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2024年6月25日

インバウンド向けの広告とは?訪日外国人へ効率的にアプローチするコツ

近年、円安などの影響から日本のインバウンド需要は急激に増加してきています。ここ数年で「自社でもインバウンド対策を取り入れよう」と動いている企業も多いのではないでしょうか。


インバウンド広告のターゲット層は?

効果的な人気広告の種類は?

国内向けのマーケティングとどう違うのか


この記事では、上記のような疑問を持つ企業や担当者に向けて、インバウンド広告の基礎知識について詳しく解説していきます。限られたコストで的確なターゲティング・効率的な手法をチョイスするためには、インバウンド広告の仕組みなどをしっかり把握しておくことが大切です。




【役割と目的】インバウンド広告とは?

「インバウンド広告」とは、日本を訪れる外国人旅行者(訪日外国人)をターゲットにした広告のことです。インバウンド広告の目的は、充実した日本旅行という「体験」を提供し、ターゲットの満足度を高めることにあります。


  • 観光地や来訪地特有の魅力を認知させてインバウンドを促す

  • 滞在中の的確な情報提供で観光体験を充実させる

  • 日本のサービスや商品の購入につなげる


まずは、インバウンド広告の仕組みとターゲット層について詳しくみていきましょう。


インバウンド広告の仕組み

インバウンド広告は、主にモバイルデバイスにおけるユーザー許諾済み位置情報を活用して配信する仕組みです。海外に居住地を持つ端末の位置情報が、日本国内へ移動したタイミングで広告を配信しています。これにより、特定の観光地や店舗、サービスなどに誘導できるメリットがあるのです。


広告や分析に活用される位置情報は、広告ID・時間・経緯度などです。位置情報はGPSだけでなく、モバイルネットワーク接続や現地のWi-Fiなどからも取得することができます。


インバウンド広告の3つのターゲット

インバウンド広告に限らず、広告を出稿する際は明確なターゲティングをおこない、それに合わせた訴求をおこなうことが大切です。インバウンド広告を配信するターゲットは、主に以下の3パターンに分けられます。

見込み顧客

来訪の予定がある外国人

新規顧客

初めて日本に来訪する外国人

リピーター

再度来訪する外国人

上記のターゲット層は大分類なので、ターゲティングの際はペルソナをより明確にすることが求められるでしょう。もっとも重要なのは、ターゲットとなる訪日外国人の国籍にマッチした内容を配信することです。


インバウンド広告の特徴とメリット

企業がインバウンド広告を活用するメリットは以下の通りです。


  • 市場拡大につなげられる

  • グローバル企業であることのアピールになる


インバウンド広告で訪日外国人にアプローチできれば、商品やサービスのターゲットを拡大できます。それだけでなく、グローバル企業であることの認知にもつながるため、事業展開における人材確保や顧客・株主へのイメージアップも期待できるでしょう。


また、インバウンド広告でできる具体的な内容は以下の通りです。


  1. 国籍別に配信対象を選択できる

  2. 国内における配信エリアを選択できる

  3. 行動段階に沿ったアプローチができる


ここからは、インバウンド広告の持つ3つの特徴について詳しくみていきましょう。


国籍別に配信対象を選択できる

前述したように、インバウンド広告はモバイルデバイスにおけるユーザーの位置データを参照する特徴を持っています。そのため、デバイスIDごとの「ホームロケーション」が判定でき、広告の配信対象を国籍別に選択できるのです。


さらに、このホームロケーションを活かせば、国内在住の「インバウンド対象外の外国人」を除いた、効率的なアプローチも実現します。海外拠点の端末が入国したケースにのみ適用されるため、国内在住の外国人をターゲットから除外することも可能です。


国内における配信エリアを選択できる

訪日中の行動範囲にマッチした内容の広告配信ができるのも、インバウンド広告の強みです。訪日外国人の位置情報から、滞在地域や店舗・施設などを判別し、より関連性の高い広告のみを発信できます。


具体的には、観光地誘致を目的にしたイベント情報や観光プランのサジェスト、店舗やサービスの割引クーポンなどが効果的です。インバウンド広告をうまく活用すれば、一企業の販路拡大だけでなく、地域活性化につなげることもできるでしょう。


さらに、広告配信後の効果測定も可能です。広告を見たユーザーが現地に訪れたかどうかは、位置情報を参照すれば測定できるため、PDCAサイクルを回しやすい特徴もあります。


行動段階に沿ったアプローチができる

インバウンド広告は、訪日中に限ったものだけではありません。訪日前・訪日中・訪日後の各段階における戦略的なアプローチが重要になります。以下は2023年度における訪日外国人の、各フェーズで役に立った旅行情報です。


訪日外国人の役に立った旅行情報
引用:観光庁「訪日外国人の消費動向 2023年年次報告書」

参照:観光庁「訪日外国人の消費動向 2023年年次報告書


訪日を検討しているユーザーに対しては、日本の観光地や文化などに興味を持ってもらい、来日意欲を高めるような訴求内容が必要です。また、訪日中は周辺のローカル情報に加え、現地への交通手段や日本独自の交通ルールなども需要があります。


一方、訪日履歴のあるユーザーに対しては、主に越境ECに関するアプローチや、再訪問を促すような観光地情報などが効果的でしょう。旅行中のサービスや体験を思い出し、購買やリピート訪問につなげられるような訴求が重要になります。


【Webマーケティング】インバウンド広告の種類

最後に、インバウンド広告の種類と特徴について詳しくみていきましょう。この記事では、Webマーケティングの観点から以下の5種類について紹介していきます。


  1. リスティング広告

  2. SNS広告

  3. インフルエンサーマーケティング

  4. 動画広告

  5. ディスプレイネットワーク広告


それぞれ「訪日前・訪日中・訪日後のどのフェーズに効果的なのか」もあわせて解説しますので、実際に広告を打つ際はぜひ参考にしてみてください。


1.リスティング広告

「リスティング広告」は、検索エンジンにおける「キーワード検索」に連動して表示される広告のことで、「検索連動型広告」とも呼ばれています。


リスティング広告は、主に見込み顧客の獲得に効果的な施策です。検索キーワードにマッチした広告を表示できるため、ユーザーの興味関心に沿ったマーケティングが可能になります。ただし、ただやみくもにさまざまな検索サイトへ広告を打つのでは意味がありません。


大切なのは、ターゲット国において活発に使われている人気検索エンジンを把握することです。世界的に有名なのはGoogleですが、国やデバイスによってはローカルな検索エンジンが活発に使われているケースもあります。


また、ネイティブチェックも重要です。違和感のあるコピーはせっかくの見込み顧客を逃してしまう原因になるため、しっかりコストをかける必要があります。


検索エンジンに関する内容については、以下の記事も参考にしてみてください。

韓国検索エンジントップシェア4選!NAVERの活用法やGoogleとの違いをご紹介


2.SNS広告

ソーシャルメディアを活用したインバウンド広告は、主に訪日前の見込み顧客に需要があります。ガイドブックには載っていない、日本の実際の風景やアクティビティ、料理や文化などが手軽に調べられるためです。


観光庁の訪日外国人の消費動向 2023年年次報告書」では、訪日前に役立った情報源として、全体の32.5%をSNSが占めていました。また、SNS広告には、訪日経験のあるユーザー層をファン化し、リピーターへと育てていく役割も見込めるでしょう。


SNSを使った広告運用は、ほかの出稿方法に比べてコストがかからないメリットがあります。また、アカウント情報から、年齢・性別・居住地などの詳細なペルソナ設定ができることも魅力です。


ただし、どのSNSのプラットフォームが活発なのかは、ターゲット国ごとに異なります。世界的に活用率の高いSNSとしては、Facebook・YouTube・Instagram・TikTokなどが挙げられますが、各国で利用率が異なる点に留意する必要があるでしょう。


3.インフルエンサーマーケティング

インターネット先進国では、企業によるプロモーションにマイナスイメージを持つユーザーも少なくありません。また、企業や有名人ではなく、より身近な一個人が発信する情報の方が信頼できる、あるいは親近感が湧き安心しやすいという傾向もあります。


実際に、先述した観光庁の資料によると、訪日前に役立った情報源として「個人ブログ」が27.4%を占めていました。そのため、インフルエンサーを起用したプロモーションも効果的です。


インフルエンサーマーケティングのメリットとしては、訪日関心が高い見込み顧客への認知拡大が挙げられるでしょう。性別のフォロワー数や普段の投稿内容を分析し、自社が訴求したい内容にマッチしたインフルエンサーを起用することが成功へのカギとなります。


ベトナムにおけるインフルエンサーマーケティングについては、以下の記事も参考にしてください。

【2024年版】ベトナムのInstagramの利用者数&インフルエンサー広告の現状を解説


4.動画広告

動画広告を使ったマーケティングも、見込み顧客である来日前のユーザー層へ効果があります。とくに、観光施設やアクティビティなどの紹介への需要が高いです。


動画広告は視覚的なアプローチが叶うため、言語を完全に理解できなくても魅力が伝わりますさらにSNSとの相性もよく、拡散されやすい傾向があることもメリットの1つです。先述した観光庁の資料では、訪日前の情報源として動画サイトが35.2%を占めています。


ただし、効果的に運用するためには、ターゲットとなる旅行者のペルソナを明確にし、ターゲットに沿った訴求が必要です。プラットフォームとして優秀なのはYouTubeやSNSですが、ターゲット層や訴求したい内容に合った場所を選定することが大切になるでしょう。


5.ディスプレイネットワーク広告

ディスプレイネットワーク広告とは、GoogleやYahoo!などの広告配信システムを活用した「ディスプレイ広告」のことです。Webサイトの広告枠に表示されるテキストや、画像・動画などのメディアを指します。


ディスプレイネットワーク広告は、訪日前のユーザー層の中でも、商品やサービスを認知していない潜在層へアプローチできるのが特徴です。ただし、顕在層をターゲットにしたリスティング広告と比べると、CV率は低くなる傾向があります。


効果的なインバウンド広告の運用はTheDigitalXまでご相談ください

インバウンド広告のデメリットは、外交や経済状況などの外部的な影響を大きく受けてしまうことにあります。また、国内よりもターゲティングの難易度が高いことから、「広告の無駄打ち」が発生しやすいのも課題点です。


これらのデメリットを払拭するためには、専門家のサポートが重要になるでしょう。The Digital Xでは、各国にマーケターが所在しており、ネイティブなインバウンドマーケティングが提供できます。


デジタルマーケティングのプロフェッショナルである弊社へ、ぜひ一度ご相談ください。

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