2024年10月27日
【東南アジアKOL】インフルエンサーマーケティングの現状と勝ち筋を紹介
特定のジャンル・ユーザーへの影響力を持つKOLは、東南アジアにおけるビジネス進出・認知度向上に最適なマーケティング手法です。この記事では、デジタルマーケティングに18年以上携わってきた弊社TheDigitalXが、以下の内容について詳しく解説していきます。
東南アジアにおけるKOLマーケティングの現状
東南アジア各国におけるKOLマーケティングの特徴
東南アジアでKOLをおこなう際の注意点
上記の内容に加え、東南アジアにおけるKOLマーケティングの勝ち筋も紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
海外進出において、自社の商材はどの施策を実行すれば良いかお悩みの場合、対象国での競合を調査すれば、実行に移すためのタスクが見えてくる可能性がございます。 2週間前後で調査可能ですので、競合調査をご希望であればお問い合わせください。 競合調査可能な対象国:アメリカ、オーストラリア、タイ、マレーシア、韓国、ベトナム、インドネシア、シンガポール、インド |
【市場規模】東南アジアKOLマーケティングの現状
東南アジアにおけるKOLマーケティングは拡大傾向にあります。statistaのデータによると、東南アジア諸国のインフルエンサー広告市場は、2024年までに6億9,320万米ドルに達する予測です。年間成長率は10.83%と、かなり高い数字で推移しています。
東南アジアは人口動態が若く、SNSの普及率が急激に上昇していることから、KOLマーケティングに適している市場です。現地の各ブランドは、積極的にインフルエンサーやKOLを採用し、多様なオーディエンスに効果的にリーチしています。
参照:statista「インフルエンサー広告 - ASEAN |Statistaの市場予測」
【KOLとは?】KOLマーケティングの特徴
KOLマーケティングは、日本にいながら効果的にターゲット層へリーチできるため、現地での認知度向上に最適な手段です。KOLは「Key Opinion Leader」の略であり、インフルエンサーの中でも特定の分野において高い専門性を持っている人のことを指します。区別するなら、料理上手な主婦がインフルエンサー、料理研究家がKOLといったような違いです。
また、KOLとインフルエンサーには、以下の3つのランクがあります。
メガインフルエンサー(KOL) | フォロワー数が100万人以上 短期間で多くのリーチが獲得できる |
---|---|
マクロインフルエンサー(KOL) | フォロワー数が1万~100万人 一定のリーチを保ちつつターゲットに直接訴求できる |
ナノインフルエンサー(KOL) | フォロワー数が1万人未満 フォロワーとの関係が非常に密接 特定の市場に対して強い訴求力がある |
詳しい内容については、以下の記事もご覧ください。
「KOLマーケティングとは?インフルエンサーとの違いや起用のメリットを解説」
東南アジアでKOLマーケティングをおこなうメリット
まず、海外進出に東南アジアを選ぶメリットは以下の通りです。
人口上昇トレンドが今後も続く
人口上昇に伴いEC市場規模も拡大傾向
親日文化がすでに浸透している
インフラ整備によるインターネット環境の普及
世界的に見ても高いSNS利用率
東南アジアは、近年著しく成長してきている注目の市場です。物理的距離も近く、親日文化が浸透している国も多いことから、日系企業が進出するメリットは大いにあります。IT環境も普及が進んでおり、スマホやSNSの普及率が高いことから、越境ECの進出先としても注目の市場です。
また、東南アジア進出にKOLマーケティングを採用するメリットについては、以下をご覧ください。
企業や公的機関よりも信頼度が高いケースがある
SNSよりも信頼度の高い口コミになる
現地のKOLを起用することで認知度向上が狙える
日本にいながら海外向けのPRができる
スマホやSNSの普及率が高い東南アジアでは、一般消費者の発信活動も盛んにおこなわれています。また消費者の特徴として、オフィシャルな情報よりも身近な人物の口コミや評判を信頼するという傾向があり、KOLマーケティングと相性がいい市場です。
【KOLマーケティング】東南アジア各国の市場規模と特徴
ここからは、各国の広告市場規模とSNS市場規模についてみていきましょう。KOLマーケティングにおける特徴や傾向もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ベトナム
statistaのデータによると、ベトナムにおける2024年のインフルエンサー広告市場規模は、8,702万米ドルに達する見通しです。広告費の予想年間成長率は11.07%であり、2029年には1億4,710万米ドルに達すると予測されています。
ベトナムにおけるの人気SNSとユーザー数は以下の通りです。
SNS | ユーザー数 | |
---|---|---|
1位 | Facebook(フェイスブック) | 7,270万人 |
2位 | TikTok(ティックトック) | 6,772万人 |
3位 | You Tube(ユーチューブ) | 6,300万人 |
4位 | Instagram(インスタグラム) | 1,090万人 |
参照:Datareportal「デジタル2024:ベトナム」
ベトナムのインターネット利用率は7,793万人で、全体の約80%がインターネットに精通していいます。ベトナム人はつながりを大切にするため、口コミやレビューに対する信頼性が高い傾向です。「インフルエンサーによるプロモーションを見て、同じ商品を購入した」という経験のある現地人は7割以上にのぼります。
ただし、消費者は商品価値を重視しており、ブランドや商品を乗り換えていく傾向があるため、
リピート率を上げるには継続した努力が必要です。
詳しい内容については、以下の記事をご覧ください。
「ベトナムのKOL(インフルエンサー)マーケティングの現状と人気のKOLを紹介!」
参照:statista「インフルエンサー広告 - ベトナム」/「ベトナム:性別別インフルエンサーコラボ商品の購入意欲 2023年」
タイ
statistaのデータによると、タイにおける2024年のインフルエンサー広告市場規模は、6,878万米ドルに達する予測です。また、年間成長率は10.24%であり、2029年には1億1,200万米ドルにまで達する見通しがあります。
タイで主に使われているSNSは以下の通りです。
SNS | ユーザー数 | |
---|---|---|
1位 | Facebook(フェイスブック) | 4,910万人 |
2位 | TikTok(ティックトック) | 4,438万人 |
3位 | You Tube(ユーチューブ) | 4,420万人 |
4位 | Facebookメッセンジャー | 3,555万人 |
5位 | Instagram(インスタグラム) | 1,875万人 |
参照:Datareportal「デジタル2024:タイ」
タイのインターネット利用者は6,321万人で、普及率は88%です。SNSを活用している人は4,910万人(総人口の68.3%)であり、中でもインフルエンサー広告が急激に成長しています。タイの人口は日本の半分ほどなので市場規模は比較的小さめですが、現地のインフルエンサーを活用すれば、コアなターゲット層にも効果的にリーチできるでしょう。
ただし、タイ人のインフルエンサーはルーズな性格が多いため、マネジメント時には現地人の気質などにも留意する必要があります。また、低価格訴求に重点を置いたマーケティングは費用対効果が得られない可能性もあるので、付加価値を付けることが大切です。
詳しい内容については、以下の記事をご覧ください。
「タイで認知拡大!KOL(インフルエンサー)マーケティング現状と注意点を解説」
参照:statista「インフルエンサー広告 - タイ |市場予測」
インド
statistaのデータでは、2024年時点のインドにおけるインフルエンサー広告市場が2億9,430万米ドルに達する見通しです。年間成長率は11.35%で、2029年には5億万米ドル以上にまで成長すると予測されています。
インドで主に使われているSNSは以下の通りです。
SNS | ユーザー数 | |
---|---|---|
1位 | You Tube(ユーチューブ) | 4億6,200万人 |
2位 | Facebook(フェイスブック) | 3億6,690万人 |
3位 | Instagram(インスタグラム) | 3億6,290万人 |
4位 | Linkedln(リンクトイン) | 1億2,000万人 |
参照:Datareportal「デジタル2024:インド」
インドの人口は14億人以上であり、総人口の52.4%である7億5,150万人がインターネットを利用しています。SNSを活用しているのはそのうちの4億6,200万人であり、普及率は低いものの、その規模の大きさから注目が集まっている市場です。インフルエンサー広告も急速に成長しているため、現地のKOLを起用すれば、多様なオーディエンスへリーチできるでしょう。
ただしインドでは、現在中国製アプリの使用を禁止しています。他国ではTikTokも有効ですが、インドでKOLマーケティングをおこなう際は活用できないので注意しましょう。
参照:statista「インフルエンサー広告 - インド」
インドネシア
statistaのデータによると、2024年におけるインドネシアの広告市場規模は2億2,500万米ドルです。年間成長率は11.10%と予測されており、2029年までに3億8,080万米ドルに達する見通しがあります。
インドネシアで主に使われているSNSは以下の通りです。
SNS | ユーザー数 | |
---|---|---|
1位 | You Tube(ユーチューブ) | 1億3,900万人 |
2位 | TikTok(ティックトック) | 1億2,680万人 |
3位 | Facebook(フェイスブック) | 1億1,760万人 |
4位 | Instagram(インスタグラム) | 1億90万人 |
参照:Datareportal「デジタル2024:インドネシア」
インドネシアにおけるインターネット利用者数は1億8,530万人(普及率66.5%)であり、そのうちの1億3,900万人がSNSを利用しています。インドネシアにおけるインフルエンサー広告は、消費者を効果的に惹き付けるため、現地の文化と価値観に焦点を当て、信頼性を重視したアプローチがポイントです。
実際に、インドネシア現地企業の約26%が、月に1回インフルエンサーマーケティングを実施しています。ただし、インドネシアでは実店舗も重視されているため、オフラインマーケティングと併用するのが望ましいでしょう。
詳しい内容については、以下の記事をご覧ください。
「インドネシアのKOL(インフルエンサー)マーケティングの現状と人気のKOLを紹介」
参照:statista「インフルエンサー広告 - インドネシア |市場予測」/「インドネシアのインフルエンサーマーケティング - 統計と事実」
東南アジアのKOLマーケティングの主なプラットフォーム
ここからは、東南アジアにおけるKOLマーケティングの主なプラットフォームを紹介していきます。
TikTok
YouTube
Instagram
Facebook
もちろん、実際にプラットフォームを選ぶ際は、起用するKOLとの相性や抱えるフォロワー数なども加味することが大切です。
Tiktok
TikTokは中国発のショート動画SNSです。世界150ヵ国以上で利用されており、その4割近くが東南アジアのユーザーが占めています。10代の若者を中心に爆発的に人気を集めており、親しみやすい内容が拡散されやすい傾向です。
インドネシアでとくに人気の高い越境ECプラットフォーム「Tokopedia」と提携できるため、KOLマーケティングにeコマースを連動できるメリットがあります。ただし、インドやネパールなどの国では禁止されていることに注意が必要です。
YouTube
YouTubeは、アメリカのGoogle社が提供する動画共有プラットフォームです。月間20億人以上のユーザーが利用しており、幅広い年齢層から支持されています。東南アジアのユーザーはメディア型のSNSや広告を好む傾向があるため、ターゲットにするなら候補に入れるべきでしょう。
Instagramは、Facebookを運用するアメリカのMeta社が提供しています。世界の月間利用者数は10億人であり、インフルエンサー・KOLマーケティングに適しているプラットフォームです。旅行・ファッション・化粧品・グルメなどに興味のある女性ユーザーや、若い世代から好まれています。
またSNSの特性上、製品やサービスに関する視覚的訴求力が高く、エンゲージメント率も高い傾向です。ECサイトへの流入もしやすく、KOLの投稿写真から誘導することもできます。
詳しい内容については、以下の記事もご覧ください。
「【2024年版】ベトナムのInstagramの利用者数&インフルエンサー広告の現状を解説」
Facebookは、月間利用人数が23億人という世界最大規模のSNSです。実名登録であることからプライバシー性能が充実しており、職業や勤務先の情報なども登録できます。インドでは約3億人、インドネシア・ブラジルでは1億人以上が登録しており、とくに人気です。
Facebookは、効果的なターゲティングがしやすいことや、ビジネスアカウントが作成できることから、マーケティングに活用しやすいメリットがあります。
東南アジアKOLマーケティングにおける勝ち筋
東南アジアKOLマーケティングにおける勝ち筋は以下の通りです。
ターゲットを明確にする
現地のマーケターとKOLの選定をする
ライブコマース・eコマースと併用する
KOLのイベント招致も検討する
プラットフォームのトレンドにも留意する
ターゲットを明確にする
KOLはその専門性から、ターゲットを絞り込みやすい特徴があります。KOLマーケティングにおける勝ち筋は、まず自社商品やサービスにおけるターゲット層を明確にすることです。以下のようなペルソナ設定をおこなうことで、ターゲットの具体化をおこないましょう。
性別
年齢
職業
趣味
ライフスタイル
居住地
興味関心
悩み など
上記が明確になれば、自社商品のカテゴリーとターゲット層にマッチしたKOLが選出しやすくなります。自社のターゲット層と同じファン層を持つKOLを選ぶことが大切です。
現地のマーケターとKOLの選定をする
KOLの選定は、ネット情報のみで判断するのではなく、現地のマーケターの意見も交えておこなうのが理想です。日本から見た情報のみのでは、コンテンツの内容に対するフォロワーの反応や、インフルエンサーの人間性までは把握できない可能性があります。
また、同じ東南アジアでも国によって言語はさまざまなので、1人のKOLで東南アジア全域にアプローチできるわけではありません。複数国にビジネスを展開する場合は、各国のKOLを設定する必要があるため、なおさら専門家の知見が必要になるでしょう。
ライブコマース・eコマースと併用する
東南アジアではライブコマースの人気が高いため、KOLマーケティングとあわせておこなうことで、より高い効果が期待できます。また、SNSのショッピング機能を活用することにより、KOLの投稿からそのままECサイトへ誘導することも可能です。KOLの投稿やライブ配信でリードを掴み、興味を持ったユーザーに商品閲覧・購入までSNS上で一貫できるメリットがあります。
KOLのイベント招致も検討する
東南アジアは実店舗やショッピングモール、イベントなど、オフラインマーケティングが有効な国も依然として多い傾向です。そのため現地の展示会などにインフルエンサーやKOLを招致し、話題を掴む方法も効果があります。来場者のSNSで拡散されれば、知名度拡大にもおおいに役立つでしょう。
プラットフォームのトレンドにも留意する
東南アジアのSNS人気は既存のSNSに留まらず、現地発祥のSNSが独自に成長しているケースもあります。そのため、既存の人気SNSだけでなく、新たなSNSにも着目することが大切です。たとえば、ベトナムでは「Zalo」と呼ばれるメッセンジャーアプリが人気で、総人口のうちの75%が活用しています。
東南アジアKOLマーケティングの注意点
東南アジアKOLマーケティングの注意点は以下の通りです。
炎上リスクや起用コストに注意
KOLとプラットフォームの選定に注意
炎上リスクや起用コストに注意
KOLやインフルエンサーは人気商売であるため、炎上リスクや起用コストに注意する必要があります。人気が下がると商品紹介を依頼した企業まで信用を落とすことになりかねないため、慎重に人選をおこないましょう。
また、人気の高いKOLは起用コストが高いため、予算と相談しながら選定することが大切です。先述したメガインフルエンサーなどは、1回のライブ配信につき数百万円のコストが発生するケースもあります。
KOLとプラットフォームの選定に注意
KOLマーケティングは、PRしたい商品やサービスに合った人物をキャスティングできるかどうかがカギを握ります。人選ミスに陥らないためにも、以下を意識することが大切です。
ターゲット国で人気の高いSNSを選ぶ
依頼するKOLの得意なプラットフォームを選ぶ
そのため、プラットフォームとKOLの選定は同時進行でおこなうのが基本になります。ターゲット国において人気の高いSNSを選ぶだけでは不十分です。なおかつKOL自身が得意とするプラットフォームである必要があります。
東南アジアのKOLに関するよくある質問
最後に、東南アジアのKOLに関するよくある質問を紹介していきます。
東南アジアの主な越境ECプラットフォームは?
ベトナムで人気の高いSNSを教えてください。
タイで人気の高いSNSを教えてください。
インドネシアで人気の高いSNSを教えてください。
東南アジアの主な越境ECプラットフォームは?
東南アジアの主な越境ECプラットフォームについては、以下の記事を参考にしてください。
「【2024年版】越境ECの国別ランキング9選!要注目の東南アジアのECも解説!」
「【東南アジア越境EC】各国のEC市場規模と現状|主要プラットフォームと勝ち筋をご紹介」
ベトナムで人気の高いSNSを教えてください。
ベトナムの人気SNSについては、以下を参考にしてください。
「【2024年最新】ベトナムSNSランキング|インターネット事情をマーケティングに活かすコツ」
タイで人気の高いSNSを教えてください。
タイの主なSNSやトレンド情報については、以下の記事をご覧ください。
「【2024最新版】タイの人気SNS事情|マーケティング活用事例から学ぶ進出のコツ 」
インドネシアで人気の高いSNSを教えてください。
インドネシアにおける人気SNSプラットフォームは、以下で紹介しています。
「【2024年最新】インドネシアの人気SNS事情!日本との比較とマーケテイングに活かすコツ 」
東南アジア向けのKOL戦略立案はTheDigitalXまでご相談ください
東南アジアは、近年急速に成長している市場であり、国内外からさまざまな企業が参入してきています。競合他社に負けないマーケティングを実現するには、現地ネイティブの視点やデジタルマーケティングに精通した専門家の視点が必要です。
弊社TheDigitalXでは、各地にネイティブなマーケターが在籍しているため、ターゲット国に最適化したKOLマーケティングの戦略立案&サポートが提供できます。キャスティングや具体的な戦略にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
海外進出において、自社の商材はどの施策を実行すれば良いかお悩みの場合、対象国での競合を調査すれば、実行に移すためのタスクが見えてくる可能性がございます。 2週間前後で調査可能ですので、競合調査をご希望であればお問い合わせください。 競合調査可能な対象国:アメリカ、オーストラリア、タイ、マレーシア、韓国、ベトナム、インドネシア、シンガポール、インド |
SNS Share!!