25/1/23
【2024年最新版】シンガポール越境ECの実態!市場動向や人気サイトランキングを大公開

シンガポールはアジアの国々の中でも有数の経済大国です。
そのため、多くの企業がシンガポール進出を計画しています。
しかし、異なる商習慣や規制によって、うまく行っている事業者は少ないのも事実。
そこで今回は、シンガポールに在住し、現地でマーケティングのプロとして活動 していた私(ジア)がシンガポールの越境ECの現状を徹底解説していきます。
その他、シンガポール進出前に知っておきたい基礎データやマーケティング調査データを知りたい方は、シンガポールのデジタルマーケティング完全ガイドにまとめていますので、合わせてご参考ください。
【動画で紹介】シンガポール越境EC戦略と人気ECサイト
以下の動画で、最新版のシンガポール越境EC戦略と人気ECサイトをご紹介しています。
シンガポールの越境EC市場の現状

JPモルガンの調査によると、シンガポール人の50%は、ローカル(シンガポール)の商品と海外の商品の見境を付けていないことが分かっています。
つまり、海外製の商品を買うことに抵抗がない人が多いのです。
ここでは、シンガポールにおける越境ECの実態について、様々な調査を基に解説していきます。
シンガポールのEC(通販)ユーザーの特徴
シンガポールのECユーザーは、都市部に住む若年層や中間所得層を中心に増加しています。
スマートフォンの普及率が高く、モバイルECの利用が活発です。
利便性と価格の良さを重視する傾向があり、海外サイトからの購入も多くみられます。
ソーシャルメディアの影響を強く受けており、SNSでの口コミ情報を参考にする人が多 数います。
また、決済方法の多様化や即日配送などのサービス向上を望む声も高まっています。
全体として、ITリテラシーが高く、新しいECサービスへの関心も強い層と言えるでしょう。
シンガポールの越境EC市場が成長した理由
シンガポールの越境EC市場の成長は、いくつかの要因によって支えられています。
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これらの要因により、シンガポールではEC市場が著しく成長しており、今後もこの傾向は続くと予想されます。
シンガポールの越境ECの売れ筋
シンガポールの越境ECで最も売上高が高いのは「ガジェット系」で、その額は6億5000ドルが年間で売り上げられています。
【シンガポールの越境EC売れ筋ランキング】
カテゴリー | 年間取引金額 | 人気商品 |
通信ガジェット系 | 6億5000ドル | ポケットWi-Fi |
スマホ・スマホケース | ||
ファッション系 | 6億4000ドル | ドレス |
カジュアルウェア | ||
コスメ系 | 4億4000ドル | 化粧品 |
DIY・おもちゃ系 | 3億5000ドル | ゲーム |
ボードゲーム |
これからシンガポールで越境ECを展開する際は、必ず市場の規模や今後の将来性を把握することが重要です。
シンガポールでの越境ECの注意点
シンガポールで越境ECをする際に、注意するべきポイントを以下の通り解説していきます。
データ制約に関する規制
規制取扱商品
その他越境ECにまつわる規制
国が違えば、ルールも異なります。
シンガポールならではの注意するべき規制についてみていきましょう。
データ制約に関する規制
シンガポールでECサイトを運営する際、個人情報の取り扱いについては「個人情報保護法(Personal Data Protection Act、PDPAと略される)」を遵守する必要があります。
この法律は、個人を特定できる情報の収集、使用、開示、処理などに関するルールを定めています。ECサイト運営においては、以下の点に特に注意が必要です。
個人情報の不適切な取り扱いには過料などの制裁措置がありますので、PDPAの規定を熟知し、コンプライアンスを徹底することが重要です。
シンガポールでEC事業を展開する上で、この法律の遵守は必須の要件と言えます。
規制取扱商品
シンガポールでECサイトを運営する際、取り扱う商品によっては様々な規制に従う必要があります。
主な関連法律は以下の通りです。
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規制対象となる具体的な品目はHSA、税関、国家環境庁など所管官庁のウェブサイトで確認できます。
ECサイト運営者は取扱商品を網羅的に確認し、必要な許可を得る必要があります。
違反すれば過料や没収処分の対象となるため、注意が重要です。
その他越境ECにまつわる規制
その他にも越境ECをシンガポールで行う上で守るべき以下のような法律も頭に入れておきましょう。
電子商取引法(Electronic Transactions Act)
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これらの法律はECサイト運営において遵守が求められ、違反した場合は制裁措置の対象となります。
特に消費者保護法は、表示内容や販売条件など幅広い範囲を規制しています。
シンガポールでの越境ECを行う際には、専門家に相談しながら行うことをおすすめします 。
シンガポールでの人気ECサイト3選

ここからはシンガポールで人気のECサイト5サイトを紹介していきます。
自社ECではなく、ECプラットフォームを活用する際には、参考にしてください。
Shoppee

Shopeeは、2015年にシンガポールで始まり、その後、東南アジア全域、東アジア、ラテンアメリカにサービスを拡大したeコマースプラットフォームです。
当初はC2Cマーケットプレイスとしてスタートしましたが、現在はB2Cのハイブリッドモデルへと移行しています。
Shopeeは低い手数料とアプリのゲーミフィケーションによって、特に東南アジア地域で多くの顧客を獲得し、Amazonなどの他のeコマースマーケットプレイスを上回っています。
Shopeeのユーザー層は広く、特に東南アジアで高い人気を誇ります。
インドネシア、ブラジル、ベトナム、タイ、フィリピンが主要なユーザーベースを形成しており、これらの国々で約60%のユーザーが存在します。
Shopeeはファッションアイテム、家庭用装飾品、電子製品、美容製品など、幅広いカテゴリーの商品を提供しています。
東南アジア市場に興味があるが、どこから始めていいかわからない企業にとって、Shopeeは入門として最適なプラットフォームです。
Lazada

Lazadaは2012年にシンガポールで設立されたeコマースプラットフォームで、東南アジア全域にサービスを提供しています。
シンガポールはLazadaにとって重要な市場の一つであり、eコマース市場のリーダーの一角を占めています。
シンガポールのeコマース市場は、インターネット普及率の向上やオンライン支払いの増加に伴い、成長を続けており、Lazadaはその中でも特に顧客中心のサービスを提供することでオンラインショッピング体験を高め、競争をリードしています。
Lazadaで取り扱われている商品の種類は多岐にわたりますが、特に服飾品や電子製品、美容製品などの消費財が中心です。
日本企業がシンガポールのLazadaに出店する場合、高品質でユニークな商品を提供することが重要です。
シンガポール市場では品質に対する期待が高く、特に美容製品、健康食品、ハイテクガジェットなど、新しいトレンドやイノベーションを求める消費者が多いため、これらのカテゴリーで日本企業の独自性や高品質が受け入れられる可能性があります。
また、LazadaはLazMallというプレミアムなマーケットプレイスを提供しており、選ばれたブランドや正規品ディストリビューターが商品を販売できるプラットフォームであるため、ブランド力を強化したい企業にとっても魅力的な選択肢となります。
Amazon

Amazon Singaporeは、1994年に設立されたAmazon.com, Inc.の一部で、シンガポールで幅広い商品を提供する主要なeコマースプラットフォームです。
高いインターネット普及率と発展したオンライン支払いシステムのもと、シンガポールのeコマース市場は成長しており、Amazonはその中で顧客中心のサービスを提供し、LazadaやShopeeなどの競合と区別しています。
商品の多様性と強力な物流ネットワークを背景に、Amazonは地域社会に貢献し、顧客の信頼を獲得し続けています。
Qoo10

Qoo10は、シンガポールを拠点にしたeコマースプラットフォームで、2010年に設立されました。
元々はGmarketとして韓国で2000年にスタートし、その後シンガポールを含むアジア太平洋地域での展開を進め、2012年にQoo10へとブランド名を変更しました。
Qoo10は、特に中小企業向けにサービスを展開しています。
シンガポールにおけるQoo10の利用者数に関しては、2022年第1四半期に約289万の月間訪問者数を記録しています。