東南アジアの各国で利用者数No.1のSNSを以下にまとめました。
SNS | 利用者数 | |
タイ | 4,910万人 | |
マレーシア | TikTok | 2,868万人 |
シンガポール | You Tube | 513万人 |
インドネシア | You Tube | 1億3,900万人 |
ベトナム | 7,270万人 |
本記事では、デジタルマーケティングのプロフェッショナルの観点から、東南アジア各国のSNSの特徴について解説します。
また、広告リーチも併せて紹介しますので、対象国でSNS広告を行う際の参考にご活用ください。
【日本との比較】東南アジア各国のSNS事情と利用者数
以下によると、東南アジアは4億人以上のインターネットユーザーを抱える活発な市場です。
東南アジア諸国におけるインターネット普及率を見てみると、ラオス・ミャンマー・東ティモールを除くすべての国で70%以上に達しています。
参照:DATAREPORTAL「デジタル2024:グローバル・オーバービュー・レポート」
statistaのデータによると、2024年のインターネット経済規模は約2,630億米ドルとのことです。東南アジアのデジタル経済は急速に拡大しており、2025年までにはさらに12%成長する見通しです。

続いて、以下によると、東南アジアでは60.3%がSNSを利用しており、発展途上国の中では利用率が高いと言えるでしょう。
国 | インターネット人口 | SNS利用人口 | SNS利用時間 |
---|---|---|---|
タイ | 6,321万人(88%) | 4,910万人(68.3%) | 2時間44分 |
マレーシア | 3,359万人(97.4%) | 3,070万人(88.5%) | 2時間48分 |
シンガポール | 579万人(96.0%) | 513万人(85%) | 2時間14分 |
インドネシア | 1億8,530万人(66.5%) | 1億3,900万人(49.9%) | 3時間11分 |
ベトナム | 7,844万人(79.1%) | 7,270万人(73.3%) | 2時間25分 |
日本 | 1億440万人(84.9%) | 9,600万人(78.1%) | 53分 |
参照:DATAREPORTAL「デジタル2024:グローバル・オーバービュー・レポート」
上記は、東南アジアの中でもとくにインターネット普及率・SNS利用率の高い国を、日本と比較したものです。
中でもインドネシアは日本よりも大きな市場を持っており、東南アジア最大のデジタル経済国として台頭しています。
東南アジアでは、経済成長に伴ってモバイル端末が急速に普及したことで、インターネットやSNSのユーザー数も急増しました。
さらに、パンデミックにより在宅時間が長くなったことで、現在も日常的にSNSやインターネットに触れる習慣がついています。
ここからは、上記5ヵ国のSNS事情についてみていきましょう。
参照:statista「インターネット経済規模SEA 2015-2025」/「東南アジアにおけるインターネット利用 - 統計と事実」
タイ
SNS | ユーザー数 | 広告リーチ数 | |
---|---|---|---|
1位 | Facebook(フェイスブック) | 4,910万人 | 68.3% |
2位 | TikTok(ティックトック) | 4,438万人 | 70.2% |
3位 | You Tube(ユーチューブ) | 4,420万人 | 61.5% |
4位 | Facebookメッセンジャー | 3,555万人 | 49.5% |
5位 | Instagram(インスタグラム) | 1,875万人 | 26.1% |
参照:DATAREPORTAL「デジタル2024:タイ」
タイではFacebookとYouTubeが長く人気を誇っていましたが、パンデミック後にTikTokが急成長し2位に浮上しました。
上記からはTikTokの費用対効果が高く、Instagramはリーチ数が低いことがわかります。
また、Facebookはタイ人にとって国民的なSNSです。
娯楽目的以外にも、情報収集の手段やビジネスの場としても活用されています。
また、日本と同様にLINEも深く浸透しており、90.5%の人が利用しているのが特徴です。
以下の記事では、各SNSの詳細やタイのSNSマーケティングのコツ、KOL(インフルエンサー)マーケティングの市場規模や注意点についても解説しています。
マレーシア
SNS | ユーザー数 | 広告リーチ数 | |
---|---|---|---|
1位 | TikTok(ティックトック) | 2,868万人 | 85.4% |
2位 | You Tube(ユーチューブ) | 2,410万人 | 69.9% |
3位 | Facebook(フェイスブック) | 2,235万人 | 64.8% |
4位 | Facebookメッセンジャー | 1,185万人 | 35.3% |
5位 | Instagram(インスタグラム) | 1,570万人 | 45.5% |
参照:DATAREPORTAL「デジタル2024:マレーシア」
マレーシアは市場規模が小さいものの、若年層が多くSNSマーケティングが有効な1つの国です。
その理由として、34歳以下の若者が半数近くを占めるため、現地ユーザーの消費者感覚にマッチするコンテンツを提供することが重要となります。
とくに、TikTokはユーザー数と広告リーチ数がトップであり、若年層や女性をターゲットおよびtoC業界のマーケティングに最適です。
以下の記事では、マレーシアのSNSの各詳細およびマーケティングする上での注意点を紹介していますので、ご参考ください。
シンガポール
SNS | ユーザー数 | 広告リーチ数 | |
---|---|---|---|
1位 | You Tube(ユーチューブ) | 513万人 | 85.0% |
2位 | LinkedIn(リンクトイン) | 420万人 | 69.6% |
3位 | Facebook(フェイスブック) | 370万人 | 61.3% |
4位 | TikTok(ティックトック) | 338万人 | 58.3% |
5位 | Instagram(インスタグラム) | 315万人 | 52.2% |
参照:DATAREPORTAL「デジタル2024:シンガポール」
シンガポールではYouTubeのシェア率および広告リーチ数が最も高く、顔出しをした動画コンテンツということもあり態度変容が促しやすいチャネルとして利用されています。
2位のLinkedInはビジネスパーソンや経営者、高学歴・高年収層に利用されており、toB業界向きのチャネルです。
以下の記事では、各SNSの利用目的や利用者層、ビジネスでの活用シーンなど詳細に解説していますので、ご参考ください。
インドネシア
SNS | ユーザー数 | |
---|---|---|
1位 | You Tube(ユーチューブ) | 1億3,900万人 |
2位 | TikTok(ティックトック) | 1億2,680万人 |
3位 | Facebook(フェイスブック) | 1億1,760万人 |
4位 | Instagram(インスタグラム) | 1億90万人 |
参照:DATAREPORTAL「デジタル2024:インドネシア」
インドネシアで最も普及しているのはYouTubeで、シニア層にも人気です。
次いでシェア率が高いのはTikTokで、1億2,680万人がダウンロードしています。
このことから、インドネシアでは動画メディアが非常に人気が高いことが伺えるでしょう。
また、インドネシアで台頭しているメッセンジャーアプリは「WhatsApp」で、1億1,200万人が利用しており、老若男女から支持されています。
インドネシアの各SNSの特徴やKOL(インフルエンサー)マーケティングの注意点、Instagramの市場規模などは以下の記事をご参考ください。
以下では、無料でSNS平均利用時間やWebサイトへアクセス数の多いSNSなどのデータを基に、東南アジア各国のSNS事情について詳細まで解説をしていますのでご参考ください。
ベトナム
SNS | ユーザー数 | 広告リーチ数 | |
---|---|---|---|
1位 | Facebook(フェイスブック) | 7,270万人 | 73.3% |
2位 | TikTok(ティックトック) | 6,772万人 | 86.3% |
3位 | You Tube(ユーチューブ) | 6,300万人 | 63.5% |
4位 | Instagram(インスタグラム) | 1,090万人 | 11.0% |
参照:DATAREPORTAL「デジタル2024:ベトナム」
ベトナムで最もユーザー数が多いSNSは「Facebook」で、広告リーチ数が高いのは「TikTok」です。
一方、世界的に人気のあるInstagramは、ベトナムではユーザー数が少ない傾向があります。
さらに、音声コミュニケーションが重視されるベトナムでは、独自のプラットフォーム「Zalo」も普及率が高い傾向です。
ZaloはLINEとFacebookを掛け合わせたような性質を持っています。
Facebookのビジネス利用が多いのに対し、Zaloはプライベート利用がメインであるのが違いです。
その他のSNSの各詳細およびInstagramのインフルエンサー広告については、以下の記事をご覧ください。
東南アジアの主要SNS5選
ここからは、東南アジアの主要SNSを5つ紹介していきます。
Facebook(フェイスブック)
YouTube(ユーチューブ)
TikTok(ティックトック)
Instagram(インスタグラム)
WhatsApp(ワッツアップ)
Facebook(フェイスブック)
世界的に人気の高い「Facebook」は、東南アジアにおいても1~2位のシェアを占めており、幅広いユーザーにリーチするために重要なプラットフォームです。
とくにタイやベトナムにおけるシェア率が高く、そのほかの国でも6割以上の広告リーチ数を維持しています。
Facebookは実名登録であることからプライバシー性能が高く、ビジネスに利用されることも多いSNSです。
詳細なユーザー情報を活用して効果的なターゲティングができるメリットがあります。
各国で年代ごとの使用率に差はあるものの、Facebookページの設置や広告出稿は必須です。
また、日本よりも「Facebookグループ」が活発に使われており、グループ内での発信や情報提供も有効な戦略となります。
YouTube(ユーチューブ)
動画共有プラットフォームである「YouTube」も、メディア型のSNSを好む東南アジア諸国からの人気が高い傾向です。
幅広いジャンルが揃っており、すべての年代がアクティブユーザーであるという国も少なくありません。
とくにタイやインドネシアでは老若男女問わず支持されています。
また、東南アジアではYouTube広告を見ている人が多い傾向です。
各国で6~8割の広告リーチ数をキープしており、中でもシンガポールでは85%の高いシェア率を誇っています。
TikTok(ティックトック)
「TikTok」は、近年東南アジアで急速に人気が高まっているショート動画型のSNSです。
なかでもZ世代やミレニアル世代からの注目度が高く、影響力のあるインフルエンサーが数多く台頭してきています。
広告リーチ数もタイで7割、マレーシアとベトナムで8割以上をキープしており、リーチ効果も高いSNSだといえるでしょう。
ショート動画を活用したマーケティング手法は近年人気を集めており、拡散されやすい傾向があります。
そのため、ブランドの認知度向上に最適なツールです。
Instagram(インスタグラム)

Facebookと同じMeta社が運用する「Instagram」も、東南アジアでは比較的注目度の高いSNSです。
各国のトップ5にランクインしてはいるものの、先述したSNSに比べるとユーザー数や広告リーチ数はやや低い傾向があります。
東南アジアでは、主にインフルエンサーやブランドの投稿をチェックするなど、トレンド情報の発信や収集目的で活用されている傾向です。
ファッション・メイク・グルメ・旅行など、女性をターゲットにしたジャンルが台頭しています。
インフルエンサーやKOLを起用したプロモーション・ライブコマースなどが有効です。
WhatsApp(ワッツアップ)
「WhatsApp」は、全世界で20億人以上が活用しているメッセンジャーアプリで、東南アジアでも非常に人気があります。
日本ではLINEが台頭しているため普及率は低いですが、世界ではFacebookとYouTubeに次ぐ規模のユーザーに活用されているSNSです。
東南アジアでは、とくにシンガポール・インドネシア・マレーシアにおいてシェア率が高く、インターネットユーザーのうちの7割~9割以上に普及しています。
現地ではビシネス利用されることも多く、顧客とのコミュニケーションチャネルとしても活用されている形です。
東南アジアSNSマーケティングにおけるポイント
東南アジアにおけるSNSマーケティングのポイントは、以下の通りです。
インフルエンサーマーケティングのトレンドに留意する
ライブコマース媒体・ECプラットフォームとして活用する
その国独自の人気SNSも把握する
インフルエンサーマーケティングのトレンドに留意する
既存の人気SNSだけでなく、新しいプラットフォームの開拓も重要な要素です。
とくにインフルエンサーマーケティングを意識するなら、別の媒体にトレンドの有無にも留意しましょう。
TikTokのように、新しいSNSが人気を博すことは珍しくありません。
実際、Livestreaming・Twitch・Podcastなどへ活動範囲を拡大しているインフルエンサーも多いです。
コロナ前のインフルエンサーマーケティングでは、販売促進が主なコンテンツでした。
しかし、コロナ後は「社会にとっていいコンテンツか」「有益な発信内容か」などに消費者の興味関心が集まるようになり、影響力のある人の発言・発信内容が注目されています。
KOLなどが台頭してきたのもこれが一因です。
ライブコマースの集客媒体・ECプラットフォームとして活用する
東南アジアではライブコマースの人気が高く、SNSのショッピング機能の需要が高い傾向があります。
そのため、越境ECを検討している方は、Shopee・LAZADA・Tokopediaとの使い分けも検討するといいでしょう。
東南アジアで越境ECがおすすめの理由や、おすすめのモール型ECサイトと特徴について、以下の記事で解説していますので、ご参考ください。
その国独自の人気SNSも把握する
主要SNS以外にも、国によってはベトナムのZaloのように国内SNSが人気を集めているケースもあります。
そのため、すでに紹介したメジャーなSNSだけでなく、今後も新しいSNSが台頭してくる可能性があることを忘れないことが大切です。
常に情報を最新にしておくことが効果的なマーケティングのコツになります。
東南アジアSNSに関するよくある質問
最後に、東南アジアマーケティングに関するよくある質問を紹介します。
国別に分けて紹介していきますので、ターゲット国の情報をチェックしてみてください。
マレーシア
マレーシアの越境ECの市場規模を教えてください。
マレーシアの越境ECにおける現状については、以下をご覧ください。
マレーシアにおけるWebマーケティングの現状が知りたいです。
マレーシアのWebマーケティングのトレンドについては、以下をご覧ください。
タイ
タイビジネスに進出するコツやメリットを教えてください。
タイビジネス進出のメリットやデメリットについては、以下をご覧ください。
シンガポール
シンガポールの越境ECの市場規模を教えてください。
シンガポールの越境ECについては、以下をご覧ください。
インドネシア
インドネシアのデジタルマーケティングの現状が知りたいです。
インドネシアのデジタルマーケティングについては、以下をご覧ください。
インドネシアのデジタル広告事情はどうなっていますか。
インドネシアにおけるデジタル広告のトレンドや規制は、以下で紹介しています。
インドネシアの人気検索エンジンを教えてください。
インドネシアの人気検索エンジンと利用状況は以下をご覧ください。
ベトナム
ベトナム越境ECに最適なプラットフォームは?
ベトナム越境ECに適したプラットフォームについては、以下をご覧ください。
ベトナムのInstagram市場について詳しく知りたいです。
ベトナムのInstagramの利用率やインフルエンサーマーケティングについては、以下をご覧ください。
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