2025年1月7日
【2024年最新版】シンガポール越境ECの実態!市場動向や人気サイトランキングを大公開

シンガポールはアジアの国々の中でも有数の経済大国です。
そのため、多くの企業がシンガポール進出を計画しています。
しかし、異なる商習慣や規制によって、うまく行っている事業者は少ないのも事実。
そこで今回は、シンガポールに在住し、現地でマーケティングのプロとして活動していた私(ジア)がシンガポールの越境ECの現状を徹底解説していきます。
その他、シンガポール進出前に知っておきたい基礎データやマーケティング調査データを知りたい方は、シンガポールのデジタルマーケティング完全ガイドにまとめていますので、合わせてご参考ください。
シンガポールの越境EC市場の現状

JPモルガンの調査によると、シンガポール人の50%は、ローカル(シンガポール)の商品と海外の商品の見境を付けていないことが分かっています。
つまり、海外製の商品を買うことに抵抗がない人が多いのです。
ここでは、シンガポールにおける越境ECの実態について、様々な調査を基に解説していきます。
シンガポールのEC(通販)ユーザーの特徴
シンガポールのECユーザーは、都市部に住む若年層や中間所得層を中心に増加しています。
スマートフォンの普及率が高く、モバイルECの利用が活発です。
利便性と価格の良さを重視する傾向があり、海外サイトからの購入も多くみられます。
ソーシャルメディアの影響を強く受けており、SNSでの口コミ情報を参考にする人が多数います。
また、決済方法の多様化や即日配送などのサービス向上を望む声も高まっています。
全体として、ITリテラシーが高く、新しいECサービスへの関心も強い層と言えるでしょう。
シンガポールの越境EC市場が成長した理由
シンガポールの越境EC市場の成長は、いくつかの要因によって支えられています。
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これらの要因により、シンガポールではEC市場が著しく成長しており、今後もこの傾向は続くと予想されます。
シンガポールの越境ECの売れ筋
シンガポールの越境ECで最も売上高が高いのは「ガジェット系」で、その額は6億5000ドルが年間で売り上げられています。
【シンガポールの越境EC売れ筋ランキング】
カテゴリー | 年間取引金額 | 人気商品 |
通信ガジェット系 | 6億5000ドル | ポケットWi-Fi |
スマホ・スマホケース | ||
ファッション系 | 6億4000ドル | ドレス |
カジュアルウェア | ||
コスメ系 | 4億4000ドル | 化粧品 |
DIY・おもちゃ系 | 3億5000ドル | ゲーム |
ボードゲーム |
これからシンガポールで越境ECを展開する際は、必ず市場の規模や今後の将来性を把握することが重要です。
シンガポールでの越境ECの注意点
シンガポールで越境ECをする際に、注意するべきポ イントを以下の通り解説していきます。
・データ制約に関する規制
・規制取扱商品
・その他越境ECにまつわる規制
国が違えば、ルールも異なります。
シンガポールならではの注意するべき規制についてみていきましょう。
データ制約に関する規制
シンガポールでECサイトを運営する際、個人情報の取り扱いについては「個人情報保護法(Personal Data Protection Act、PDPAと略される)」を遵守する必要があります。
この法律は、個人を特定できる情報の収集、使用、開示、処理などに関するルールを定めています。ECサイト運営においては、以下の点に特に注意が必要です。
個人情報の不適切な取り扱いには過料などの制裁措置がありますので、PDPAの規定を熟知し、コンプライアンスを徹底することが重要です。
シンガポールでEC事業を展開する上で、この法律の遵守は必須の要件と言えます。
規制取扱商品
シンガポールでECサイトを運営す る際、取り扱う商品によっては様々な規制に従う必要があります。
主な関連法律は以下の通りです。
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規制対象となる具体的な品目はHSA、税関、国家環境庁など所管官庁のウェブサイトで確認できます。
ECサイト運営者は取扱商品を網羅的に確認し、必要な許可を得る必要があります。
違反すれば過料や没収処分の対象となるため、注意が重要です。
その他越境ECにまつわる規制
その他にも越境ECをシンガポールで行う上で 守るべき以下のような法律も頭に入れておきましょう。
電子商取引法(Electronic Transactions Act)
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これらの法律はECサイト運営において遵守が求められ、違反した場合は制裁措置の対象となります。
特に消費者保護法は、表示内容や販売条件など幅広い範囲を規制しています。
シンガポールでの越境ECを行う際には、専門家に相談しながら行うことをおすすめします。
シンガポールでの人気ECサイト3選

ここからはシンガポールで人気のECサイト5サイトを紹介していきます。
自社ECではなく、ECプラットフォームを活用する際には、参考にしてください。
Shoppee
Shopeeは、2015年にシンガポールで始まり、その後、東南アジア全域、東アジア、ラテンアメリカにサービスを拡大したeコマースプラットフォームです。
当初はC2Cマーケットプレイスとしてスタートしましたが、現在はB2Cのハイブリッドモデルへと移行しています。
Shopeeは低い手数料とアプリのゲーミフィケーションによって、特に東南アジア地域で多くの顧客を獲得し、Amazonなどの他のeコマースマーケットプレイスを上回っています。
Shopeeのユーザー層は広く、特に東南アジアで高い人気を誇ります。
インドネシア、ブラジル、ベトナム、タイ、フィリピンが主要なユーザーベースを形成しており、これらの国々で約60%のユーザーが存在します。
Shopeeはファッションアイテム、家庭用装飾品、電子製品、美容製品など、幅広いカテゴリーの商品を提供しています。
東南アジア市場に興味があるが、どこから始めていいかわからない企業にとって、Shopeeは入門として最適なプラットフォームです。
Lazada

Lazadaは2012年にシンガポールで設立されたeコマースプラットフォームで、東南アジア全域にサービスを提供しています。
シンガポールはLazadaにとって重要な市場の一つであり、eコマース市場のリーダーの一角を占めています。
シンガポールのeコマース市場は、インターネット普及率の向上やオンライン支払いの増加に伴い、成長を続けており、Lazadaはその中でも特に顧客中心のサービスを提供することでオンラインショッピング体験を高め、競争をリードしています。
Lazadaで取り扱われている商品の種類は多岐にわたりますが、特に服飾品や電子製品、美容製品などの消費財が中心です。
日本企業がシンガポールのLazadaに出店する場合、高品質でユニークな商品を提供することが重要です。
シンガポール市場では品質に対する期待が高く、特に美容製品、健康食品、ハイテクガジェットなど、新しいトレンドやイノベーションを求める消費者が多いため、これらのカテゴリーで日本企業の独自性や高品質が受け入れられる可能性があります。
また、LazadaはLazMallというプレミアムなマーケットプレイスを提供しており、選ばれたブランドや正規品ディストリビューターが商品を販売できるプラットフォームであるため、ブランド力を強化したい企業にとっても魅力的な選択肢となります。
Amazon

Amazon Singaporeは、1994年に設立されたAmazon.com, Inc.の一部で、シンガポールで幅広い商品を提供する主要なeコマースプラットフォームです。
高いインターネット普及率と発展したオンライン支払いシステムのもと、シンガポールのeコマース市場は成長しており、Amazonはその中で顧客中心のサービスを提供し、LazadaやShopeeなどの競合と区別しています。
商品の多様性と強力な物流ネットワークを背景に、Amazonは地域社会に貢献し、顧客の信頼を獲得し続けています。
Qoo10

Qoo10は、シンガポールを拠点にしたeコマースプラットフォームで、2010年に設立されました。
元々はGmarketとして韓国で2000年にスタートし、その後シンガポールを含むアジア太平洋地域での展開を進め、2012年にQoo10へとブランド名を変更しました。
Qoo10は、特に中小企業向けにサービスを展開しています。
シンガポールにおけるQoo10の利用者数に関しては、2022年第1四半期に約289万の月間訪問者数を記録しています。
これは、シンガポールのeコマース市場において第4位の実績です。(参照)
Qoo10で特に人気のある商品カテゴリーには、ファッションアパレル、家電、ホーム&リビングなど、その多様性が特徴の一つです。
Castley

Castleryはシンガポール発の家具ブランドで、2013年に設立されました。
モダンでスタイリッシュなデザインの家具をリーズナブルな価格で提供し、特にミレニアル世代のホームオーナーをターゲットにしています。
シンガポールを始点に、オーストラリア(2017年)やアメリカ(2019年)にも進出しており、生活家具ECサイトのトップランナーです。
シンガポールにおける具体的な利用者数は公開されていませんが、総合的な市場シェアは32.6%を占めているとされ、eコマースプラットフォームの中でトップの月間ウェブサイト訪問者数を誇っています。
利用者は若い家庭が中心で、品質の高いデザイン家具を求める25歳から35歳の層に人気です。
Castleryで取り扱う商品は、コーヒーテーブル、ダイニングセット、ソファなど、幅広い家具です。シンガポールの多くの家庭で利用されています。
日本企業がCastleryに出店する場合、モダンで質の高い製品を好む若い世代や、スタイリッシュなデザインを求める顧客層をターゲットにすることが推奨されます。
また、オンラインでの販売に強みを持つこと、製品開発に力を入れる姿勢も重要です。
Castleryのように、製品に対する深いこだわりと、デジタルでの展開戦略を踏襲することが、シンガポール市場での成功に繋がるでしょう。
シンガポールのデジタル決済事情
自社ECサイトをシンガポールで展開する場合、考えなければいけないのが、決済方法です。
クレジットカードは当然のこと、現地で使われている決済サービスを知らなければ決済画面でユーザーが離脱してしまうこともあります。
ここでは、シンガポールにおける人気デジタル決済サービスを3つ紹介します。
シンガポールのデジタル決済1.GrabPay

GrabPayはシンガポールにおいて非常に人気のあるデジタル決済プラットフォームです。
もともとはシンガポールで始まったライドシェアリングサービスから派生したこの決済サービスは、乗車料金の支払いだけでなく、店舗での購入やGrabFoodデリバリーサービスでの決済にも使用されています。
ユーザーはアプリ内でクレジットカード情報を保存するか、プリペイドアカウントとして資金をアプリに追加することができます。
また、GrabPay加盟店での利用によりGrabRewardsが貯まり、ライドや食事、その他の支払いに割引を適用できるなど、利用が進むほどに報酬も豊富になります。
シンガポールにおけるGrabPayの人気は、その使い勝手の良さと幅広い適用範囲にあります。
GrabPay Walletを使用することで、店舗でのQRコード決済、オンラインショッピング、友人や家族間での資金の送受金、さらには国際的なマスターカード加盟店での支払いまで、様々なシーンで活用できます。
この柔軟性と便利さが、シンガポールでGrabPayをメジャーな決済手段の一つにしています。
シンガポールのデジタル決済2.PayNow

PayNowは、シンガポールで開発された即時リアルタイムの決済システムで、シンガポール銀行協会(ABS)によって開発されました。
シンガポールの主要な銀行すべてがサポートし、シンガポール金融管理局(MAS)によって規制されています。
ユーザーはモバイル番号、NRIC、企業のユニークエンティティ番号(UEN)、またはバーチャルペイメントアドレス(VPA)を使用して、銀行間、または個人間でシンガポールドルの資金を即座に送受金できます。
QRコードをスキャンすることも可能です。
PayNowは個人ユーザーだけでなく、ビジネスにも対応しています。即時決済の利便性、銀行口座情報の提供を省略できる手軽さ、主要銀行の幅広い受け入れ、そして高いセキュリティ基準により、多くのシンガポール人にとって不可欠な決済手段となっています。
他の決済サービスと比較して、操作が簡単であることや銀行口座情報を共有することなく安全に取引できる点から人気となっています。
シンガポールのデジタル決済3.PayLah!

DBS PayLah!は、シンガポールで広く利用されているモバイルウォレットアプリで、DBS Bankによって提供されています。
2021年の時点で、約220万人のユーザーがおり、シンガポールで最も広く使用されているモバイルウォレットの一つとされています。
DBS PayLah!は、DBS/POSBの口座を持つユーザーに最適化されていますが、DBS/POSB以外の口座を持つユーザーには利用が限定される場合がある点に注意が必要です。
他の決済サービスとの主な違いは、DBS PayLah!がDBS Bankによって運営されている点にあります。
これにより、DBSの銀行サービスと密接に統合され、DBS/POSBの口座を持つユーザーには特に便利な機能が提供されています。
しかし、これが逆にDBS/POSB以外の銀行の口座を持つユーザーには利用しにくい点には注意しましょう。
シンガポールの越境ECに欠かせない物流インフラ
結論、シンガポールの物流は非常に整備されています。
シンガポールはアジアのグローバルロジスティクスハブとしての地位を確立しており、世界銀行の物流パフォーマンス指標(LPI)ランキングで常にトップクラスに位置しています。
航空、陸路、海路といった全ての物流チャネルが発展しており、特にチャンギ空港やシンガポール港はアジアを代表する物流拠点として機能しています。
しかし、新型コロナウイルス流行によるサプライチェーンの混乱は、シンガポールにおいても倉庫の稼働率の高止まりや賃貸料金の上昇を引き起こし、物流業界に一定の影響を与えました。
これにより、倉庫や物流施設の確保が以前よりも難しくなっている可能性があります。
日本企業がシンガポールでECサイトを運営する際の注意点として、まず物流インフラの整備状況と利便性の高さを活かし、効率的な物流システムを構築することが重要です。
ただし、コロナ禍による倉庫の稼働率の高止まりや賃貸料金の上昇に留意し、コスト管理にも注意を払う必要があります。
また、シンガポール政府は物流産業のさらなる発展を目指しており、新技術や自動化への投資、人材育成にも力を入れていますので、これらの動向も積極的に活用すると良いでしょう。
他国と比較して、シンガポールは物流インフラが整っていることから、物流面での障壁は比較的少ないと言えます。
しかし、物流コストの上昇やサプライチェーンの柔軟性を確保することが、今後の大きな課題となりそうです。
よくある質問
以下のよくある質問について解説します。
SNSで越境ECサイトへ流入を増やしたいのですが、人気のSNSはありますか?
シンガポールでSEO対策したいのですが、どの検索エンジンの利用率が高いでしょうか?
SNSで越境ECサイトへ流入を増やしたいのですが、人気のSNSはありますか?
シンガポールでは、WhatsAppやFacebook、Instagram、TikTok、Telegram、Linkedinが人気です。以下で詳細を紹介してますので、ご参考ください。
【2024年最新版】シンガポールの人気SNS事情を徹底解説!デジタルマーケティングをハックしよう
シンガポールでSEO対策したいのですが、どの検索エンジンの利用率が高いでしょうか?
2024年2月時点で、Googleの検索エンジンが94.15%利用されています。
以下の記事で、デバイスごとの検索エンジンシェア率も紹介してますので、ご参考ください。
【2024年2月】シンガポールの検索エンジンランキングTOP5 | Google?bing?Yahoo?
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シンガポールは、アジアの国々の中でも経済的に豊かな国です。
その分、多くの企業がシンガポール進出を計画しています。
しかし、その多くが日本と異なる商習慣や規制・ルールのために苦戦しているのも事実。
いくら日本国内で成功したビジネスモデル・マーケティング手法だとしても、海外に出れば、全く通用しないなんてことはよくあります。
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