アニメキャラクターの活用で
ターゲット層を拡大せよ!
『「ポケモンねぶた」ねぶた漬』の販売
The Digital Xは海外展開だけに限らず、地方の企業に対してのコンサルティングも行っています。
ヤマモト食品株式会社の山本浩平様は、自社商品ユーザーの年齢層が高まってきているのを感じており、なにか新しい商品展開が出来ないものかと考えておりました。実際にアニメキャラクターとのコラボレーションを企画する段階からThe Digital Xのコンサルティングを利用いただいています。実際にどのようなサポートを受け、どのような効果が出たのかについて伺いました。
企業名:
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ヤマモト食品株式会社
主な事業
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数の子やほたてなど海の幸を使った醤油漬けの製造・販売
コンサルティングサービスを受けている事業
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ねぶた漬における新商品の開発
The Digital Xが支援している領域
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プロダクト企画、開発
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マーケティング全般支援
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グロースマーケティング
ターゲット層の拡大を
図りたい
―『「ポケモンねぶた」ねぶた漬』開発の目的とその背景について教えてください。
ターゲット層の拡大です。これまでも若い世代へ向けたプロモーションは行ってきましたが、今回、キャラクタ
ーもので何かできないかと相談したのが開発のきっかけです。
ねぶた漬シリーズは発売からおよそ60年になりますが、その間、お客様とさまざまな思い出を分かち合ってきたからこそ今の弊社があると思っています。今回のプロジェクトは、そうした取り組みの一環でもあり、青森の企業としてお客様や地域の方々と楽しさを共有したい、また、お爺ちゃんとお孫さんが会話するちょっとしたきっかけになればという願いも込めています。
―このプロジェクトを始める前に抱えていた悩みや課題は何でしたか?
現在、弊社商品を購入されるお客様は比較的年齢層が高めなのですが、弊社の商品が長い間売れ続けている理由のひとつに、今の顧客層が子どもの頃からよく食べていたからという側面があります。ですがここから先、さらに将来にわたって安定した需要を維持していくためには、今のお子様にも早いうちから弊社の味を知っていただくというアプローチが不可欠だと感じています。また、ねぶた漬が最も売れるのが、お歳暮やおみやげとして需要が高まる8月と12月なのですが、その時期以外にももっと日常的な需要を増やしたいと考えています。
―キャラクターIPを活用しようと思ったのはなぜですか?また、自社IPの制作は考えなかったのですか?
今回のプロジェクトでは、親御さんではなくお子様が直接商品パッケージに目を留めることを目指しました。独自キャラクターを作成する場合、その知名度は青森県内に限られる可能性が高く、プロモーションにおいてストーリーを一から育てていく必要があるため時間がかかります。それよりも、既存のキャラクターを活用して相乗効果を生む方が効果的であると判断しました。
※キャラクターIP
アニメやゲームなどに登場するキャラクターに関する知的財産権を指し、商標、著作権、デザイン権などが含まれる。
子供が売り場で
商品を手に取り
カゴに入れてほしい
―The Digital Xのコンサルティングとプロジェクトマネジメント支援を受けてどのような変化が見られましたか?
これまでもIP活用は社内で話題にしていたのですが、一度見本市に言ってみようかという程度で具体的なことは何も決まっていない状態でした。それが、The Digital Xのサポートが入ったことでプロジェクト全体がスピード感を持って進んでいきました。
―具体的にどのようなソリューションを提供しましたか?
「売り場で商品を目にした子どもが手にとって親の買い物かごに入れる」といったイメージをお伝えしたところ、ターゲットの年齢層を考慮したキャラクターをいくつかご提案いただきました。その後IP企業への問い合わせからパーセンテージの交渉まで行っていただき、2023年の青森ねぶた祭りで運行された「オーガポン&ピカチュウ前ねぶた」の写真を使ったねぶた漬のパッケージを制作することが決まりました。
―どのようにしてキャラクターIPがポケモンに決まったのですか?
プロジェクト開始時にはいくつかの好条件が重なっていました。我々がポケモン社にアプローチしたタイミングは、新しいゲームの追加コンテンツ「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット ゼロの秘宝」の発売を控えており、同社はそのプロモーションの一環としてねぶたを制作している最中でした。ポケモン社も制作したねぶたの活用を希望していたことや、ねぶたになったキャラクター「オーガポン」が北東北をイメージさせるなど、双方にとってメリットのある提案となりました。
―プロジェクト進行中にどのような課題がありましたか?
全体的にスムーズでした。ひとつ挙げるとすれば、ポケモン社からは当初、「オーガポン&ピカチュウ前ねぶた」が運行される青森ねぶた祭りに合わせた発売を提案されました。しかし、弊社のブランディングの大前提として「ねぶた漬の商品パッケージには必ずねぶたの写真を使用する」というルールがあり、ねぶたの完成は祭り直前となるためパッケージの準備が間に合いません。交渉の結果、ゲームの発売に合わせて商品のローンチも9月となりました。それでも、7月末に撮影を終えてからデザイン、印刷、出荷まで時間的な余裕はなく、急いだスケジュールではありました。
―他社IPを使うことにより、通常の業務と異なった部分はありますか?
弊社はインハウスでパッケージ制作が可能なため、通常は自社内だけで工程が完結するのですが、今回のプロジェクトでは当然ながらポケモンの世界観を守るための厳密な規定があり、パッケージデザインについてはポケモン社の主導で進められました。パッケージ表記や色合いに誤りがないかを確認するため、何度も校正や仮刷りを重ねる精緻なコミュニケーションが求められました。普段の業務も並行しながらでしたので全てを自社のみで対応するのは困難だったと思います。
The Digital Xだったから
プロジェクト進行が上手く行った
―『「ポケモンねぶた」ねぶた漬』発売後の反響はいかがですか?
ポケモンの公式アカウントでのアナウンスもあり、SNSユーザーを中心にポケモンとねぶた漬の組み合わせを楽しむポジティブな反応が多く見受けられました。弊社のアカウントも通常の約10倍のリーチを達成しました。
これまでの弊社商品と比較して、初速の勢いには驚かされました。期待通り、店頭ではポケモンのパッケージをお子様が見つけて親御様が購入するケースや、遠方で暮らすお孫様のために詰め合わせギフトに追加するという買われ方が増えたようです。
―他社IPの活用において留意すべき点はありますか?
他社IPの場合、こちらが使いたいという熱意はもちろんですが、使用を許諾してもらうためには、IPを貸しだす側にとってメリットが期待できる商品かどうかも重要です。自社の商品にそのポテンシャルがあると判断してもらえないと契約できないですから。
―今後またキャラクターIPを使った商品開発を行いたいですか?
個人的には、キャラクターIPを積極的に活用すべきだと感じています。過疎化が進むなかで、地元地域を題材にしてくれる作品は貴重ですし、ファンとともに地元が盛り立てていくことで無形資産になっていくのであれば、地元企業としてできる範囲でIPを活用することも、地域貢献のひとつの形ではないでしょうか。
弊社でもぜひまた、青森にゆかりのあるキャラクターなどでIP活用を行っていきたいです。
―The Digital Xのサポートについてはいかがでしたか?
他社IPを使用する際は依頼した方が断然負担が少ないです。IP企業とは問い合わせから完成まで何度もやり取りが必要ですが、弊社のように企画部を持たない企業が社内だけで対応するのは大変だったと思います。また、今回は3ヶ月という短期間で発売まで漕ぎ着けました。ゲームの発売などで気運が高まっているタイミングを逃さずにリリースできたのもプロジェクトマネジメントがしっかりしていたおかげです。
弊社でも人気コンテンツのIP使用が叶いました。どこから手を付けて良いか分からない状態だったところから、The Digital Xがそのハードルを大幅に下げてくれたと感じています。
The Digital Xから
新商品の販路開拓だけでなく、既存製品の売り方を考えること、プロダクト開発をすることもマーケティングの一部です。今回はターゲット層を広げたいという課題の相談をいただき、売り場で5歳くらいのお子様が手に取れる商品、さらに家族全員で楽しめる商品ということで、アニメやキャラクターIPの活用を進めました。
対象年齢に合ったIPを選定し、該当するIPを保有する各社に打診した結果、ポケモンとのコラボレーションが実現しました。そのほか、提出資料の取りまとめとご提案、権利使用時の利率など交渉を含めたIP企業とのコミュニケーション、全体のスケジュールマネジメントなどを行い、商品のリリースに尽力しました。また商品ローンチ後は売り場での販売が促進されるようなコミュニケーションの支援も行っています。
また、地方だからコラボできないという事は全くないので、まずは聞いてみるという事も大事です。
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