2024年8月12日
【2024年最新】ベトナムの広告最新トレンドとは?ビジネスチャンスを最大化する広告運用術
東南アジアのなかでも大きな存在感を放つベトナムは、近隣諸国よりも一足先に経済や人口の成長が成熟することが予測されています。
とはいえ、日本など先進国に比べるとまだまだ成長の余地は残されており、ビジネスチャンスは多岐に渡ります。
そんなベトナムへとビジネスを仕掛ける上で欠かせないのが、「広告運用」ではないでしょうか?
ベトナムの広告市場の現状
ベトナムの主要なデジタル広告手法
ベトナムにおける広告運用の勝ち筋や注意点
上記のような点について、グローバルマーケティングのプロフェッショナルの視点から、わかりやすく解説していきます。
ベトナムの広告市場の現状
まずはベトナムの経済や広告市場の現状から概説していきます。
ベトナム経済の現状
ベトナムはコロナパンデミックの影響で経済成長が鈍化しましたが、その反動でコロナ明けの2022年にはGDPの成長率8.0%を記録しました。
このペースで引き続き成長を続けることが期待されていましたが、2023年の成長率は6.3%と予測されています。
インフレが少しずつですが着実に進んでおり、今後、破竹の勢いで成長する東南アジア諸国と同様に、大きな成長を見せられるのかに注目です。
ベトナムの勢いを決めるのは「輸出」であり、主要取引先であるアメリカ、中国、ユーロ圏の成長が鈍化すれば、その分だけ輸出が伸び悩み下振れ要因となり、逆もまた然りです。
出典:Taking Stock: Vietnam Economic Update, March 2023 - WORLD BANK GROUP
ベトナムの広告市場の現状
以上のように、ベトナムの経済成長はコロナ以前の急速な成長と比べると、少し物足りなく感じられます。
一方、ベトナムの広告市場の成長は堅調に推移する可能性が高いです。
ベトナムの広告市場は、2023年から2029年までの期間において年平均成長率(CAGR)5.78%で成長すると予測されています。
2022年の市場規模がおよそ2.2億米ドルだったので、5.78%のペースで成長すると仮定すると、2029年にはおよそ3億米ドルまでの成長が見込まれます。
特にデジタル広告の成長が圧倒的で、2023年には脅威の「年間21%」の成長率を見せました。
出典:Vietnam Online Advertising Market Outlook to 2023: Ken Research - VIETNAM INSIDER
デジタル広告がここまでの成長を見せている背景には、ネット通販、いわゆる「eコマース(電子商取引)」の成長があげられます。
2024年にはeコマースの市場規模が300億米ドルに達すると予測されており、鈍化する経済成長とは対照的に、eコマースやデジタル広告は今後も急速な成長を見せていくはずです。
出典:Vietnam’s e-commerce market size to hit US$30 billion this year - Vietnam net
ベトナムにおける主要なデジタル広告手法
先述のように、ベトナムではデジタル広告の成長が著しいため、広告運用ではデジタル広告をメインに進めていくのがセオリーです。
そして、デジタル広告のなかでも存在感を見せているのが、下記4つのプラットフォームです。
Facebook
Google
Zalo
リスティング広告
上記4点について、現地における実体験を交えて解説していきます。
Facebookはベトナムをはじめとした東南アジア諸国で圧倒的なシェアを誇るSNSです。
元祖SNSともいえる存在であり、Facebookを攻略できれば、ベトナムだけでなく、多くの海外国における広告運用で有利に立つことができます。
そんなFacebookは、ベトナムのデジタル広告市場において下記のような特徴を持っています。
2023年初頭にインターネットユーザーの67.6%、全人口の53.4%にリーチ
若年層や都市部のユーザーに影響力を持っている
動画、バナー、カルーセル、ストーリー、動画広告がエンゲージメント高い
CPC(クリック単価)とCPA(アクション単価)の測定が容易
2023年の時点で、ネットユーザーのおよそ7割、全人口の半数以上にリーチできる点は、他の広告媒体にはない非常に強力な魅力です。
また、SNSを含む広告運用において広告効果を効率的に上げていくには、「広告効果の測定」を正確に行い、PDCAサイクルを回していくことが求められます。
その点、Facebookは長期間にわたる運営実績から、クリック単価を示すCPCやアクション単価を示すCPAなど、広告効果を示す各種指標の測定が容易です。
したがって、「ターゲットユーザーの規模」「広告運用のしやすさ」という2点から考えると、ベトナムにおけるデジタル広告の運用はFacebookが筆頭に上がるといえます。
Zalo
日本ではほとんど知名度がないZaloは、「ベトナム版LINE」という表現が最も適当なSNSです。
そんなZaloのデジタル広告に関する特徴は下記の通りです。
7,000万人以上のユーザを抱えておりベトナム国内で幅広く利用
Facebookと同様に幅広い広告で運用可能
特にローカルビジネスや中小企業にとって重要なプラットフォーム
メッセージングSNSなのでアクティブ率、エンゲージメント率は高め
市場シェアは小さいがローカルプラットフォームとしての強みがある
日本におけるLINEと同様に「国民生活に欠かせないSNS」であり、若年層だけでなく、幅広い層に利用されている点が最大の特徴です。
メッセージングアプリという性質から、アクティブ率、エンゲージメント率はともに高いため、十分に勝ち筋を狙えるといえるでしょう。
一方で、LINEが海外でほとんど利用されていないように、Zaloもベトナムのみで利用されているため、Zaloの運用が他の国における広告運用に活かせない点がFacebookやTikTokなどのグローバルSNSとの違いとしてあげられます。
TikTok
TikTokは若年層が多く、スマートフォン、およびSNSの利用率が世界の中でも非常に高い東南アジア諸国で圧倒的な支持を集めている動画系SNSです。
2023年初頭で4,986万人、全成人の68.9%にリーチ
通常のインフィード広告の他にも多様な広告手法を用意
若年層をターゲットにするなら検討の余地あり
そんなTikTokの特徴は上記の通りです。
TikTokはSNS後発組ということもあり、FacebookやTwitterなど、アメリカ発のSNSのパイオニアたちの広告手法から良いところだけを取り入れています。
ユーザーの「おすすめ欄」に表示させるインフィード広告以外にも、下記のようなクリエイティブな広告を用意している点が魅力です。
トレンドテイクオーバー
ハッシュタグチャレンジ
ブランデッドエフェクト
トレンドやAR(仮想現実)を活用する先進的な広告手法であり、一般的な広告スキルではやや取り組むのが難しい可能性があります。
だからこそ、これら広告手法で成功をおさめた場合のリターンは非常に大きいため、主に若年層向けの広告を打ちたいなら検討する価値はあるでしょう。
参考:【2024年最新】ベトナムSNSランキング|インターネット事情をマーケティングに活かすコツ
リスティング広告
デジタル広告のなかでも従来から強い力を持っているリスティング広告も、取り組む価値のある広告戦略です。
インプレッション数、クリック数、コンバージョンなど、成果測定が容易
クエリ単位でリーチできるので、ダイレクトに広告運用ができる
地理的ターゲティングやデモグラフィックターゲティングなど、ターゲティングについてはSNSより優れている
Googleメインで、CocCocも選択肢
リスティング広告の特徴は上記の通りです。
SNSが台頭し始めてから少し存在感を落としている印象もありますが、「成果測定が容易」「ターゲティングがしやすい」という2点は、SNSよりも優れている点だといえます。
ベトナムにおける検索エンジンはGoogleがメインではあるものの、国産の「CocCoc」が少しずつ台頭し始めている点は見逃せません。
参考:【2024年版】ベトナムのリスティング広告の状況|デバイス別で利用率と利用時間を紹介
ベトナムにおける広告運用の勝ち筋
ここからは、ベトナムにおける広告運用の勝ち筋について、実体験を交えて解説していきます。
ポイントは下記の4点です。
自社製品に合わせた広告フォーマットの選択(基本はFacebook)
詳細なターゲティングの実施
トランスクリエーションで質の高い翻訳を実施
適切な分析による費用対効果の最大化
一般論で言えば、業種により広告手法は細かく変えるのがセオリーですが、ベトナムを含む東南アジア諸国はSNSがとにかく力を持っているため「基本はFacebook」という考え方で問題ありません。
事実、私たち「The Digital X」がベトナムにおいて広告運用を実施した際は、Facebookが最も反応率が高かったです。
そして、成功の可否を決めるのは「ターゲティング」だと考えてください。
SNSは多数の層にリーチできる点は魅力ですが、ターゲティング精度という点ではリスティング広告に劣ります。
年齢
性別
収入
職業
上記4点を基本として自社製品に合ったターゲティングを実施しましょう。
セオリーとしては、全国の若年層、およびホーチミンやハノイ在住の中所得者層から高所得者層に向けてリーチすることが最も効果的です。
ベトナムにおける広告運用の注意点
ベトナムにおける広告運用の注意点としては、広告に関連する各種法律に乗っ取った運用をすることです。
広告法
広告法を含む修正法
関連政令
上記3つの法律、政令が関係してきますが、注意点を下記にまとめました。
比較広告禁止
唯一、第一、最良、最高といった最上級表現禁止(日本の景表法と同様)
一度拒絶されたら場合の繰り返しの広告は行政処分の対象
特別広告は当局に広告許可証を申請、審査(広告法20条、4号)
広告が禁止されている製品、サービスが存在
日本では競合と比べて不当に優良である、あるいは不当に競合製品を劣っているとする「不当な比較広告」が禁止されていますが、ベトナムは比較広告そのものが禁止されています。
また、「特別広告」と分類される広告は、広告許可証を申請、審査することが求められます。
該当製品、サービスは下記の通りです。
医薬品
化粧品
化学物製品
子供用栄養食品
食品・食品添加物
健康診断病気治療サービス
医療設備
農薬
獣医薬等
また、下記に示す「広告そのものが禁止されている(広告法12条)」製品、サービスも存在している点にも注意すべきです。
営業禁止商品、役務
タバコ、アルコール15度以上の酒類
24か月未満の幼児に対する母乳代替乳製品
6か月未満の幼児に対する栄養補助製品
哺乳瓶または哺乳瓶の乳頭、処方用医薬品や医師の監督を要する医薬品
性的刺激商品
猟銃およびその弾丸
スポーツ武器、ならびに暴力刺激製品・商品
政府により定められる他の製品・商品・役務
ベトナムの広告運用に関するよくある質問
この記事の最後に、ベトナムの広告運用に関するよくある質問にお答えしていきます。
ベトナムの広告コンテンツはどのように作成すればいい?
ベトナムの広告運用は自社だけで進められる?
ベトナムの広告以外のマーケティング手法についても知りたい
ベトナムのデジタルマーケティングは日本と比べてどのくらいコストがかかる?
ベトナムで今後注目のビジネスにはどんなものがある?
弊社に寄せられるよくある質問は上記の通りです。
いずれも一言で答えるのは難しいですが、全体に共通しているのは「想像以上に専門性、リソースが求められる」点です。
ベトナムは英語圏ではないため、言語の壁が想像以上に大きく、あらゆるものを翻訳した上で運用に乗せていく必要があります。
また、同じアジア圏といっても、価値観や宗教観が大きく異なるため、日本における広告手法が通用する可能性は低いです。
上記の点を考慮すると、グローバルに特化した広告部門のある企業規模でない限りは、自社単独でベトナムの広告運用に臨むのは少しリスキーです。
もし、ベトナムにおける広告運用ついてより深く知りたいなら、弊社カタログをチェックしてみてください。
ベトナムにおける広告運用ならThe Digital Xにお任せください
ベトナムにおける広告運用はデジタル広告がメインで、とりわけFacobookの活用が成否を決めます。
また、リスティング広告のターゲティング精度の高さを用いることも効果的であるため、SNSとリスティングの両輪を回していくことこそが最適解です。
私たちThe Digital Xはグローバルデジタルマーケティングを専門に扱っており、ベトナムにおける知見が社内に蓄積しています。
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