2024年12月26日
【2024年最新】シンガポール向けデジタルマーケティング戦略の現状とトレンド

シンガポールは国民のほとんどがIT環境に精通しており、先進国に引けを取らない安定した経済市場を持っています。シンガポールに拠点を構えている先行企業も多く、事業の拡大先として検討している方も多いのではないでしょうか。
この記事では、デジタルマーケティングのプロフェッショナルの観点から、弊社TheDigitalXがシンガポール向けのデジタルマーケティング戦略について詳しく解説していきます。
「シンガポールのデジタル市場の現状は?」
「シンガポールにおいて効果的なデジタルマーケティングって?」
「どんなことに注意してマーケティング戦略を練るべき?」
上記のような不安や疑問を解消し、シンガポール向け戦略の勝ち筋や注意点を紹介します。さらに、実際に現地で経験した弊社社員の声もあわせて解説しますので、シンガポール向けのデジタルマーケティング戦略にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
シンガポールのデジタル市場における現状とトレンド
まずは、シンガ ポールの基礎情報について簡単にみていきましょう。
面積 | 約720㎢ |
---|---|
人口 | 約564万人 |
言語 | 国語:マレー語 公用語:英語・中国語・マレー語・タミール語 |
宗教 | 仏教・キリスト教・イスラム教・道教・ヒンズー教 |
主要産業 | 製造業(エレクトロニクス・科学関連・バイオメディカル・輸送機械・精密器機など) ビジネスサービス 運輸・通信業 金融サービス業 |
参照:外務省「シンガポール共和国基礎データ」
シンガポールは、小規模で開放的な経済を営んでいる都市国家です。東京23区よりもやや大きいくらいの国土面積を持っており、さまざまな民族が暮らしている多文化・多民族国家でもあります。多様な産業が発展していることや、国際的な競争力も持っていること、国民の所得水準が高い国であるのがシンガポールの特徴です。
シンガポールの経済市場

参照:statista「シンガポール:1989年から2029年までの国内総生産(GDP)を現在の価格で推移」

参照:statista「2022年に購買力平価で一人当たりの国内総生産(GDP)が最大の25カ国のランキング」
シンガポールのGDPは、2024年時点で約5,307億米ドルです。GDPは2004年以降右肩上がりで推移し続けており、2020年にコロナの影響で初めて減少したものの、翌年には回復を見せています。1人当たりのGDPは12万7,563ドルで、2022年時点では世界3位にランクインしました。
シンガポールは収入が高く、他の東南アジア諸国よりも生活水準が高いことから、趣味にお金を使う傾向があります。また、政府系の企業が経済を支えていることも、市場が安定して推移している理由の1つです。
シンガポールのデジタル市場

参照:DETAREPORTAL「デジタル2024:シンガポール」

参照:DETAREPORTAL「デジタル2024:日本」
以下は、上記DETAREPORTALのデータを参照し、シンガポールと日本のデジタル市場を比較したものです。
シンガポール | 日本 | |
---|---|---|
インターネット普及率 | 96.0% | 84.9% |
SNS普及率 | 85.0% | 78.1% |
スマホ普及率 | 162.2% | 153.6% |
インターネット利用時間 | 6時間49分 | 3時間56分 |
SNS利用時間 | 2時間14分 | 53分 |
日本の方が人口が多く、インターネット利用人数・SNS利用人数共に多いですが、普及率はシンガポールの方が圧倒的に高くなっています。インターネットの利用時間は日本の倍、SNSの利用時間は2倍以上です。このことからも、国民全体がインターネットに精通していることがわかります。
またシンガポールでは、eコマース市場も盛んです。EC市場規模は2024年時点で50億4,000万米ドルに達しており、年間成長率は10.78%で推移すると予測されています。
参照:statista「eコマース - シンガポール」
シン ガポールのSNS市場とトレンド
SNS | ユーザー数 | 広告リーチ数 | |
---|---|---|---|
1位 | You Tube(ユーチューブ) | 513万人 | 85.0% |
2位 | LinkedIn(リンクトイン) | 420万人 | 69.6% |
3位 | Facebook(フェイスブック) | 370万人 | 61.3% |
4位 | TikTok(ティックトック) | 338万人 | 58.3% |
5位 | Instagram(インスタグラム) | 315万人 | 52.2% |
参照:DETAREPORTAL「デジタル2024:シンガポール」
シンガポールの人々は、インターネット利用時間のうちの3分の1を動画視聴に費やしています。上記のランキングからもわかるように、動画広告もリーチ数が高い傾向です。
また、上記には含まれていませんが、メッセンジャーアプリの「WhatsApp」もシェア率が高く、430万人が利用しています。人気プラットフォームにメッセージアプリが多いことも、モバイル普及率が高いことが影響しているでしょう。
詳しい内容については、以下の記事を参考にしてください。
「【2024年最新版】シンガポールの人気SNS事情を徹底解説!デジタルマーケティングをハックしよう」
シンガポールで主流のデジタルマーケティング
シンガポール向けのデジタルマーケティングで効果的なのは、以下の4つです。
検索エンジン・SEOマーケティング

参照:DETAREPORTAL「デジタル2024:シンガポール」
シンガポールで最もアクセス数の多いサイトはGoogleです。そのため、Googleの検索エンジンをプラットフォームにしたマーケティング戦略が有効だといえます。検索エンジン最適化(SEO)や、検索エンジンマーケティング(SEM)で、コンテンツや自社サイトの上位表示を目指すことが大切です。
シンガポールにおけるリスティング広告の勝ち筋については、以下の記事を参考にしてください。
「【2024年最新版】シンガポールのリスティング広告の状況|市場攻略のコツとは?」
SNS・インフルエンサーマーケティング
シンガポールにおけるデジタルマーケティングでは、モバイル端末を意識したSNS広告が主流です。SNSを活用したプロモーションやマーケティングをおこなう際は、現地におけるターゲット層の利用率が高いプラットフォームを選ぶことが重要になります。インターネット・SNSと密接な関係にある18~24歳の年代に訴求する場合は、インフルエンサーマーケティングも効果的でしょう。
実際の現地の声(弊社社員より)
シンガポールは国土が720kmほどと小さく、交通インフラが整備されているため、口コミが広まりやすい特徴があります。また、現地の人はコミュニケーションを好意的に取る習慣があり、親しい人のおすすめを素直に受け入れる傾向です。そのため、SNSやインフルエンサーマーケティングは効果的だといえます。 |
動画マーケティング
先述した通り、シンガポール人は動画コンテンツを好む傾向があるため、動画を活用した視覚的なデジタルマーケティングも有効です。動画コンテンツは、主に商品やサービス購入前の情報収集源として活用されており、とくに製品レビュー動画などが見られています。
シンガポールでは、日本国内で好まれる商品やサービスの価値を高める内容ではなく、わかりやすくテンポのいいものが好まれる傾向です。また、現地の動画広告は商品説明がメインの淡々とした内容が多く、ストーリー性があるものが少ない特徴があります。そのため、クリエイティブな内容や興味関心を引く内容だと、より注目されやすいでしょう。
ゲーム内のディスプレイ広告
実は、シンガポールはゲーム市場も盛んです。2024年時点における市場の収益は7億6,410万米ドルで、年間成長率は7.03%と高い数値で推移しています。今やゲーム業界は政府が支援するほどまでに成長しており、ユーザー数は2029年までに210万人に達する見通しです。近年では、消費者の好みはモバイルゲームに移行しつつあるため、モバイルゲームへの広告出稿も有効でしょう。
参照:statista「ゲーム - シンガポール」
シンガポールにおけるデジタルマーケティングの注意点
シンガポールにおけるデジタルマーケティングの注意点は以下の2点です。