instagram」ですが、タイでは5位にランクインしています。InstagramはFacebookと同じMeta社が提供する、写真・動画などのメディア投稿型SNSです。「#(ハッシュタグ)」でコンテンツの共有・検索がおこなえるのが特徴で、情報収集しやすいメリットがあります。
タイのInstagramユーザー数は1,875万人で、日本のユーザー数の3分の1程度です。Z世代が最も多い87%で、ミレニアル世代が65%・X世代が53%・ベビーブーマ世代が49%と、年齢を重ねるにつれて下がっていきます。さらに男女比も顕著で、ユーザーの6割以上が女性です。
タイではInstagramは「IG(アイジー)」の愛称で親しまれており、とくに学生や社会人数年目の若いユーザーが活発に利用しています。写真を撮るのが好きなタイ人にとって、「インスタ映え」は魅力的なコンテンツです。
また写真のシェアだけでなく、インフルエンサーやブランドの投稿をチェックしたり、企業やお店のクーポン情報をゲットしたりと、情報収集のツールとしても活用されています。
事例から学ぶ!タイSNSマーケティング進出のコツ
ここからは、タイ人の心を掴むクリエイティブの傾向について、実例を交えて簡単に解説していきます。お手本にできる企業のSNSアカウントやおすすめのインフルエンサーも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
【Facebook】タイのSNS企業アカウント例
まずは、フェイスブックのアカウント運用に成功している現地企業の例からみていきましょう。タイ・バンコクのメディア会社である「BrandThink」は、フェイスブックのアカウントに100万人以上のフォロワーを抱えています。
投稿内容やメディアの魅せ方など、現地向けのマーケティングのコツが詰まっているので、大いに参考にできるでしょう。
また、以下は日本人の佐野ひろ氏がメインキャストを務める番組「SugoiJapanTV」のFacebookアカウントです。
タイでは写真コンテンツのシェア率が最も高いため、SNS投稿のシェア率を指標にすることが大切です。パッと見ただけで全貌が掴める投稿であり、Facebook内で完結できるものであると注目されやすい傾向があります。
【TikTok】タイのインフルエンサーマーケティングの事例
またタイ人の有名インフルエンサーを起用したマーケティングも主流です。とくにTikTokには影響力のあるインフルエンサーが増加傾向で、彼らのライフスタイルを真似するユーザー層も増えてきています。
なかでもレビュー動画やライブショッピングなどに需要があるため、自社のサービスや商品を紹介してもらえば認知度向上だけでなくCVにもつながる可能性が高いです。また先述したように、タイは投げ銭文化が盛んで、とくにTikTokはマネタイズ向きな傾向があります。
タイで人気のある日本人インフルエンサー
現地人ではなく、タイ人に人気の日本人インフルエンサーを起用する方法もあります。日本人インフルエンサーなら言語の壁がないためハードルが低く、現地のネイティブな情報が収集できるきっかけにもなるでしょう。
Reina in Thailand
Reina in Thailand氏は、タイで最も人気のある日本人YouTuberです。タイを旅行するコンテンツがメインですが、タイ人のファンでコメント欄が埋まっており、度々タイのTV番組やメディアにも取り上げられています。
佐野ひろ
佐野ひろ氏は、先ほど紹介したSugoiJapanTVのメインキャスターであり、俳優としてタイで人気になった日本人男性です。日本の文化や観光地をTVやYouTube、TikTokなどを通してタイ人へと紹介しています。タイインバウンドのパイオニア的存在だといっても過言ではありません。
タイでのデジタルマーケティングにおけるよくある質問
最後に、タイのデジタルマーケティングに関するよくある質問をご紹介します。
タイへのビジネス進出を検討しているのですが、把握しておくべきことはありますか?
タイのSEO対策に有効な検索エンジンを教えてください。
タイでの越境ECにおけるポイントや成功例を教えてください。
タイの「KOL」とは何ですか?インフルエンサーとどう違うのですか。
タイのデジタルマーケティングの現状について教えてください。
タイへのビジネス進出を検討しているのですが、把握しておくべきことはありますか?
タイビジネスにおけるメリットデメリットや、日系企業が成功するポイントについては、以下の記事を参考にしてください。
「タイビジネスのススメ|進出前に知っておくべき基礎知識やメリット・デメリット」
タイのSEO対策に有効な検索エンジンを教えてください。
タイでの越境ECにおけるポイントや成功例を教えてください。
タイの「KOL」とは何ですか?インフルエンサーとどう違うのですか。
タイのデジタルマーケティングの現状について教えてください。
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タイでのSNSマーケティングは、ターゲット層の需要が高いプラットフォームを選び、ローカライズされた情報発信を心掛けることが大切です。
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